71:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 13:57:51.79 ID:dENxnsuZi
背の高い先輩の腰に遠慮しながらも軽く腕を回した。
後ろまでは伸ばさず、先輩の両脇あたりの服を軽く掴む感じね。
先輩は頭を撫でながら、そっと抱きとめてくれた。
細いのに筋肉のついた男の人の腕にぎゅっと抱きしめられて、不思議と安心した。
先輩の胸に顔をうずめるわたしの頭の上に、先輩の顎が乗るのを感じた。
考えてみると妙な状態ですね。
振られたのに抱き合うとかww
72:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 14:06:26.87 ID:dENxnsuZi
そのままどれくらい時間が過ぎたでしょうか。
私と先輩はどちらからともなく離れた。
自分の涙が治まってることに気づいた。
帰ろっか。
はい。
やっぱり先輩は駅まで送ってくれた。
ただ、泣いた顔を見られたくなかったので明るい所に出る前に、もうここで、と言った。
先輩「わかった。…ん?」
大森先輩が腕を広げて首をかしげた。
もう一度ぎゅっと短くハグをして、ありがとうございましたって呟いて走って改札を抜けた。
74:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 14:08:50.53 ID:dENxnsuZi
ホームに向かう階段をとぼとぼ登ってると、不意にバチンと音がして、電気が消えた。
??
下から駅員さんの呼びかける声がする。
駅員「もう終電いっちゃいましたよーー!」
え。
76:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 14:12:53.91 ID:dENxnsuZi
ここからもう少しその日のことがあるんですが、
目的地ついちゃったので一旦ここで切ります!
見てくれてる人たちありがと。
今からカウントダウンライブなんで、
あんまり書き込めないかもですが暇な時間みつけてちょこちょこやってくんでぼちぼち見てくれたら!
85:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 14:41:42.83 ID:msMRwFIy0
追いついた、これはいい話
105:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 18:53:37.40 ID:dENxnsuZi
続き
終電のがしたと知った私はもうパニック。
振られたショックとあいまってボロボロ涙流しながら駅員さんに泣きついた。
私「じゃあ、どヴずればいいんでずがあ~~うわあああああ(大号泣)」
駅員「いやあ、どうすればと言われましても…。タクシー、とか…」
私「ぞんなお金ないでず~!!!!」
駅員「…とりあえず改札出・C
106:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:01:32.93 ID:dENxnsuZi
続き
終電のがしたと知った私はもうパニック。
振られたショックとあいまって、泣きながら駅員さんに訴えた。
私「じゃあどうすればいいんですかあ~~(大号泣)」
駅員「どうすればと言われましても…。タクシー、とか」
私「そんなお金ありません~~!!」
駅員「とりあえず出てもらえますかね…」
いたいけなJKを見殺しにするとは許さんぞ駅員このやろう、
と心の中で悪態をついて、途方に暮れつつさっき入ったばかりの改札を出た。
目の前には大森先輩が立っていた。
108:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:10:14.45 ID:dENxnsuZi
私「え…なんで、」
先輩「いやあ、電車あるのかなあって思って時刻表みてた」
私は泣いた。
先輩「なんとかするからちょっと待っててな」
そう言ってどこかに電話をかけはじめた先輩をぼんやり眺めていた。
いくらなんでも優しすぎるだろうと思った。
先輩「俺の先輩が車だしてくれるから、送るから少し待とう」
TSUTAYAに誘導された。
明るい場所で泣き顔見られたのと、終電のがした失態の恥ずかしさで軽く死ねた。
先輩はDVDとかCDの話をしてくれてた。
先輩「俺さあ、まだ仮免だから送ってやれなくてごめんなあ」
嬉しかった。
それから1時間くらい先輩の先輩の車を待った。
ふと、わたしは大森先輩に質問した。
私「もし、あみ先輩がヨリ戻したいって言ったらまた付き合うんですか」
当時の私をぶっ飛ばしたい。
先輩「んー…。まあそれはありえないから」
悲しそうに微笑む先輩がどこか痛々しかった。
109:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:15:44.76 ID:dENxnsuZi
到着した車に乗り込むと、先輩の先輩は2人いた。
2人ともイケメンだった。
先輩A「おーい、なに夜中に女の子つれまわしてんだよwww」
大森先輩「すいませんww」
先輩B「ごめんなー1ちゃん、こいつどうしようもなくて!」
私「いや私g」
大森先輩「先輩がた、お願いしまーっす!」
私の拙い道案内で、どうにか家につくことができた。
110:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:22:53.09 ID:dENxnsuZi
私の家は大通りから一本はいった細い道沿いにあるんだけど、
大通りに車を停めて、大森先輩と私だけが車から降りた。
私「あ、もうすぐそこなんで大丈夫です」
先輩「うん、一応ね」
大森先輩は車から途方20秒ほどの我が家の前まで送ってくれた。
私「今日ほんとすいませんでした、迷惑かけちゃって」
先輩「気にしなくていいから。じゃあなー」
大森先輩は私の頭の上にぽん、と手を置いてぐりぐりーっと撫でてから、
私に家に入るように促がした。
私が玄関の扉を閉めるその時まで、大森先輩は見守っていてくれた。
111:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:29:54.88 ID:dENxnsuZi
部屋で少し落ち着くと、色々な気持ちがぐるぐると頭の中で混ざった。
振られた悲しみ、振った相手にも優しい先輩、やっぱり好き、でも振られたんだ…。
とりあえずお詫びとお礼のメールを送った。
大森先輩の返信の内容は丁寧だった。
『今日はごめんな。好きって言ってもらって、そりゃ嬉しかったよ。
これからも気まずくなったりしないで、お兄ちゃんみたいに頼ってくれたら嬉しいな』
こんな感じ。
普通は振られた方がフォロー入れるものかもしれないけど、私にはとても嬉しい言葉だった。
だけどやっぱり悲しくて、次の日は午前の授業をさぼった。
112:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:35:41.73 ID:dENxnsuZi
午後の授業は一応でたものの、思い出しては泣けてきて、必死に寝たふりで誤魔化した。
起こしにきた先生に泣き顔を見られた。
教室全体に響く声で、どうしてないてるんだ、大丈夫かと言われてぶっ飛ばしたくなった。
帰り道、前方に友達と歩く大森先輩の姿を見つけた。
少し泣きそうになるのをこらえて、背中をぽんと軽く叩いた。
私「大森先輩、さよならー!」
頑張って元気を装った。
先輩は少し驚いたような顔で「おー」と片手をあげてくれた。
足早に大森先輩の横をすり抜け、電車が被らないように帰った。
113:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:40:37.50 ID:dENxnsuZi
三年生は間もなく自由登校の時期に入り、
学校で先輩を見なくなったのは寂しい反面ほっとしていた。
バレンタインデーは一応用意したけど、先輩が学校に来なかったので渡せず終いだった。
卒業式まであと半月ほど、というところで私は先輩にメールした。
『卒業式、大森先輩のネクタイもらえませんか?』
(うちはブレザーでした)
『おお、まさか俺が後輩にそんなこと言われるとは思ってなかった。うん、いいよ』
嬉しかった。
114:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:53:01.22 ID:dENxnsuZi
そして迎えた卒業式当日。
卒業生たちは様々な色の髪の毛で参加していた。
校内で唯一の金髪だった先輩は、キレイにピンク色に染めてきていた。
メールで桜色にしたと聞いていた私はあまり驚かなかった。
ちなみに先輩はDQNではないです。
美容師目指してるだけあって、きれいな白っぽい金髪でした。
その前は長めの暗い茶髪におしゃれなふわふわパーマしてた。
どちらもとてもイケメンでした。
特に面白くもない卒業式が終わり、別れを惜しみ学校に居残る卒業生とは裏腹に、
在校生はどんどん帰っていった。
わたしは大森先輩を待った。
卒業式はお昼で終わったのに、学校が普段おわる時間になっても先輩から連絡はこない。
不安になった私はメールをした。
『もうおうち帰っちゃいましたか?』
返信はすぐにきた。
『ごめん、まだいるよ』
わたしがメールを返そうと思った瞬間。
ガラッ。
少し息を切らせた大森先輩がドアを開けて入ってきた。
「待たせてごめんね」
私はその時自分の教室にいたんじゃなかったのに、
場所を聞くこともなくすぐに来てくれた大森先輩はリアル王子かと思った。
115:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 19:53:06.27 ID:M/11/bWz0
先輩いい人すぎて惚れる
118:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 20:10:29.81 ID:dENxnsuZi
>>115
行動だけでもかっこいいのに、これがイケメンと来た日にはもう大変なこっちゃです
116:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 20:01:01.15 ID:dENxnsuZi
よく見ると、先輩の制服はすごいことになってた。
ブレザーの前のボタンはもちろんのこと、袖のボタン、
果てはセーターのボタンまで何もかもなくなっていた。
ただひとつ、ネクタイを残して。
すこし緩んでいたネクタイをするりと解き、私に差し出す先輩。
「はい、これはちゃんと守ったよ」
ネクタイなんてみんな欲しいと言ったに違いない。
それを私のために断ってくれたと思うと、とても嬉しかった。
それから学校が閉まる時間までお喋りをした。
先輩の卒アルに寄せ書きも書いた。
よくお世話になったという保健室に一緒に寄って、
初めてのツーショット写真も撮ってもらった。
いつもは裏門から帰る大森先輩。
なぜか私と同じ正門から出た。
私「あれ、こっちですか?」
先輩「まあ、最後だし」
先輩は駅まで送ってくれた。
117:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 20:08:56.35 ID:dENxnsuZi
改札前。これで本当に最後なんだと思うと寂しかった。
だけど涙は出なかった。
私「じゃあ、これからも頑張ってくださいね!」
先輩「うん。1も、俺がいなくてもちゃんとやるんだぞ」
私の名前を呼び捨てされたことにドキッとした。
最後だから私が見送りたかったのに、やっぱりその役目は先輩に取られてしまった。
こうして私と先輩は、同じ学校に通うことはなくなった。
end.
と思わせ、実はまだ続きます。
119:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 20:14:10.79 ID:dENxnsuZi
とりあえず区切りいいのでここで切ります。ちょっと仮眠とらせて…。
長くなって申し訳ないけど、もうしばしお付き合い頂ければと思います。
充電も危ういので、次の書き込みは年明けになるかも。
本当たまーーにでいいので、落ちそうであれば保守して頂けたら嬉しい!
ではよいお年を!
123:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 20:40:21.70 ID:M/11/bWz0
待ってるよー
>>1もよいお年をー
124:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 20:46:09.37 ID:iHTX57R00
おつかれ!
先輩本当にイケメンだなww
続きも楽しみにまってるよ
よいお年を!
125:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 20:58:56.20 ID:xSAEVTG70
続き楽しみです。よいお年を!
127:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 22:44:35.07 ID:50ocPWYM0
先輩かっこよすぎwww
惚れるwww
128:名も無き被検体774号+:2011/12/31(土) 22:52:25.84 ID:fubIDQJhi
きゅんきゅんした!
続き楽しみです!
135:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 06:28:41.41 ID:zB6NYlXHi
あけおめ、ID変わったと思うけど1です。
レスたくさんついて嬉しいわい、ありがとうございます。
続きは卒業後からの話になります。
余談ですが、振られたあとだかに大森先輩に言われたことがあった。
私があみ先輩と同じ軽音楽部で担当パートも同じだったこと、
それから私とあみ先輩は下の名前が一文字違いなんだけど
(例えば先輩があみなら私がまみ、みたいな)
そういういくつかの偶然の共通点に驚いたらしい。
見た目は全然似てないんだけど、なんか重ねるところあったのかなあ
と今では思います。