高校の行事の勉強合宿で夏の山奥へ➡︎そこで忘れられない出来事が・・・

【PR】Akogare


1:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:28:19.78ID:MBkufoH5.net
俺が高3だった頃に起きた夏の一週間のこと、良かったら聞いてくれ。
ちょうど先週、高校のクラス会があってさ、色々思い出したんだ。

付き合ってくれたら嬉しい。

3:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:29:01.50ID:MBkufoH5.net
俺の高校は、夏になると決まって勉強合宿があった。
都内にある高校を離れて、山奥にある民宿に籠ってクラスみんなで勉強するんだ。

期間は一週間なんだけど、
一日10時間は絶対勉強しなくちゃいけないから、確かにしんどい。
だけど、それ以上に楽しみな行事でもあった。

クラスのみんなと一週間もお泊りできる行事だからね。
第二の修学旅行みたいな感じで、否応無しにテンションが上がるんだ。

5:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:29:57.31ID:MBkufoH5.net
一週間分の大荷物を持ってこなきゃいけないから、
みんな大きなカバンにキャリーバッグを引いて来たり、それは大層な荷物になるんだ。

沢山の期待や不安を大きなバスに突っ込んで、都会にある高校から山奥を目指す。
毎年のことだったから、3年目にもなると、みんな淡々とこなしていたよなw

それでも、やっぱりワクワクしちゃう気持ちがあってさ、
民宿に向かう朝のバスは変な昂揚感があったっけ。

18:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:46:02.44ID:hO5z0CqG.net
大作の予感

9:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:32:42.41ID:DWoD00fs.net
ふーん、ちょっと>>1に付き合ってみるかねぇ

7:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:31:11.02ID:MBkufoH5.net
俺の高校は、都内の外れににあるそれなりの進学校だった。
ちなみに俺のクラスは35人くらい。
文系の進学クラスとされていて、男女比は、男子1:女子1って感じだったかな?

3時間もバスに乗っていれば、目的地である民宿近辺まで来る。
途中で長いトンネルを越えるんだけど、そこで景色が一変して、
もう視界には青々とした森や畑しかなくなる。

そこで俺たちはやっと「今年も勉強合宿が始まるんだ」って実感が湧くんだ。

8:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:32:03.20ID:MBkufoH5.net
山奥にあるちっぽけな民宿の、舗装もされてない駐車場にバスが停まって、次々と大荷物を降ろしていく。
乗務員は一人しかいないから、各自が放り出された荷物の中から自分のものを見つける。

これも毎年のことなんだが、ここで必ずトラブルが起こるんだ……
吉谷「先生ー! 俺のベースがねえんすけど!」
先生「はー? お前勉強合宿になんでベース持ってきたんだ!」

このように、誰かが必ず自分の荷物を見失うww
吉谷っていうのは軽音部のやつで、学校にいる時も四六時中ベースを担いでるようなやつだ。

10:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:33:43.07ID:MBkufoH5.net
先生「なんでそんなもん持ってきたんだ! よく探せ」
吉谷「あーい……」
怒られて当然なのに、何故だか不服そうに返事をする。

俺「お前、なんでベースなんか持ってきたんだよ」
吉谷「だっていつも触ってないと勘が鈍るだろ」
俺「つっても俺たち受験生だぞ……」

吉谷「バカ、一週間だぞ。めっちゃなげえじゃねーか」
俺「一週間なんて、本当にあっという間だぞ」

11:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:35:06.36ID:MBkufoH5.net
俺はまだこれから起こることを知らなかったから、
本当にあっという間の一週間だろうなと思っていた。

受験生にとっての一週間なんてあっという間で、それでいてとても大切な時間だ。
だから、この合宿でもひたすらに勉強だけしようと思っていた。

「ありましたよ! これのことですよね?」
しばらくすると、乗務員のおっさんの呼ぶ声がして、
吉谷のベースは見つかり、事なきを得た。

12:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:36:35.65ID:MBkufoH5.net
先生「みんな準備いいか?こっちこーい」
担任の一声でクラス全員が宿の前に集まる。
そこには、これからお世話になる民宿の老夫婦が立っていた。

委員長の号令に従い、みんなで挨拶する。
この挨拶のためもあってか、初日はクラス全員が制服を着用していた。
それが済むと、一斉に部屋に向かうわけだが、ここでおかしな事に気付く。
俺「あれ、武智がいなくね?」
吉谷「あ、ほんとだ」

武智とはクラス1の落ち着きのない気分屋なんだが、
やっぱりこの挨拶の時にも姿をくらましていた。

13:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:38:03.09ID:MBkufoH5.net
重い荷物を引きずりながら部屋に向かうと、やっぱりそこには武智がいた。
俺「お前さ、挨拶ぐらいしろよ……」
武智「えーなんかめんどくさくってさぁ」
元ラグビー部の体育会系のくせに、こういう儀礼を面倒臭がるんだ。

武智は部屋の真ん中で寝そべってくつろいでいたが、
吉谷はそんな武智を気にも留めず、荷物の整理を始めていた。

武智「でも、部屋結構広くてよくねー?」
俺「確かに去年当たった部屋より広いな」

広々とした2階の和室で、
窓からはさっき降り立った駐車場(ただの広場)が見渡せた。

14:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:38:50.74ID:DWoD00fs.net
支援
酉つけた方がいいんじゃね?

16:1 ◆od.mCbJyhw @\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:41:33.42ID:MBkufoH5.net
>>14
ありがとう、そうする

元気は結構な漫画オタクで、今回も相当な漫画本をカバンに詰め込んできたようだ。
ただ、外見には気を使っているようで、オシャレな黒縁眼鏡をかけている。

俺「お前、今年も漫画なんかもってきたのか」
元気「いやいや、今年はそれにプラスして……」
元気はにやけながら、カバンからゲームキューブを取り出した。

武智「うわ! いいぞ元気ww」
俺「なつかしいww」
突然のゲーム機登場に、俺たちは一気にテンションが上がってしまう。


15:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:39:43.98ID:MBkufoH5.net
吉谷「なあ、すぐに勉強会始まるぞ?準備しろよ」
しばらく窓から外を見てぼーっとしていると、吉谷に注意された。

俺「あ、そうだな。武智も急げよ」
武智「あーーい……」
そんなこんなで俺たちも準備を始めていると、遅れて元気が入ってきた。

吉谷「お前、おっそいなぁ……何してたん?」
元気「いやぁ、荷物が重くてさ」

17:1 ◆od.mCbJyhw @\(^o^)/: 2016/12/13(火) 23:44:25.46ID:MBkufoH5.net
武智「おいww元気ーwww」
テンションの上がった武智が元気にプロレス技のようなものをかけ始める。
元気「ちょwwやめろってwww」
俺もそれに乗じて「うぉーーいwww」とか言いながら変なノリを始めるw

合宿初日でテンションが上がりすぎていたんだ。
(ちなみに、このテンションは3日ともたない……)

部屋でもみくちゃになる俺たちを、半笑いで見つめながら、
「俺、先行ってるからなw」
と言い残して、吉谷は先に部屋から出ていった。