「……いい加減にしろ。たかだか一介のボディーガードの分際で、会長を侮辱するつもりか?どんな目に遭うのか、分からないのか?」
「……悪いが、今日はあいちゃんのボディーガードじゃないんだよ。今日はな、あいちゃんの友達として、ここにいるんだ」
「……しんのすけさん」
「友達が悩んでいるから、手を差し伸べただけだ。お前のとこの会長殿はどうだ?手を差し伸べたか?あいちゃんをちゃんと見てるのか?
――見てねえだろ!それが家族か!?そんなものが、家族って言えるのか!?」
「……」
「答えろよ!お前は、誰に頼まれてあいちゃんを迎えに来たんだよ!!
酢乙女グループの会長からか!?それとも、あいちゃんの父親からか!?
――答えてみろ!!!」
……辺りは、静まり返った。
すると男の一人に、突然電話がかかってきた。
「……はい。―――ッ!!」
電話に出た瞬間、男の顔色は変わる。
「は、はい――!!……いえ、実は……」
そして男は背を向けて、何かを語り始めた。
「―――え!?で、ですがそれは……!!………はい……はい。分かりました……では……」
電話を終えた男は、他の男達に何かを耳打ちする。
それを聞いた男達は、一様に驚きの表情を浮かべた。
……しかしすぐに、オラ達に背を向けて、離れはじめた。
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