3.11があった日、パニックの電車の中で1人の女の子と出会い・・・

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20:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:07:07.16 ID:MC/VE22j0
そしたらさっきの楽器持ってた女の子が目の前に現れた
「あの、さっきはありがとうございました。あの、カバン・・・・」といって
オレの鞄を持ってきてくれた

ちょっと話したらオレを探してカバンを届けてくれたようだった

その間も何度か余震があったが徐々に落ち着いてきた

電車は運休。
バスは大行列
タクシーも行列。

身動き取れなくて三人でベンチに移動して1時間くらい座ってた。

19:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:02:42.37 ID:4Jr44JeL0
場所は?
東京?

21:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:13:31.49 ID:MC/VE22j0
>>19
関東とだけ。

おばあちゃんの膝の痛みも取れてタクシーに乗れたので
女の子と一緒におばあちゃんを見送った。

そして二人でバスに並びながら話してた。

彼女は関西出身らしく、子供の頃阪神淡路大震災を体験していて
フラッシュバックしてたみたい。

怖くて声も出なかったって言ってた。
だから声かけてくれて、手すり掴ませてくれてちょっと落ち着けたらしい。

そのままオレがおばあちゃん抱っこして電車から飛び出したけど
一向に戻ってこなくてカバンが気になってたからオレを探してくれた。

そんな話をしてたんだ

22:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:14:49.20 ID:/FkNvn0/P
スペック~は、あとでもいいか^^;

28:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:28:29.28 ID:MC/VE22j0
>>22
ゴメンね、スペック。

オレ
27歳、個人事業主
180センチ70キロ
アンタッチャブルの柴田似

彼女
26歳、バイオリニスト
170くらい、細い
ビビアンスーに雰囲気似てる

32:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:35:35.94 ID:/FkNvn0/P
>>28
スペックさんきう。170とはでかいな。ヒール込みかな

35:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:48:57.66 ID:MC/VE22j0
>>32
ヒール履いたらオレと同じくらいになります。
背は高いですね

24:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:20:10.86 ID:MC/VE22j0
結局その日は大きな駅で別れて連絡先の交換とかもなかった。

それから4か月後、オレは仕事の食事会でピアノとバイオリンなどの
生演奏が聞けるレストランにいた。

声を掛けてきたのは彼女の方からだった。
オレがトイレに立った時ドレスを着てさっきまでバイオリン弾いてた人が
声をかけてきた。

「あの、覚えてますか?地震の日に一緒の電車で助けてもらった・・・」

すっかり忘れてたけど、声を掛けてもらって思い出した。

でも正直顔もハッキリ覚えてないし、恰好が違いすぎてアヤフヤな受け答えをした


28:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:28:29.28 ID:MC/VE22j0
とりあえずその時はオレの名刺を渡して席に戻った。

帰るときにお互い遠い距離だったけど、ペコって頭を下げて
オレは店を出た。

次の日彼女から電話が来た。

よかったらお礼にご飯御馳走させてほしいと言ってくれたんだ。

約束の日を1週間後に決めてその間もメールを何度かやりとりした。

そして約束の日待ち合わせの駅で再会した。

31:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:34:26.91 ID:MC/VE22j0
会った時間はお昼で、彼女が調べてくれていた
ホテルのランチビュッフェで食事したんだ。

彼女は立ち振る舞いも落ち着いていて
きっとお嬢様なんだろうなぁって思ってたけど、実際そうだった。

今も実家に住んでいて一人暮らしを許してもらえないとか
小さいころからバイオリンをやっていて留学していた話とか。

正直世界が違いすぎた。

オレは居酒屋専門のコンサルを細々やってて、
収入だって同年代より少ないし、家も貧乏だったから
彼女の話はテレビ番組みたいに感じていた。

33:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:42:16.63 ID:MC/VE22j0
でも彼女は子供たちにバイオリン教えて、夜にレストランで演奏して
たまに小さいコンサートに出る生活を繰り返していたらしく
こうやってオレみたいな同年代の音楽やってない人と話すのは久々らしく
とても楽しいと、しきりに言っていた。

その後も彼女の方から何度か誘ってくれて
カフェで話したり、一緒に美術館行ったり、オペラ見に行ったりした。

でも遊べば遊ぶほど世界の違いになんだか劣等感を感じてたんだ。

だってオレはオペラを見たことなんてなかったし、
美術館に言ったのも子供の頃の遠足くらいのものだった。

ある日彼女が夜食事をしようと誘ってくれた。

一見さんお断りのの天ぷら屋だった。

食べログでお店を見たらすごく高そうで、頑張って割り勘だったりオレが出したりしてたけど
すごく気が重かった

35:名も無き被検体774号+:2012/03/11(日) 19:48:57.66 ID:MC/VE22j0
そしてオレは食事が終わって店を出て、彼女に言ったんだ。

オレは君と住む世界が違いすぎる。
一緒にいてなんだか苦しいんだ。
普段の食事はコンビニか松屋で、飲む場所も居酒屋が中心なんだ。
恥ずかしいけど、お金もそこまで余裕はないって。

彼女は涙をポロポロ流しながらごめんなさいと呟いた。

言っといてなんだけど、オレもすごく悲しくなった。

性格も良くて、良く笑う子で、顔もすごくかわいくて、
正直欠点なんとほとんど見当たらないけど、

家柄?みたいなものが辛かったし、もし付き合っても
親に反対とかされるんだろうなって勝手に思ってた。