1:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:33:13.65 ID:3FPiZK/h0
立ったら書く。
2:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:37:13.12 ID:3FPiZK/h0
ちょっと昔の話だが、田舎の村から幼馴染の子と駆け落ちして逃げたwww
とんでもないしきたりのあるクソ田舎www
3:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:41:25.85 ID:3FPiZK/h0
小学生の内から婚約者の内定みたいなのを決めてたりする田舎。
十歳上の許嫁とかリアルで有ったとんでもない所です
5:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:48:22.28 ID:3FPiZK/h0
すまん。
で、例外なく僕にも許嫁がいました。
仮に名前を有紀子とします。
6:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:48:29.73 ID:SpB9+VOOO
見てるよ
7:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:48:30.17 ID:2hLflhdMO
未だにそんな許嫁制度みたいなんがあるとこあるんだな
8:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:53:22.46 ID:3FPiZK/h0
彼女は同い年。
ただ、村の権力者の大地主の所の娘。
本来なら僕の実家の様な弱小農家と許嫁など結ぶことがあり得ないのだが、
僕らの生まれた年に許嫁を結べる子供が居なかった(ここは聞いた話なんでよくわからない)
というのと、地主夫婦がまだ若く、家を継ぐ男の子がどうせ生まれるという
理由で、彼女と許嫁になったらしい。
9:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:55:57.12 ID:OKUxRj9+0
ふむふむ
10:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:56:08.50 ID:3FPiZK/h0
僕の両親、祖父母に関しては大喜び。
婆ちゃんなんてその話が決まった時(僕が生後半年位)
神棚に一晩中お礼を言い続けたらしい。
また、村でもちょっとした話題になったという
11:名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 23:58:48.89 ID:3FPiZK/h0
そんな関係なんで、有紀子とは小さいころから仲が良かった。
彼女の家にも頻繁に遊びに行ってたし、小学校一年くらいまでは一緒に
お風呂に入ってた。
家の人もかなり暖かく迎えてくれていた。
13:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:03:48.25 ID:tpbZim4N0
小学校高学年になる頃には、お互いに将来結婚する事がしっかり意識
出来てた。
というか、僕は実際有紀子が大好きだった。
なので、周囲の同級生が
「あの子好きだ~」とか「でもあの子○○好きなんだぜ」
とかの話題で一喜一憂してる時はすごい優越感があった。
15:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:09:58.57 ID:tpbZim4N0
僕の通っていた小学校はいくつかの村から子供が集まってくる所
だったが、許嫁制度があるのは自分の村だけだったようで
僕たちの関係はかなり好奇の目で見られたし、女子にはかなりからかわれた。
16:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:12:53.59 ID:tpbZim4N0
ところが、中学校に上がった頃。
問題が起こった。
17:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:14:06.55 ID:35khdb1ZO
wktk
18:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:17:00.60 ID:tpbZim4N0
地主の夫婦、つまり有紀子の両親だがいつまでたっても子供が生まれない。
期待されていた男の子が生まれない。
これに地主の一族が焦り出した。
若い事に期待してすぐに次の子供は生まれると思っていたから。らしい。
実際、有紀子の両親は結婚してすぐに有紀子が出来ている。
19:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:20:25.37 ID:tpbZim4N0
更に悪い事に、有紀子の母親が病気になり、子供が期待できなくなってしまった。
こうなってくると話が変わってくる。
中一の11月。
僕と両親は有紀子の家に呼ばれた。
22:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:23:14.62 ID:tpbZim4N0
そして、有紀子の婆さんからいきなり
「お宅の倅とわしの孫との許嫁の話は無かった事にする」
と一方的に告げられた。
そして、その後何も言う間もなく追い返された。
23:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:26:40.38 ID:tpbZim4N0
僕は全く状況が理解できなかった。
父親は茫然としてるし、母親は唇を真一文字に結んで震えていた。
家に帰って両親が祖父母にその話をすると、
祖母は僕に「何かお嬢さんに粗相したんじゃないか」
と詰め寄り、祖父は魂の抜けたようになっていた。
24:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:29:17.34 ID:i9aifKo40
おもしろい
25:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:31:00.39 ID:tpbZim4N0
それからというもの、我が家は村の中で非常に肩身が狭くなっていた。
村中の噂の的になってしまった。
「鯛に逃げられた。」
とか
「地主さんの目が覚めた」
だの。
母が日に日にやつれていくようで、子供ながら非常に申し訳ない気持ちだった。
27:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:35:17.86 ID:tpbZim4N0
そして、中二の春。
僕は許嫁解消以来、話しかけられなくなっていた有紀子に声をかけた。
彼女も僕を避けるような感じになっていたんで、非常に気まずかった。
「なぁ。僕の事、きらいなん?」
どう声を掛けていいか判らずとっさにこう言ってしまった。
恥ずかしくて顔を真っ赤にした。
すると
「ううん。好きだよ。ずっと。」
と言われた。
もう死ぬかとおもった。
29:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:38:32.08 ID:tpbZim4N0
「じゃあなんで?」
と思わず詰め寄ると、
「お婆ちゃんが、お家の為だからって。もう新しい許嫁も決まってる。」
・・・死にたくなった。
30:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:44:04.35 ID:tpbZim4N0
「誰!?」
思わず大声をだしてしまい、有紀子が肩をびくっとさせた。
「・・・○○さんの家の太一さん」
聞いて愕然とした。
その家は確かに名家だが、そこの太一と言えば三十過ぎのおっさんだ。
31:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:49:24.00 ID:tpbZim4N0
ショックで何も考えられなくなり
「あぁ・・そう・・」
としか言えなかった。
さらに彼女はつづけて言う。
「あのね。18になったらその人と結婚するんだって。」
吐き気がしてきた。
彼女が18の時、太一は40になっているはずだ。
虎舞竜か!
34:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:53:51.90 ID:tpbZim4N0
その日は、どうやって家に帰ったのか覚えていない。
気が付いたら自分の部屋にいて、泣いてた。
悔しくて悔しくて仕方なかったのを覚えている。
翌日、目が真っ赤になっていたのが恥ずかしくて
学校をさぼった。
35:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:55:15.71 ID:5UB2apP00
期待
37:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:57:14.72 ID:TzS/wvqU0
紫煙
38:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 00:59:12.64 ID:tpbZim4N0
しかし、1週間もすると絶望感よりも怒りが込み上げてきた。
当時、良い感じに中二病を発症し始めていた僕の思考は
1、太一を消す
2、太一を浮かす
3、太一を○○
の三択になっていった。
40:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:03:12.09 ID:tpbZim4N0
ジャ○プの背表紙裏の通販で購入したエアガンを持ち
山に入り、射撃訓練を繰り返し来るべき決戦に備えた。
しかし、ここで思わぬ問題発生。
太一は引きこもりだった。
42:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:09:27.90 ID:tpbZim4N0
ターゲットが表に出てこないのでは意味がない。
戦わずして敗北感が漂う。
どうする!どうするの俺!
と無い頭絞ってとにかく太一を○○することを考えていたある日
夜、食事中にみていたTVドラマから思いもよらないヒントを得た。
そのドラマでは、両親に反対された男女が遠くの地へ仲良く逃げる話が
描かれていた。
そう。 「駆け落ち」である。
すぐに僕はコレだ!!と思った。
43:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:12:41.65 ID:tpbZim4N0
この時の僕に駆け落ちの大変さなんて微塵も判るはずもない。
何故ならドラマはハッピーエンドだったから。
この時の僕の心の声
「何があっても有紀子は僕が守る!」
今思い出しても恥ずかしくて死ねる黒歴史。
44:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:15:53.26 ID:tpbZim4N0
そうと決まれば善は急げとばかりに準備を進めた。
まず、JAで全財産をおろす。
お年玉貯金だ。
・・・しかし、思った以上に金額は少なかった。
10万チョイ。記憶通りならもっとあったハズ。
良い子のみんなは、お母さんにお年玉は預けちゃダメだぞ。
45:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:18:26.13 ID:phbep65rO
面白いぞ
46:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:23:10.17 ID:tpbZim4N0
そこで、欲しいものが出来たと嘘をつき、おこずかいの前借や祖父母の手伝いで
資金集めをした。
結果12万弱が駆け落ち資金となった。
そして、7月25日。夜11時。
僕は有紀子の家に侵入した。
闇に紛れる為、全身黒の衣服に黒のバンダナで口元を隠し、サングラス。
どう見ても不審者です。本当に
48:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:29:49.29 ID:tpbZim4N0
ここで気付く。
夜、サングラスでは何も見えないという事に。
サングラスは速攻で捨て、レッツ潜入。
彼女の家は犬を飼っていたが、幸い僕に慣れていたので吠えられることなく
彼女の部屋の窓の前までたどり着いた。
まだ起きているようで電気がついていたので、ゆっくり窓を開ける。
結論から言おう。
女の子の部屋の窓は許可をもらってから開けよう。
お兄さんとの約束だ。
50:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:36:17.82 ID:tpbZim4N0
衣類の整理をしていたらしく、下着が床にいくつもおかれていた。
「よっ!」
と明るく声をかけたものの目線が自然とそちらに向く。
彼女は一瞬声をあげそうになったが、押し黙って
僕にビンタすると
「ちょっと待って」
と言ってカーテンを閉じた。
53:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:39:53.82 ID:tpbZim4N0
数分してカーテンが開き
「はいって良いよ。」
と言われ室内へ。
久しぶりに訪れた有紀子の部屋は女の子らしい部屋になっており、
その雰囲気とパジャマの彼女と相まって胸がドキドキして苦しかった。
54:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:44:34.55 ID:tpbZim4N0
「それで、こんな時間にどうしたの?」
と言われ、思い切って
「僕と駆け落ちしよう!」
と告げた。
有紀子はかなり驚き
「え!?無理だよ!」
とか
「子供には出来ない!」
と言っていたが僕はここで
ぼくのかんがえたかっこいいせりふ を放った。
「大丈夫!どこでどんな困難があっても僕が有紀子を守って見せる!」
・・・自分は痛い子です
57:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:48:06.88 ID:tpbZim4N0
しかし、意外な反応が有紀子から帰ってきた。
「本当?」
じっと僕の目を見つめて目をうるませている。
やばい。胸の鼓動で死にそうだった。
「もちろんさ!」
そう言ってそっと抱き締めた。
この時、僕は最高に僕自身に酔ってたわけで。。
58:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:51:50.11 ID:tpbZim4N0
で、打ち合わせの末三日後に村を出ようと決めてその日は一時帰宅。
そして運命の三日後。
午後3時。
僕は部活と偽り、村のバス停へ。
有紀子は図書館に行くと偽りバス停へ。
ここから僕らの駆け落ちが始まった。
60:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:54:31.34 ID:tpbZim4N0
バスが村の境を抜けた時。
僕の心の中は 成功 の2文字しか無かった。
この後行くあて等有りもせず、数少ない資金。
けれどそんな事など一切頭にない。
何故ならドラマの中の駆け落ちはハッピーエンドだったから
という理由で
61:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 01:57:35.67 ID:tpbZim4N0
そして、バスが町の駅に着くとその駅から出る電車で一番遠い町の切符を買った。
駆け落ちとは遠くへ行くものだと思っていたから。
そして、電車に乗り、目的地に着くまで2人でずっと他愛ない話を続けた。
62:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 02:01:40.87 ID:tpbZim4N0
電車を降りると時間はもう夜の8時をまわっていた。
見知らぬ町の夜。
急に不安になってくる。
「ねぇ、夜どうするの?」
そう言われてハッとする。
なんと言ってもノープラン。
そんなこと考えてなかった。
63:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 02:06:33.19 ID:tpbZim4N0
「大丈夫だよ!」
と粋がって見せ、近くの旅館の受付に入ってみる。
「すみません。2人なんですけど大丈夫ですか?」
受付のおばさんが不審そうな顔で僕たちをみる。
「君たち、2人?親御さんは?」
やはり中学生2人と言うのは怪しいのか。
「ええ、親戚の家まで夏休みを使って2人だけで行ってみようって。
その途中なんです」
有紀子がアシストを入れる。
64:名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 02:09:49.84 ID:tpbZim4N0
「けど、電車間違えちゃって。電話したら
今日はどこかに泊って明日行きなさいってお母さんが。」
と続ける。
やはり、疑うような視線を向けてきたが、
「では、こちらに記入を・・・」
と受付の用紙を出してきた。
僕がホッとしたのもつかの間。
用紙には住所と連絡先の欄があった。