白髪の紳士「女の子にこんなことさせて申し訳ない」➡︎数ヶ月後、ホテルで偶然に紳士と再会した結果・・・

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168: ◆bN5NHW/.U6 2012/01/16(月) 10:05:32.84 ID:6UK3llfl0
その通りです、猛省しています。 
下記にもあるようにこれがもし危険な人だったらと後悔しました。 
思慮というのは付け焼き刃では到底出来ませんね 帰宅したA君に数時間前の出来事を話した。 
秘密で、とカナちゃんは言ったけど、…そうもいかない。 
カナちゃんにも後ろめたくて、ジレンマを感じていた。 黙って聞いていたA君は少し笑って 
「知っていますよ」 
と言った。 「なんだ、秘密のつもりだったのか。昨日夕方会ったときに言われましたよ、家庭教師さん見に行ってやるって。どうせカナのことだから実行するだろうとは思っていたけど」 「勝手にあげてごめんなさい」 「押し掛けたのはカナだから謝らなくていいよ。ここは自分の家同然ですよ?母さんが生きてたら多分、そうしてたよ」 

母さん、と聞いて動揺する。 
亡くなったと聞いてから一度も触れてこなかった話題だ。

 

A君はいつも気丈で、人が自分に気を遣うことを特に嫌う。 

先述のような失態を起こしても、「自分の家同然でしょう」と然り気無くフォローをする。 

私が1つの出来事をひきずる性格だと知っていて、そうして場の雰囲気を悪くしないように気遣ってくれるのだ。 

「あ、でもどれだけサンタクロースみたいな人でもそれは開けちゃ駄目だからね」 
「どういう意味でしょうか…」 

そんな冗談も交えてきちんと諫めてもくれる。 

私にはその懐の大きさは真似出来ない。 
どっちが年上なんだ、しっかりしよう。洗い物をしながら考え込んだ。 

―母さん。 

こんな良い子に育っているA君を産んだ人。 
どれだけ素敵な方だったのだろう。 
お会いしてみたかった。

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