40:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 02:50:44.74 ID:dENxnsuZi
少し悩んだ末、大森先輩セレクトの陰日向に咲くに急遽変更してもらい、
開演までマックで時間を潰すことに。
私はほんとはお腹すいてたんだけど、
マックフルーリーしか頼まない大森先輩の手前、
セットをガッツリ食らうわけにもいかず同じ注文をした。
席に着く時、さりげなくわたしが座ってから椅子につく先輩を見て
感動したのを今でも覚えてる。
ただ当時の感動は「こんなことしてくれる人はじめて!」
じゃなくて「男の人って優しいんだな~!」って感動だった。
マックのトレーの紙に落書きしたりして遊んだ。
字も絵も上手な大森先輩に更にときめいた。
41:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 02:54:37.28 ID:dENxnsuZi
開演時刻になり劇場へ移動、映画を鑑賞。
なかなかの感動ものだった。
少し涙ぐみながら隣を見ると、ボロボロ泣いてる先輩がいた。
先輩「…見られたくなかったんだけど」
男の人って泣くんだあ、と思った。
42:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 02:59:42.13 ID:dENxnsuZi
劇場を後にしたは良いものの、さてこれからどうしようかということに。
自分から誘っておきながら映画しかプランを用意していなかった私は困った。
先輩「どっか行きたいところとかある?」
私「えーと、うーん、あの、先輩は?」
先輩「うーんwじゃあとりあえず駅まで歩く?」
駅にはあっという間についた。
また唸る私たち。
私「あ、あのじゃあ、お散歩、しませんか」
大森先輩は散歩が趣味と言っていたのを思い出し、とりあえず提案してみた。
先輩「えっ?いいの!?」
散歩につきあってくれる人なかなかいないんだよーと言って
ニコニコ歩く大森先輩は可愛らしかった。
43:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 03:09:01.18 ID:dENxnsuZi
歩いてる時も、大森先輩は必ず車道側にいてくれて、
気遣い細やかだなーといちいち感動してた。
それから2~3駅分くらい歩いたかな?
学校のある駅まできた。
先輩「あ、ここまで来ちゃったらさ、せっかくだから。
学校の裏の公園いったことある?」
私「ないですね」
先輩「景色きれいだからいってみない?」
コンビニで買い物して行くことにした。
当時、チョコレートまんにハマってた私は入店早々それを見つけて先輩に言った。
へー、って反応。
先輩「飲み物なに?ミルクティーでいい?」
ミルクティーを2本もってレジへ直行する先輩。
先輩「あと、肉まんとチョコレートまん1つずつお願いします」
つくづくイケメンである。
44:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 03:12:03.81 ID:dENxnsuZi
お金払います!荷物もちます!という私の声にもニッコリ優しく微笑んで、
いいからいいから、と歩き出す先輩。
着いた先は公園の丘の上。
びっくりするほど夜景がきれいだった。
先輩「ね?来てよかった?」
切り株みたいな椅子に座って夜景を見ながら話した。
54:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 12:23:39.51 ID:j385rfXli
追いついたー
今のスペック聞いてもいい?
のちのち出てくるならそんときで
56:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 12:48:28.54 ID:dENxnsuZi
うーっす
電車ひまだから続き書くよ!
>>54
今のスペック
20歳になりました。
わりと最近の話なんだね!
他になんか付け足しほしかったら言ってください。
55:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 12:37:53.79 ID:6wYkwrJ30
追いついたー
続き楽しみー
57:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 12:55:03.58 ID:dENxnsuZi
続き
それから丘でしばらく話してたんだけど、大森先輩の携帯に着信が入った。
先輩「ごめん出ていい?」
ーうん、あーごめん。いくいく、うん。先始めてて。
先輩の口ぶりでこの後なにか予定があることが分かって、電話が終わってから聞いた。
私「すいません、もしかして人待たせちゃってます?」
どうやら地元の人たちと定期的にやってるバスケの日だったらしい。
ということで、解散することに。21時頃でした。
大森先輩は駅まで送ってくれた。
先輩がいなくなってたら寂しいので、振り返らなかった。
58:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:03:33.21 ID:dENxnsuZi
帰ってからも、その日のこと何回も反芻して心は阿波踊り状態。
慣れないヒールで何時間も歩いたのに足は全く痛くなかった。
恋()の力とはすごいものである。
もう大森先輩のことしか考えられないくらい大好きになってた。
メールは少し減ってたけど、変わらず優しい先輩。
学校で会っても挨拶できるようになって、周りの人には少し驚かれたりもした。
大森先輩は打ち解けると結構しゃべるし面白い人なんだけど、
パッと見ではクールで無口そうな印象だから
あまり部活以外の後輩から話しかけられることはなかったように思う。
私の学年の可愛い女子たち(うちの高校はレベル高かった)
が大森先輩のこと話してたの聞いたことあったけど、やっぱり見てるだけって感じだった。
だから、部活の後輩でもない私が仲良くしてもらってることに少し優越感もあった。
59:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:07:23.94 ID:dENxnsuZi
もう好きで好きでしょうがなかった私は、2月に入って告白することに決めた。
知り合ってから2ヶ月も経ってない、デートも一回しかしてないという状況で。
今なら早まるなとぶん殴るところだけど、その時はもう言わずにはいられないって感じだった。
61:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:13:01.52 ID:dENxnsuZi
学校から帰ってきて、いてもたってもいられなくなり、メールした。
話があるからあってくれませんか。
大森先輩のバイトのあと、21時に学校の前で待ち合わせた。
寒さに悴む手、これから告白するんだという緊張。
大森先輩を待つ時間は永遠にも思えるほどだった。
先輩は原付で来た。
60:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:07:44.52 ID:sWiGUvpCO
みてるよー
62:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:16:15.45 ID:dENxnsuZi
>>60
ありがてえ!
先輩「ちょっと歩く?」
丘のある公園とは別の、少し離れた公園まで歩いた。
初めて来た公園でちょっとテンションあがった。
告白しに来たことを忘れたわけじゃなかったけど、
何となく切り出しづらくてしばらく雑談が続いた。
結構話しこんでたと思う。
63:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:21:06.52 ID:dENxnsuZi
2~3時間ほど話したでしょうか。
ふと、どちらからともなくといった感じの沈黙が漂った。
ここか。
私「あ、あの…」
先輩「うん」
私「ええと、私、あの…」
先輩「…」
私「…大森先輩のことが好きです。付き合ってください」
顔が見れなくて俯いたまま言った。
目を瞑って返事を待った。
心臓はありえないくらいバクバクしてて、口を開けば飛び出しそうなほどだった。
64:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:27:01.19 ID:PtSrbPpbi
wktk
65:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:35:57.69 ID:dENxnsuZi
自分の爪先と大森先輩の爪先の間の地面を見つめた。
黙って返事を待った。
だけど、一向に沈黙は破られない。
あまりにも長すぎる。
不安になって思わず先輩の顔を見上げた。
泣いている…だと…。
驚いた。
え、なんで泣いてるの?あれ?脳内プチパニック。
涙を流すほどではないにせよ、あきらかに涙目で、泣くのを堪えている。
67:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:42:10.37 ID:dENxnsuZi
私「え…?」
先輩「…」
ずずっと鼻をすすり、先輩はやっと口を開いた。
先輩「…元カノ(あみ先輩)が、忘れられなくて…。今は誰とも付き合う気になれない。ごめん…」
何となく分かってた答え。でも、はっきり直接きくのはやっぱりこたえた。
一瞬にして胸の真ん中に穴がぽっかり空いた気分。
ショックとか悲しいとかいう感情じゃない。
ただただ、無。
66:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:37:54.30 ID:3o8nHDmA0
青春してるねー!!
69:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:51:50.30 ID:dENxnsuZi
>>66
高校時代はほんとに青春だった気がします!
私「そう、ですか」
なぜかこちらがいたたまれなくなって、再び俯いた。
目頭が熱くなった。
2滴、3滴。涙がパタパタと音を立てて落ちた。
漫画キャンディキャンディの「頭を下げてると水分まで下がってくるみたい!
」ってセリフを思い出した(状況全然ちがうけど)
とめどなく溢れた。嗚咽が洩れた。しゃくりあげた。
その時、私と大森先輩は30センチくらいの距離で向かい合って立ってたんだけど、
私はなぜかその先輩の胸に俯いたまま頭を預ける形に寄りかかった。
先輩がどんな顔をしてるかは分からなかった。
だけど、大きな手が頭の上に乗ったのは分かった。
ゆっくり、優しく撫でられる感触に、余計に泣けた。