67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:51:14.50 ID:+B4pVZ800
俺は生死に関わるような病気じゃなかったけど
小1から点滴しまくったり手術しまくったり入院しまくったりして今に至る
というか入院期間が累計1年半くらいなんだけど他の患者さんと仲良くなったことがない
個室だからいけないのか
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:53:14.91 ID:5NzmtL8y0
>>67
入院はつらいよな
同い年の奴らが学校行ってる間に俺はなんでって気持ちになる
個室の人はやっぱり知り合い出来にくいと思うよ
談話室とかにしょっちゅう来てればそうでもないのかもしれないけど、
どうしても部屋にいることが多くなると思うし
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:53:33.64 ID:5NzmtL8y0
そのときの俺は通常時の数パーセント程度の白血球しかなくて、
ちょっとした風邪ですら命取りになりかねない状態だった
当然見送りになんていけないって事は綾ちゃんも分かってて、
両親が退院手続きやらなにやらしてる間、ずっと俺の部屋にいてくれた
何を話したか、正直あまり覚えていない
油断したら今にも泣きそうだったから、必死こいて耐えてた
最後に綾ちゃんが俺にキスをして「手紙書くからね。ちゃんと返事送ってね」って
言った事だけはよく覚えてる
綾ちゃんが出て行ってから、布団にもぐってちょっと泣いた
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:56:25.66 ID:5NzmtL8y0
綾ちゃんが退院してからも数ヶ月間俺の治療は続いた
俺と綾ちゃんの文通?は週1往復くらいのペースで続いてたし、
定期検査のときはお見舞いにも来てくれた
そして俺も退院した
退院は凄く嬉しかった
抗がん剤治療がない、普通の体調で、
普通にご飯を食べられる毎日が戻ってくるなんて夢みたいだった
退院してしばらく経った頃には髪の毛も生えてきて、
猫っ毛の坊主みたいなちょっと変な髪型になってた
凄いクセっ毛の変な髪だったけど、帽子無しで人前に出られることが幸せだった
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:58:14.51 ID:5NzmtL8y0
退院したからには今後どうするかも考えないといけない
何人かの人と相談して、俺は高校には行かず大検
(今でいう高認)を受けて大学を目指すことにした
こんな仕事がしたいってビジョンはなかったけど、
右ひじの事があるから頭脳労働で食べていくしかないと思ってた
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:00:54.92 ID:5NzmtL8y0
こうして俺の新しい生活が始まった
その頃の俺にとっては勉強できることすら喜びだった、綾ちゃんとの文通も続いてた
お互い交通手段もないし、
家から出歩くのもまだ多少キツい状態だから会いに行くなんて事はもちろん出来なかった
けど、文通のおかげでなんとなく綾ちゃんが近くにいるような気がしてた
そしてその年の11月下旬
綾ちゃんから返事が来なくなった
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:01:26.31 ID:4XPeXF2H0
え・・・?
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:01:36.28 ID:WgjLXjG30
あ・・・。
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:02:27.82 ID:5NzmtL8y0
どうしたのかな、調子悪いのかなって思いつつも、ひたすら返事を待ってた
何となく電話はしづらい感じだったし、親に聞いてもらうのも恥ずかしいような気がしてた
もし何かで忙しいんだったら、と思うと自分から催促みたいにもう1通手紙を送るのも気が引けた
結局、返事が来たのは次の年のお正月の年賀状としてだった
何の変哲もない、よくわからないイラストの描かれた普通の年賀状
「忙しかったせいでしばらく返事できなくてごめんね!
私は元気だよ。また手紙書くから待っててね。」
みたいな感じのメッセージが手書きで書いてあった
その2週間後、綾ちゃんが死んだ
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:02:59.56 ID:4XPeXF2H0
嘘・・・だろ・・・?
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:03:41.68 ID:6A58sESZ0
おい
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:03:54.42 ID:Bj6G0qkY0
うあああああああああ
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:04:44.27 ID:0jTFjP4e0
あかん、わかっててもあかん…
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:06:06.52 ID:5NzmtL8y0
それを最初に知ったのウチの母親だった
どういうルートで知ったのかは分からないが、多分入院してた時の知り合い経由だと思う
俺は父親と一緒に綾ちゃんの家に行った
家には、憔悴した表情の綾ちゃんの母親がいた
10月の末から抗がん剤由来の白血病で再入院していた事、
あっという間に進行して、ほとんど手の打ちようがなかった事
心配するから、俺には知らせないで欲しいといわれた事、
正月頃にはかなり状態が悪化してたが、数人にだけは年賀状をを書いてた事などを話してくれた
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:06:57.74 ID:5NzmtL8y0
俺は放心状態でその話を聞いていた
妙に現実感がなくて、けど目の前の仏壇には綾ちゃんの遺骨が入った箱みたいなものがあって
綾ちゃんは俺と同じくらい身長があったのに、
骨になるとこんなに小さくなってしまうのか、なんて事をぼんやり考えてた
悲しいはずなのに泣けなかった
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:07:25.01 ID:5NzmtL8y0
帰路に父親と夕食を食べたが、2人ともずっと無言だった
入院中、両親が来てる時はなんとなく照れくさくて綾ちゃんと一緒にいることは殆どなかった
けど、多分両親は俺と綾ちゃんの事を気づいてたと思う
その時はそんなこと考える余裕はなかったが、
きっと父親は父親で色んな思いが渦巻いてたんだろう
結局そのまま会話することもなく家に帰って、俺はすぐ風呂に入って寝た
そして、夜中に目が覚めた
夢の中には元気な、肩まで髪の毛のある綾ちゃんがいた
現実に髪の伸びた綾ちゃんを見た事はなかったのに、
我ながら変だなと思いながらなんとなく部屋の電気をつけた