「もう!まさおお兄ちゃん!ちゃんと蹴ってよね!」
「うぅ……ご、ごめん……!」
まさおくんは半泣きになりながら、茂みの中に入り込んだボールを回収していた。
オラとまさおくんもまた、子供たちと遊んでいた。
子供と遊ぶのは、正直にいえば疲れる。彼らは疲れを知らず、全力で向かってきていた。
でも、その屈託のない笑顔と声は、自然と心を和ませる。悪くない。
「まさおくん、ちっとも変わっていないわね」
その光景を見ていたオラに、ねねちゃんは近づき話しかけてきた。
「……うん。そうだね……」
オラも微笑を返し、少しの間、校庭で遊ぶ子供たちと、子供と戯れるチーター、子供に翻弄されるまさおくんを見ていた。
「……なんだか、不思議じゃない?」
子供たちを見ていたねねちゃんは、ふと呟いた。
「不思議?」
「うん。――だって、今から20年くらい前には、あそこを走ってたのは、私たちだったのよ?」
「……ああ、そういうことね。そう考えたら、確かに不思議な感じがする」
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