しくじり俺「なんか実績あるならいいけど、お前の言う学業はやっぱり成績表のランクだからな」
しくじり俺「それはできて当たり前の事なんだよ、重要なのはプラスアルファだ」
大学俺「プラスアルファ……」
しくじり俺「資格を取ったり、ゼミで勉強したり、一つの科目を極めたり、要は受動じゃなくて能動的な何かがないといけないんだ」
しくじり俺「お前は意気揚々と学業って言うけど結局当たり前の事言ってるからアピール点には全然なってない」
大学俺「…」
しくじり俺「面接官受けが悪いからな、その時気づいたんだ。大学時代は受動的じゃなくて能動的な行動をしないといけないんだって」
大学俺「…まぁ…お前が言うならそうなんだろ」
しくじり俺「聞き分けいいな」
大学俺「そりゃ3度目だからな」
大学俺「バイトとかサークルでもいいの?」
しくじり俺「あぁ、これは集団面接の時聞いたんだが、バイトだと社会活動を経験して責任感を培ったとかバイトリーダーで他のバイトをまとめたとかアピールできるし」
しくじり俺「サークルだと仲間を通じて何かを成し遂げたとか色々な人と接したとか協調性をアピールできる」
しくじり俺「ボランティアも現実とか責任感、使命感を知れたってアピールできる」
大学俺「だけど就活のために学生時代を過ごすってなんかおかしくね?」
しくじり俺「まぁ俺も昔青春を謳歌しろ見たいなこと言った手前強くは言えないが、ここまで来るとさすがに打算的に動いた方がいいぞ」
大学俺「だけどなぁ」
しくじり俺「お前の気持ちはわかる、だが嫌でも3年には大半の奴らが就活をするんだ、だったら最初から大学は就活のために行くって割り切った方が早々に対策しやすいだろ」
しくじり俺「それに、本当に学業に力を入れてるならストレージ漁りなんて不毛な事してないしな」
大学俺「……」
大学俺「で、お前の就活はどうなったの?」
しくじり俺「まぁ結果の前に反省がもう少しある」
大学俺「」
しくじり俺「ある程度業界は絞っとけ」
大学俺「え?」
しくじり俺「俺は大学時代特に業界希望がないから知っている会社を片っ端から応募した」
しくじり俺「だから業界研究とか志望動機が不十分で面接で攻められると言葉に詰まる」
しくじり俺「やりたい仕事はなくてもいいんだが、何を扱う業界かってのは決めた方がいい」
大学俺「…どうやって決めればいいんだよ」
しくじり俺「土日休みやすいとか平均年収がいいとかそういう理由でもいい」
しくじり俺「ともかく手を広げすぎちまうとどっちつかずになって何も得ないで終わるからな」
しくじり俺「で俺の就活だが、失敗した」
大学俺「…」
しくじり俺「今のままだとお前って量産型の中の量産型だもんな、中学とか高校の時みたいな劣悪品ではないけど目立ったなにかもない」
しくじり俺「で、今の俺だが卒業間近だけど進路決まってない、このままだと大学出てもフリーターかな」
大学俺「マジか…でも大学出てから頑張っても」
しくじり俺「それ無理、卒業の前後だと難易度違うからな…だからある程度楽な卒業前のお前に頑張って欲しいってわけ」
大学俺「はぁ……」
しくじり俺「ん?あぁ~そろそろか」
大学俺「そろそろ?」
しくじり俺「俺帰るから」
大学俺「え…もっと未来の事教えろよ」
しくじり俺「無理、俺がNNTって事しか教えられない」
しくじり俺「あとは…あ、お前が偶然買った黒いボディスーツの補正下着とガードルあれ捨てないで……」フワッ
大学俺「消えちまった……」
大学俺「…まぁ大学出てもフリーターってのは俺も嫌だしな」
数年後
大学俺「結果…頼む!」
大学俺「お…おぉおおおおやった!ついに内定だ!」
大学俺「しゃあ!遊ぶぞぉ!!」
大学俺「…その前に……母さん!俺内定貰ったよ!!」
?「……」
?「ついにここまで来ちまったか……俺の出番だな…これで最後の」
数年後
社会人俺「ただいま……」
社会人俺「飯…いいや…食欲ないし」
社会人俺「はぁ……また怒られたな…もう何度目だよ」
社会人俺「働き始めて数年…成果は出ないし怒られてばっか…向いてないんじゃないのか…俺」
社会人俺「仕事辞めようかな」
しくじり俺「よう」
社会人俺「お前か…久しぶりだな……お前のアドバイス聞いたらちゃんと正社員になれたよ」
社会人俺「なぁ…未来のお前は…俺は何してんだ?」
社会人俺「せっかく友達作っても、仕事で疎遠になってさ……勉強頑張っても怒られるような仕事してさ」
しくじり俺「……」
社会時俺「まぁお前が来たって事は辞めるなって事だろ?どうせ内定1つしか貰えなかったから…辞めても転職できず底辺人生だって」