「うん。四郎さんは、ただ、助けてほしかったんだと思う。
今の状態が辛くて苦しくて、どうすればいいのか分からなくて……それでも、毎日を過ごさなきゃいけない。彼は、疲れたんだよ。
だからこそ、オラの家に来たんだと思う。金目的ってのは、たぶん後付だろうね。
きっと、誰かに手を差し出して欲しかったんだと思う。自分の境遇を聞いて欲しかったんだと思う。
……最後に見た四郎さんの顔が、そう言ってた気がしたんだ。
もちろん、それは四郎さん本人じゃないと分からないだろうけど」
「……四郎さんは、しんのすけさんに救われたんですね」
「違うよあいちゃん。オラは、何もしてないんだ。ただ、少しだけ背中を押しただけ。
最後に足を踏み出したのは、四郎さん自身なんだよ」
「……そう、ですね……そういうことにしておきます」
あいちゃんは、ようやく笑みを浮かべた。
最後にあいちゃんは、深々と頭を下げる。
「――とにかく、本当にごめんなさい。これからは、気をつけるようにします」
「だから、それはいいって」
「……でも私、ますます気持ちが強くなりました。やっぱり私は、あなたと共にいようと思います」
「それは……どうなんだろ……」
「フフフ……言ったはずですよ?私、しつこいんです。――では、おやすみなさい……」
そしてあいちゃんは、微笑みを残して帰って行った。
何だかますます明日からの生活が不安になったが、今日は休むことにした。
家に入り、眠るひまわりの部屋を覗く。
「……お兄ちゃん……」
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