その日初めてAの家に行った
すごい屋敷みたいな家だった
門があって庭があってとにかくでかい。地主さんだったらしく、庭に鯉とかもいた。
家の奥に案内されると、道場みたいなのがあった。
死んだ祖父が建てた道場とのこと
流派というよりはとにかく実践格闘術のためだそうだ。
そこでAに、どんな方法でもいいから俺を倒せ
と言われた。
最初はビビってたけど次第に力任せにでも、掴みかかれるようになった
一時間後くらいかな?ボロボロにされて道場の天井を見てるとAがアクエリアスをもってきてくれた
どうよ?痛むか?
と聞かれて、なぜかまだ大丈夫と答えてしまった
それから日が暮れるまでがむしゃらに掴みかかった
みてくれてるひとありがとう
Aは
お前の今の実力じゃどうやってもそれが限界だ
俺一人さえまともに相手できない
これからは本当の戦い方を教えてやる
と言われた
俺は内心めんどくさそうと思ったがここまでしてくれるAに疑問を感じていたが、頑張ろうとおもった
それからずっと稽古の日々が続いた
殴ってきた右拳の手首を右手で掴み左手を肘から回して即座にアームロックで反撃する技や基本的な蹴り、突きなど、一ヶ月くらい教わった
その間、いじめられてる最中は絶対に反撃しちゃいけなくて、受けの練習だと全てをよけずにもらうことをさせられた。
Aは痛みを深く知ることも強さなんだといっていた
と言われた
自信も少しついていたけれど
ボコボコにされた。いままでで一番ボコボコにされた
でも、なんだろう手応えみたいなのがあった。
次の日やり返すことが二人の間で決まった
昼休みにボスキャラのヤツを呼び出した
最初はヘラヘラしながら取り巻きと俺君怒っちゃった~?とか笑ってたが俺の後ろからAがすっと現れるとヘラヘラ顏が綺麗に止まった。
Aはものすごいでかい声で、
今からこいつと一人ずつタイマンはれ!他のやつが手出したり、ちょっかい出すなら俺が相手するわ!
文句あるやついるか!!
と怒鳴った
ボスキャラだけやるんじゃねーの?と思ってた俺は5~6人も相手なんか出来ねーわと思いながらビビってしまった。やっぱりやめようよ、そんな思いばかりが頭をよぎった
とりあえず取り巻きのちっせえやつからで最後がボスキャラになった
俺はAに耳元で、この一ヶ月を思い出せ。体つきも目つきも全て変わっただろ?今日からお前は変わるんだ。やる前から逃げるチキンから本当の男に変わるんだ。
俺は絶対助けはしないからな。
自分の手で変えるんだ
と言われた。
ここまで来たらやってやるしかないと思った。
砂利が気になるからグラウンドの奥へと出て行った。
歩いて移動している最中が一番緊張した。