彼女に聞くと、家には祖母と母親の二人だけが残っているらしく、
祖母の足が悪いために残る判断をしたようです。
家に行くために、崩壊したオフロード状の道を進んでいくと、まだ津波は到達していないようでした。
車から転げるように彼女が飛びだし、それに僕が続きました。
ちょっとした庭石があったので、そこに飛び乗り海を見ると、もうすぐそこまで津波は来ていました。
「2階に上がれ!靴忘れんなよ!」
そんな僕を見ていた彼女のお母さんいわく、
波に背中を押されているんじゃないかと見えるようだったと聞きました。
本当にギリギリで階段を駆け上がると、後ろからいろいろなものが悲鳴のような轟音を立てました。
車は流されましたが、なんとかまた生き残れました。
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