両親の離婚&怪我で部活人生終了➡︎絶望していた俺にやってきた忘れられない夏

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1:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2015/10/29(木) 00:42:59.97ID:sYzRLdDP0.net
夢を捨てて二浪した俺が、一夏に体験した忘れない思い出
暇な奴がいたら聞いてくれ

夢を諦めた・忘れたって人がいたら、特に聞いて欲しい

3:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2015/10/29(木) 00:45:47.96ID:sYzRLdDP0.net
俺は高校時代、バレー少年だった
昔から背だけは高くて、中学の時に何の気なしに始めたバレーボールだった。
これが本当に面白くて、俺はたちまち虜になった。

4:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2015/10/29(木) 00:46:57.52ID:sYzRLdDP0.net
仲間と協力して連携プレーを決めた時。
捕れない!と思ったボールに滑りこんで指先で上げた時の快感。
何より、相手のブロックを打ち抜いてスパイクを決めた時の歓声。

俺はその全てに魅せられ、バレーボールに夢中になった。

6:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2015/10/29(木) 00:50:23.02ID:sYzRLdDP0.net
中学の時は弱小校ながらも熱心な顧問の元、エースとして頑張った。
その甲斐あってか、俺は都内でもそれなりの強豪と呼ばれる高校の監督に声をかけられ
そこでプレーすることとなった。

俺のこの進路を、両親はとても喜んでくれた。
俺がバレーで頑張ることを、いつも応援してくれていたように思う。
特に母さんは、俺が高2になるまで、本当に熱心に応援してくれていた。

5:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2015/10/29(木) 00:50:05.97ID:/sVPUO3b0.net
俺もバレーやってたわ
気になるから見てやる。
あと、酉つけた方がええで

7:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 00:53:58.63ID:sYzRLdDP0.net
>>5
サンクス

強豪校でありながらも、「楽しくバレーする」ことがモットーだったうちの高校は、
厳しくしごかれる時もあれど、監督や先輩の指導には、常に愛があった。

一年の時からレギュラーとして試合に出場し、監督や先輩からも、
「お前はどんどん伸びていく。これから凄く楽しみだ」と期待されていた。

俺もその熱い期待に答えるべく、毎日練習を重ねた。
部活が終わって、最後の最後の片付けが終わったあと、一人で体育館に残って筋トレを続けた。
時にはネットの片付けは一人でやると言って、練習後にスパイクを100本近く打ち込んだ。

8:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 00:55:36.63ID:sYzRLdDP0.net
その全てが、「バレーが好きだった」から。
俺は本当に沢山の人に応援されて、いい仲間に恵まれて、最高の環境でバレーをしていた

そんな日々がたまらなく楽しくて、大切だった。

9:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:00:50.65ID:sYzRLdDP0.net
でも、俺が高2の春くらいにそんな日々がほころび始めた。
二人揃って俺のバレーを応援してくれていた両親が離婚した。

なんでも、親父に浮気の疑いがあったとかなんとか。
俺はその時、親父に対してものすごく怒りが湧いた。

俺は母さんにとても同情し、これからは俺が一人前の男になって、
母さんを支えないといけないんだ、と思った。
私立の高校に通っていたから、これからは母さんも仕事頑張るし、俺も奨学金でなんとかやっていくよ、
なんて二人でよく話していた。

10:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:06:38.66ID:sYzRLdDP0.net
でも、母さんは離婚から半年も経たないうちに、新しい男を家に連れてきた。
俺はそれが信じられなかった。
正直、ショックで言葉も出なかった。

まだガキだった俺には、すぐに現実を飲み込むことができなかったが、
それでも母さんが、家族が、幸せにやっていけるならそれでいいんだと言い聞かせ、
なんとか状況を受け入れることができた。

11:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:11:55.29ID:sYzRLdDP0.net
新しくきた男は、義父ということになるんだが、すぐにはなじめなかった。
なんでも都内の大手銀行に勤めているという、お堅い男だった。
俺はその男のことを、決して父さんとは呼べなかった。

だって俺は、別れてしまったけど、元の親父の事が大好きだったからだ。
ちょっとテキトーでだらしない所もあったけれど、
俺はそんな親父の事が大好きだった。
でも、大好きという気持ちだけでは「家庭」は上手くいかなかった。
きっと現実なんて、そんなもんなんだろうな。

だからこうして母さんは親父と別れ、新しい男が家にやってきた。
単純に、それだけのことだったのだ。


12:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:14:46.21ID:/sVPUO3b0.net
支援
部活って親からのバックアップが大事だもんなぁ
こういう家庭環境だと辛そうだ

13:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:23:17.53ID:sYzRLdDP0.net
その男が来てからというもの、母さんが俺から学校の事や、部活の事を聞く機会がめっきり減った。
毎日欠かさず作ってくれていた弁当も作ってくれなくなった。
朝、「ごめんね」と言いながら俺に千円札を渡すだけになった。

昼休み、毎日クラスの奴らと一緒に弁当を食っていた習慣も、
俺だけ一人、千円札を握りしめて学食に行く日々に変わった。
母さんが離婚してから、少しずつだけど俺の毎日も変化が起き始めていたんだ。

14:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:25:49.35ID:sYzRLdDP0.net
そんな風にして、突然の環境の変化で気持ちが追いつかず、フワフワしていた時だった。
俺の人生において最悪の日が来た。

高2の夏も終わり、秋の入口が見えてきた頃だったろうか。
去年の春高バレーの予選で悔しい想いをした俺のチームは、
春高バレーの予選に向けて、猛練習をしていた。

15:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:27:29.24ID:sYzRLdDP0.net
その時俺はすでにエースとして、チームを引っ張る立場だったから、
その日の練習でも、スパイク打ち込みをやっていた。
本当に、いつも通り打ったつもりだった。

ネットの向こう側には後輩たちがレシーブしようと構えていて、
後ろからは、「いけー!」というチームメイトの掛け声が聞こえた気がした。

16:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:29:13.29ID:sYzRLdDP0.net
着地した瞬間に腰に激痛が走って、
俺はうめき声を上げてその場にうずくまった。

もう立ち上がることすらできなくなってしまい、
その日のうちに監督の車に乗せられ、病院に運ばれた。

俺は重度のヘルニアになり、腰を痛めてしまった。

18:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:32:25.34ID:sYzRLdDP0.net
前々からフォームに癖があり、腰に負担をかけるぞ、
と監督に言われていた矢先の事だった。

医者から告げられたのは、
「手術するかぎりぎりのライン。少なくとも1年くらいは安静にしろ」という内容だった。
薬を飲んで、安静にしているのが一番の治療だ。
ヘタしたら一生スポーツの出来ない体になる、と言われた。

1年間安静、それはすなわち、もう高校バレーは諦めろ、と言われたのと同じだった。
しかも、1年間安静にしたところで完治する保証もなかった。
跳びあがって、思い切りスパイクすることは最早困難だろう、とまで言われた。

19:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:35:33.03ID:sYzRLdDP0.net
大好きで、ずっとずっと続けてきたバレーボール。
春高バレーの舞台に立って、あのオレンジコートの中で
仲間と同じ景色を見るのが、夢だった。

俺は冗談じゃなく、本当に夢に見ていたんだ。

それが突然奪われてしまうという喪失感、残酷さ、
俺はどうしようもなく落ち込んで塞ぎこんでしまい、高校を数日間休んだ。
俺からバレーボールがなくなったら、一体これから何をすればいい?
そんな思考が頭の中を駆け巡った。

20:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:38:13.67ID:/sVPUO3b0.net
うわぁ…つらい

21:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:39:18.13ID:sYzRLdDP0.net
こういう状況になった時、
「俺はそれでも好きだから、マネージャーになって影で支えるぜ」
なんて行動に出る人もいるんだろうが、俺は全然違った。

腰を痛めたあと、俺は硬いコルセットを巻いて部活の手伝いをしたんだが、
コートの中で力いっぱいに躍動するチームメイトたちを見ているのは、
本当に辛かった。

22:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:41:55.69ID:sYzRLdDP0.net
本当は、俺もあのコートの中にいるはずだった。
見るだけで、何も出来ない自分。

俺は、バレーを見ていたいんじゃない。あのコートの中で、誰よりも高く飛んで、
俺の視界を塞ぐ3枚ブロックを突き破りたいんだ!
自分勝手かもしれないが、俺には本当にそんな風にしか思えなかった。

そして俺は仲間たちの春高予選を見届け、バレーボール部を退部した。

24:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:43:08.14ID:sYzRLdDP0.net
それからの日々は、毎日頭にちらつくバレーボールの事を忘れるのに必死だった。
監督やチームメイトも、俺を強く引き止めることはなかった。
俺の落ち込みようが本当に凄まじかったからだと思う。

ただ、ひどく残念がっていた。
お前がプレーできなくなるなんて、1がいなくなるなんて、とただ悲しんでくれていた。

26:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:49:34.11ID:sYzRLdDP0.net
そんな目的を失って絶望していた俺は、
想いを寄せていた女の子に気持ちを伝えようと考えた。
1年のバレーをやっていた頃からずっと好きだった、美香という同級生だ。

俺の事をいつも応援してくれていて、事あるごとに放課後体育館に来ては
バレー部の部活の様子を見ていた。
周囲からは「両想いなんだぞ!」と囃し立てられたこともあった。

バレーを失ってからっぽだった俺には、美香という好きな女の子への気持ちだけが残っていた。
だから俺は寂しさや悔しさを紛らわすために、美香と一緒にいたい、と強く願った。
けど、美香から返ってきた言葉は俺の想像とは違うものだった。

27:1 ◆aPqsLiX.0g @\(^o^)/: 2015/10/29(木) 01:50:57.87ID:sYzRLdDP0.net
美香「え、1ってケガしてバレーできなくなっちゃったの」
美香「残念だなぁ。私は、バレーをやっている1がかっこよくて好きだったのに」
美香「…ごめんね」

俺は、好きだった子に、あっけなくふられたのだった。

俺は、バレーボールができなければなんなんだろう?
バレーのない俺なんて、一体何のためにここにいるんだろう?
美香のこの言葉に俺は深く傷ついて、もうどうしてかいいか分からなくなってしまった。