合格発表
中学俺「…あった」
中学俺「っしゃああああああああ」
中学俺(やった、中のちょっと上高校に合格だ!)
?「……」
?(そろそろ俺の出番か……)
翌年
高校俺「さてと…図書館行ってくるか」
高校俺(昔未来の俺が言っていたけど高校ってやっぱ同じような連中の集いなんだな)
高校俺(だからちょっと勉強したらすぐに学年上位になっちまったぜ)
高校俺(このままトップクラスを維持してやる…俺はあいつらと違うんだ)
しくじり俺「…空しくないか?それ」
高校俺「は?誰お前?」
しくじり俺「俺?俺は未来のお前、別名しくじり俺だ」
中学俺「未来の?え?え?どうして?」
しくじり俺「まぁ未来のお前だと言う証拠をまず並べよう」
しくじり俺「お前、名前は知らないけどチア部のビッチっぽい女子のパンスト盗んで直穿きOナニーしただろ」
高校俺「っ!?」
しくじり俺「高校入学後も数か月は中学の寺沢の家行っただろ?そいつん家の家族が出かけて、友人たちがコンビニ行ってる時に寺沢の妹のパンツとブラをつけて45ったろ?」
高校俺「っ!?」
しくじり俺「で、姉ちゃんの下着類で抜くのも健在……」
高校俺「わ、わかったから……」
高校俺「で、お前何の用だよ、中学の言いつけ守って勉強してるぞ」
しくじり俺「う~ん…それなんだが、お前勉強に固執しすぎていないか?」
高校俺「は?」
しくじり俺「別に工口ゲとかアニメみたいな青春しろとは言わないけどさ、ある程度友達と遊んだほうがいいぞ」
高校俺「はぁ?なんで俺があんな頭悪そうな奴らと……」
しくじり俺「でもお前寂しいだろ」
高校俺「」
しくじり俺「入学して最初の数か月は中学の友人といつも通りつるんでいたけど、しばらくするとそいつらも高校の友人と遊ぶようになって疎遠になったろ」
しくじり俺「疎遠になったらいつの間にかもう高校内でグループできていてお前は完全ぼっち、寂しさ紛らわすために勉強してるだけだろ?」
高校俺「そ、それの何が悪い!」
しくじり俺「まぁ俺自身もお前に勉強しろと言った手前強くは言えないが極端すぎだ」
しくじり俺「学校行っても勉強だけ、発する言葉は『うん』か『はい』か問いの答えだけ、同級生に声かける時にモジモジしてしまう」
しくじり俺「そんな学生生活楽しいか?」
高校俺「だが…学生の本分は……」
しくじり俺「いやなぁ…学業なのはわかるが成績表の数字良くてもそれで人生の全てじゃないんだよ」
高校俺「……お前昔と言ってることが」
しくじり俺「あぁ、あの時は勉強さえしてれば人生上手くいくと思っていたけどそうでもなかった」
高校俺「お前今何やってるんだよ…」
しくじり俺「今?契約社員」
高校俺「…正社員じゃねぇのかよ」
しくじり俺「あぁ、正社員になるのって面接が必要なんだが、俺の場合はコミュ力培われないで面接ズタボロだったんだ」
高校俺「えぇ……」
しくじり俺「会話の冒頭で「あ」を付けちゃうし、ちょっと予想外の質問されたら言葉詰まるし、自分の言いたい事が途中で言葉詰まっちゃうしとにかく悲惨だ」
しくじり俺「まぁなんとか仕事にありつけたけど契約社員ってわけよ」
高校俺「…つまり今のうちに他人と会話して少しでもコミュ力付けろってこと?」
しくじり俺「あぁ、面接官はまだしも同年代の奴らとも会話困難ってのは異常だ」
高校俺「今のお前は?」
しくじり俺「もちろんぼっち、親と姉ちゃん以外と会話するの無理」
高校俺「えぇ……」
しくじり俺「まぁコミュ力云々は置いといて一番はあの日楽しめなかったって後悔の方が大きいんだよ」
高校俺「は?」
しくじり俺「俺みたいな歳になって青春アニメ見ると『あの時少しでも素直になって友達作ってればな』って思うんだよ」
しくじり俺「確かに勉強は大事だけど、青春を謳歌できなかったって後悔は一生残り続けるぞ」
高校俺「……」
しくじり俺「まぁホームレスにならないにしてもクソつまらない人生が待ってるぞ、今は勉強とかゲームってイキれるけど」
しくじり俺「そのうちアイデンティティの勉強も失い、ゲームも飽きるからな」
高校俺「だけど…もう」
しくじり俺「…俺は背いたけど小沢君とか宮田君がお前に話しかけてくれるだろ?それにしっかり耳を傾けて趣味を少し合わす努力したらいい」
しくじり俺「俺はあの時差し伸べてくれた手を繋いだらって後悔ばかりの日々だ」
高校俺「……」
しくじり俺「青春を謳歌してコミュ力を培え、それが自信に繋がるんだから」
しくじり俺「成績表の数字が自信に繋がるなんて幻想だ」