「大木凡人に似てる」と言われてたJKが学校1のイケメンに4年間片想いしてた結果・・・

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136:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 06:53:19.27 ID:zB6NYlXHi
続き

卒業式から1週間ほど過ぎ、
絶賛失恋気分満喫中の私もなんとなく日常を取り戻さなきゃと思いはじめていた。
もう大森先輩に会うことはないんだし。
などとセンチメンタルに浸っているところへ一通のメールを受信。

『よ、元気かい?頼みたいことがあるんだけど』
差出人は、冬休み中に最も名前を見た相手。
学校のロッカーに忘れ物をしたから代わりに取ってくれないかという内容だった。

午前で学校が終わる日の午後、大森先輩のジャージを届けるために待ち合わせた。

先輩「悪いねえ。あ、ご飯食べたかい?」
ファミレスで昼食を取ることにした。
同じものを注文し、おいしく頂いた。
平日の昼下がりのファミレスは、私たちを長居させるのには丁度いい場所だった。

私と大森先輩は会うといつもよく喋ったと思う。
先輩は話が上手で、将来のことなど熱いことも割と話してくれたし、
私の話もよく聞いてくれた。悩み事などには新しい切り口でのアドバイスをくれたりもした。
おすすめのバンドを教えあったりもした。
私は先輩の新しい面を知る度に嬉しかった。

ちょっとトイレ、と言って先輩が席を立った。
なかなか帰ってこない。
どうしたのかなーと気にしつつ、前日の寝不足が祟ってか少し眠くなってきた
私はテーブルにうつ伏せて目を閉じた。

意識を手放しかけたその瞬間に、携帯が震えた。

『窓の外、見て』
外の景色に目をやると、右手に煙草の煙を燻らせて片方の口端だけで微笑む先輩がいた。

大森先輩はいつもやることとさりげなさとタイミングが絶妙だと思う。

137:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 07:00:31.83 ID:zB6NYlXHi
一服を終えて戻ってきた先輩は、
彼もまた眠かったのでしょう、さっきの私のようにテーブルにうつ伏せて寝てしまった。
起こすのも悪いなと思い、そっとしておいた。

普通は2人で会ってる時に相手が突然寝はじめたらイラっときそうなものだけど、
先輩の寝方は、なんかペットが自分の膝で寝てくれた時の様な許せちゃう感があった。
(もちろん惚れた弱み補正もあったと思う)

138:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 07:09:08.75 ID:zB6NYlXHi
30センチちかく身長差があるために
普段は絶対にみることのできない先輩のつむじなどを見られて少し得した気分だった。
きれいにブリーチされた髪の毛の一際きれいに色が抜けている部分に思わず手が出た。
そっとつまんだつもりが、先輩を起こしてしまった。

先輩「…あー。寝てた…?」
大森先輩は高校時代からよく寝る人でした。
遅刻していない先輩を見たことはほとんどなかったといっても過言ではないでしょう。

ファミレスを後にして駅に向かった。

139:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 07:20:07.69 ID:zB6NYlXHi
因みに、ファミレスの支払いは先輩がしてくれました。
しかし、おごられ耐性のない私は自分のぶんのお金を渡そうと必死になった。
いいよーこれくらい、と笑う先輩も最後は私のしつこさに負け半分ほど受け取ってくれた。

先輩「その半分は帰りの電車賃」

定期だから電車賃なんていらないのに…。
またしても駅まで送ってもらい別れた。

完全に終わったと思った関係が、そうではなかったことの嬉しさに小躍りする勢いだった。

143:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 12:42:52.85 ID:ROlwRcK30
あけおめ!
続き頑張って

145: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2012/01/01(日) 13:45:28.60 ID:klCwo6VB0
先輩が何で振られたのか気になるな

153:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 19:19:04.63 ID:zB6NYlXHi
>>145
直接聞いたわけじゃないけど、あみ先輩にすぐ別の彼氏できてたところを見ると、
そういうことみたいでした。大森先輩の方がイケメンだった。

155:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 19:39:33.28 ID:zB6NYlXHi
続き

ある日の昼休み、なんだか女子たちがざわざわしていた。
「ねえ、あれそうだよね?」
「ほんとだ~!」
何だろうなーと思っていると、メールを受信した。

『中庭』

4階の窓から中庭を見下ろすと、大森先輩がこちらに手を振ってくれた。

気もそぞろという感じで午後の授業を終え、先輩に会いにいく。
大森先輩はひとりではなく、他の先輩たちと来ていた。
他の先輩たちも、在学中は華やかな人たちだったのでやたら目立ってたのを覚えている。

先輩「車の免許とれたんだ」

先生や生徒に見つからないように、こっそり乗せてもらった。
うちの高校は制服で車に乗っちゃいけないという校則があり、
隠れながらの乗車はなかなかドキドキした。

154:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 19:32:10.46 ID:D8LLtD+C0
見てるぞ

157:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 19:50:22.30 ID:zB6NYlXHi
>>154
ありがたいです。

そのまま少しドライブして、カラオケに行くことに。
かっいい先輩たちプラス自分というシチュエーションに緊張した。
しかしカラオケが苦手なわたし。
歌いなよとすすめられるも頑なに拒否した。
空気の読めなさにシラけかけたとき

先輩「いっしょに歌おうか」

2人が共通で好きなバンドの曲を歌った。
お陰で空気が悪くなるのを回避できた。

私が頼んだパフェをじっと見つめる先輩。

私「…たべます?」
先輩「いいの?」
隣から少し身を乗り出して口をあける先輩。
…待ってる。
爆発するかと思うくらいドキドキしながら、あーんてやつしてあげた。
にっこりする先輩の顔の素晴らしさに死ぬかと思った。

156:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 19:43:51.11 ID:neDVzFjZ0
やったー続き!
校則冗談みたいな厳しさだなぅ


158:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 19:58:50.83 ID:zB6NYlXHi
>>156
全体的にはかなりゆるかったけど変なとこ厳しかったんですよね。

ひととおり遊んだ後、駅まで送ってもらい帰った。
その後も先輩はたびたび学校にきて車に乗せてくれることがあった。
大抵は他の先輩たちと数人で来ていたけど、たまに1人でくることもあった。
2人で歩いてるところを目撃され、私と大森先輩が付き合ってるという噂も流れはじめた。
ちょっと切なかった。

159:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 20:10:25.56 ID:zB6NYlXHi
2人でライブにいくことも増えていった。

はじめの頃、ライブ慣れしてない私を庇うように
後ろから軽く抱きかかえるようにしてくれた先輩にときめいたりもした。
(今ではライブでそういう男女を見るとぶん殴りたくなります)

開演前の暇な時間に、不意に私のほっぺたの肉をつまんでぐにぐにしてくる先輩。
私の髪の毛を触ったり編み込みをはじめたりする先輩。
そういう行動にいちいちドキドキする自分が憎かった。

161:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 20:18:58.69 ID:zB6NYlXHi
当時、無料通話が売りだったウィルコムを持つのが流行っていた。
お互いにもっていた私たちは頻繁に電話した。
かけるのは、私からのときも先輩からの時もあった。
1時間や2時間の長電話なんてザラだった。

一度振られたからには諦めなければいけないと分かっていながら、なかなかできずにいた。

162:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 20:33:24.31 ID:zB6NYlXHi
あ、書き忘れていたんですが、そのとき先輩には新しい彼女が居たのです。
それは3月の終わり頃、先輩メールで知りました。
なので、そういう脈ありかと思える言動の数々も妹的存在ゆえと思ってた。
キープなどというものは考えるどこか思いつきもしなかった。

2人で遊んでる時に、一度だけ聞いたことがある。

私「私と遊んだりして彼女さんは気にしませんか?」
先輩「…あー。まあ大丈夫じゃない?」
心なしか先輩の表情が硬くなった気がしたので、以後その話題は出さないようにした。

163:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 20:36:45.74 ID:fYzGORvn0
切ないお。。

164:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 20:41:48.73 ID:zB6NYlXHi
そういう感じで、先輩とは卒業前より仲良くなっていった。
私は、もう吹っ切れて妹ポジションに収まった風を装っていた。
もちろん先輩にはばれてたと思う。

バイクの免許を取った先輩は、夜中に私の家の前まで会いに来てくれるようにもなった。
例えばCDの貸し借りや、ライブのチケット代のやり取りをするという理由で。
そして私が会いたいと言えば会いに来てくれた。

165:名も無き被検体774号+:2012/01/01(日) 21:08:22.44 ID:zB6NYlXHi
一度だけ、大森先輩が母に会ったことがある。

それは、私が門限を破ってしまった時。
前にも書きましたが、大森先輩はかなり時間にルーズなところがありました。
遅刻は日常茶飯事。
夜に先輩と待ち合わせてCDを借りる約束をしていたとき、
先輩は大幅にも程があるほど遅れて来た。

車で来たので自宅まで送ってくれることになったはいいけど、
案の定道に迷い日付も変わってしまった。

22時の門限を過ぎても帰宅せず連絡もない私の携帯には、
母からの鳴り止まぬ着信がきていた。

門限があるのが子どもっぽくて恥ずかしかった私は、
先輩に悟られたくないばかりに折り返すこともせず無視を決め込んでいた。

そうするうちに他の家族からも着信が入るようになり、
いよいよヤバイと感じた私はついに電話を取った。

母「あんたなにやってんの」
その声色で、今回はガチだと悟った。
正直にわけを話し、謝った。

母「先輩の車で来るんでしょ?先輩にも一言挨拶するからそう伝えなさい」
仕方なくその旨を大森先輩に伝えた。
先輩は応じてくれた。

母は家の前の大通りまで出てきて待っていた。
車を停め、私が助手席のドアを開けた瞬間、母の怒りの鉄拳が飛んできた。
私は普段から悪いことをしたら殴られるという叱られ方には慣れていたので、
そのビンタの力加減で、今日はそうでもないななどと安心していた。
ところがそれを見た大森先輩は少し慌てたらしく、急いで車から降りてきた。

先輩「こんばんは、初めまして。大森といいます。
今日は僕のせいでこんな時間になってしまい、本当にすみませんでした」
私の隣で深く頭を下げる先輩。
母「そうですね。連絡のひとつも入れないうちの娘が悪いんだけど、
一人娘なんで心配なんですよ。こんなこともうない様によろしくお願いしますね」
母の声のトーンはそこまで怒ってるようには感じなかった。

後で母の話を聞くと、先輩がちゃんと礼儀正しかったので許したという。
ただ、最初にシメておかないとナメられて今後も同じようなことが起こると思って、
私と先輩の両方に対して敢えてあの様にしたということだった。
もちろん私はその後も散々シメられました。