「……そうか……。確か、ひまわりちゃんは……」
「……ええ。事故で……」
「……それは、大変だったね」
「いいえ。ひまわりも悲観してるわけじゃありませんので、あいつはあいつなりに、きっと力強く生きていきますよ」
「……ひまわりちゃんは、強いんだね。それに比べて、僕は……」
言葉を最後まで口にしないまま、四郎さんは俯き目を伏せた。
「……四郎さん?」
四郎さんは、やはりどこか様子がおかしい。
何か、追い詰められているようにも見える。
「……あの、四郎さん。それで、今日はどういう用件で……」
「――そ、そうだ!せっかくなんで、僕がご飯作りますよ!」
「え?い、いや……」
「まあまあ!ちょっと台所借りますね!」
「え?あ、ちょっと……!」
まるで逃げように、四郎さんは台所へ向かう。
やはり、何かあるようだ。しかも、オラに言いづらい何かが……
それが何なのかは分からない。分からないけど……
(……とりあえず、様子を見るか)
もしかしたら、お金に困っているのかもしれない。
こう言ってはなんだが、彼の姿を見る限り、普通の暮らしをしているとは考え難い。
それならそうと言ってくれればいいのだが……まあ、そこは本人の口から言うべきことだろう。
オラはとりあえず、テレビでも見て待つことにした。
テレビでは、夜のワイドショーが流れていた。
特に見たい番組もなかったし、ぼーっとしながら眺めていた。
芸能人の噂、スポーツの結果、特集……いつもと変わりないような、極々ありふれた話題が放送されていた。
そして番組は、ニュースに変わる。
『――本日夕方ころ、春日部市○○のコンビニエンスストアに、強盗が入りました』
(家からわりと近いな……物騒だな……)
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