それが十数人分のご遺体だと気付くのに、そんなにかかりませんでした。
恐らく、他人を下敷きにして自分が上に上がろうとしたのでしょうか。
それとも、波に遊ばれ角に寄ったのでしょうか。
2階部分から光が差し込み、その中に黒々とした、まさしく死屍累々の山。
ジェットコースターで内臓が浮いたような感覚になり、そのときは、
「ああ、そっか」と呟いて引き返したのですが、その情景が頭から離れない。
今も。
本来の目的地に向かいます。
その道すがら、時々人が見えました。
助けないと、という気があったのか。正気を失っていたのか。
恐らくその両方でしょう。
こういう事態なんだな、とふわっと感じていた程度でした。
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