軽音部で出会った理想を具現化したような女子との激辛な物語をご覧ください・・・

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144:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:55:50.78ID:9GPM1Qwh.net
血の気の引いた理由はもちろんすぐ分かった。
僕には彼女がそんなに恨まれることについては全く心当たりがない。
単なる嫌がらせにしてはちょっと度が過ぎる。

真っ先に考えたことは、死ねをアルファベットにする時にshineにしてしまうと、その本意が伝わらいということ。なんなら死ねがシャインになってしまったら正反対に近い。冗談でも何でもなくそんな下らないことを考えた。
恐らく、人生経験の少ない僕にとっては気味の悪さが自分のキャパシティを大幅に越えてしまっていたのだろう。
無意識に悪い風に考えないようにしたんだ。

犯人が誰かということと、そいつに対しての怒り。しばらくはそういう現実味のある事として捉えられなかった。

145:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:59:27.72ID:um4e+d0w.net
oh…

146:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 17:02:25.06ID:9GPM1Qwh.net
>>145
当時の自分はまさにそんなリアクションだったと思う

今でこそ大人だけど
高校生の自分したら結構な衝撃だった

149:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 17:16:34.99ID:9GPM1Qwh.net
ウィノナは泣くかと思ったが泣いてはいなかった。
身に覚えが無いからだろうか。僕と同じように現実感が感じられていない様子だった。

漸く犯人について思考を巡らせ始めたのは大凡3時間後、その瞬間またも彼女の携帯が鳴った。

150:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 17:16:56.14ID:9GPM1Qwh.net
アドレス:korositeyaru@docom○.ne.jp

本文:ヤ○マンには死んでもらうしかないですね。

151:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 17:18:48.34ID:9GPM1Qwh.net
不幸なことに実際その日は土曜日でそういう行為をした後だった。午前中にだ。
まぁ高校生だから仕方ないよね、ら
見られているかもしれないという猜疑心、殺すと言う能動性、明らかにより攻撃的になった文面。すべてが僕達を責め立てた。

ウィノナはただ涙を流しながら何も口にはしなかった。
怖くて言葉も出なかったのかもしれない。

漸く僕も現実感が湧いてきた。死ねと殺すの違いがあったのかもしれない。

まず彼女を守るためにすることは?
・一人にしないこと
・犯人を探すこと
・携帯を彼女にこれ以上見せないこと

そんなことを考えた。

152:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 18:05:44.97ID:9GPM1Qwh.net
一人にしないことはなるべく僕が側に居ること。それが出来ないときは家族にいてもらうこと。これ以上続くのであれば警察に連絡するればいい。
これはそんなに難しくは無いように思えた。

彼女に携帯を見せないこと。これは叶わなかった。
ウィノナ曰く、自分の見えない所で更に追い打ちが来ているかもしれないと思うと余計に怖いから、しばらくは携帯を手放さないと言ってきかなかった。
そう望むのならば暫くはと携帯を奪うことはしなかった。

153:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 18:07:14.92ID:9GPM1Qwh.net
警察に頼んでも数日はもちろんかかるだろうと覚悟した自分は今日にでも犯人を見つけたかった。
まぁ可能性としては人違いだとか、ランダムな嫌がらせの可能性もあったけど、じっと待つことはできなかった。これ以上彼女を苦しませることが許せなかった。

と言っても、現段階の容疑者は彼女のアドレスを知る全員だ。

まず僕はさっき届いたアドレスに僕の携帯から返信を送ってみた。

反応次第では犯人のヒントになるかと考えた。
だが、すでにアドレスは変更されていた。

156:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 18:46:07.87ID:9GPM1Qwh.net
その日はお互いの両親にお願いをして、彼女の部屋に一晩いさせてもらう事にした。
僕の両親は反対したが、彼女の母親が私もそばにいますからと説得してくれた。
ちなみに彼女の父親は出張で帰ってこられなかったんだ。

殺してやるとまで言われたら家に女性だけにするのは良くない。かと言って警察に保護を頼めるほどでもないと判断したんだ。今思えばすぐにでも警察に連絡すれば苦しまずに済んだと思う。

ただ事を大きくしたくないのは彼女とその家族も同じ意見のようだった。

157:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 18:47:03.02ID:9GPM1Qwh.net
僕にはもう一つの思惑があった。
少なくとも彼女の家族を容疑者から外したかった。

2通目のメールで僕が家にいることを把握している人なんじゃないかと疑ったからだ。
過去に家を追い出そうとしたヒステリックな一面を見ていたこともある。
僕は彼女の母親と妹が犯人でないことを、善良だと信じたい人を疑う自分の猜疑心を1秒でも早く払拭することを望んだ。

159:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 18:49:15.46ID:9GPM1Qwh.net
兎に角、半ば強引に土曜日の夜は彼女の家に居座ることには成功した。

彼女の母、妹、僕とウィノナ

4人揃った段で1階のリビングに場所を移した。
彼女と妹の部屋は2階だった。

リビングの食卓に突っ伏して話さない彼女。
これからのことを相談して、足早に時間は過ぎた。時刻は23時54分だった。

食卓が携帯のバイブレーションでガタガタと音を立てた。
また例のメールである。

アドレスを変更しては同じような罵詈雑言や脅しを浴びせかける、これはこの後事件の収束まで収まることはなかった。
彼女は例のメールが来たと言うことは認識しただろうが見る気力も失っていた。

161:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 18:57:43.11ID:9GPM1Qwh.net
朗報とは言えないが、夜中のこのメールが届く瞬間、彼女の母は父親に電話で状況説明を行っていたし妹は僕と面と向かって話していたので家族は容疑者から外れた。

162:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:17:11.43ID:9GPM1Qwh.net
彼女の母の手前、僕はリビングのソファを借りることにした。
妹、母は各自部屋に戻った。

彼女はメールが来るのが怖くてか眠れない様子でずっと僕の隣に座って黙り込んでいた。

彼女には隠して彼女の携帯の電源は落としておいた。

163:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:17:50.75ID:9GPM1Qwh.net
ほとんど眠ることが出来ずに夜が明け、明け方携帯の電源を付けて追い打ちのメールが来ていないことを確認した。

最悪の日曜日だ。
彼女の母はどうしても外せない用事で外出。
妹は塾で昼には外出するとのこと。
僕は今日できること、これからすることを整理した。

164:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:18:33.20ID:9GPM1Qwh.net
今日すること
・ドコモショップへ行き、逆探知的な事ができないのか確認しに行く
・僕と彼女が共通で信頼できる人間を探す
・彼女の気を少しでも紛らわせる

これからすること
・月曜日には学校に連絡をする
・自分の分かる範囲で犯人を特定する
・次の日曜日までにメールが止まない場合、警察に相談する。状況が悪化するのであれば即座に警察に相談する

こんな感じだった。
この当たりが一般的な男子高校生の限界だった。
勿論協力者は必要だが、彼女のアドレスを知っている人は全て容疑者だった。

165:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:24:55.24ID:9GPM1Qwh.net
彼女は家から出たくないと言ったが、彼女の気分とは裏腹な雲一つない快晴だったので携帯ショップに歩いていくことを提案。

海沿いに約1時間歩けば到着する予定だ。

一人にしたくないから付いてきて欲しいと告げると小さく頷いてくれた。


166:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:25:23.27ID:9GPM1Qwh.net
海沿いをひたすら歩く。
海は相変わらず汚くて、深い灰色に波の白色が泡を立てていた。

工業地帯を抜け街についたとき、僕は少し汗ばんでいたが彼女はまるで病人のようで真っ青の唇はついさっきまで凍えていたんじゃないかと思わせる様子だった。

携帯ショップは多少混んでいて1時間程度待つように言われたのでソファに腰を掛けた。
隣に座った彼女の手に触れたとき、その冷たさは血が通っていないかのようだった。

もともと精神的に不安定だったからとは言え、人の心がこんなにも柔らかいものだとはそれまでは思いもしなかった。

167:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:36:23.08ID:9GPM1Qwh.net
ひたすらに長い時を待ち続けたような気がする。
慰めの言葉も無意味なことは分かっていたから、何かを発しようと口を開いても、言葉も思考も虚空に吸い込まれて、行く宛を失った口元だけがただ微動するだけだった。

僕は彼女の携帯を預かっていた。ポケットの中では受信を知らせるバイブレーション。それが例のメールかは分からないけど、僕は口にはしなかった。

やっと窓口に僕達の受付番号が映し出された。

168:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:36:58.36ID:9GPM1Qwh.net
窓口で聞かされたことは少なくともいいニュースではなかった。窓口のお姉さんはこんなことを教えてくれた。

相手がメールアドレスを頻繁に変える以上着信拒否はできないこと。

刑事事件及び契約者に身体的、金銭的な不利の発生する事案以外、基本的には送信者の追跡が行えないこと。逆に言えば警察に相談して、事件性が認められれば追跡できること。

未成年者の場合、一部の例外を除き、殆どが両親いずれかの名義で携帯を契約すること。これは僕も彼女もそのようになっていた。

窓口の奥から更に所謂おえらいさんが登場した。

169:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:37:33.88ID:9GPM1Qwh.net
お偉いさん曰く状況を聞かせてほしいとの事。
親身に話を聞いてくれるいいおじさんだった。

僕は彼女に同意を得て、彼に携帯を見せようとした。
彼はそれは本来はしてはいけない行為だと断った上で内容を見てくれた。

彼曰くはこうだった。

170:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 19:38:52.54ID:9GPM1Qwh.net
・現在のメールの合計件数は4件(土曜日2通、昨晩0時前後1通、まだ見ていなかったポケット内で受信した一通)
身体を脅かすような重大な脅迫が入っているので警察に相談するべきだと言うこと。

・メールに連続性がある場合は更に事件として取り扱われる可能性が高いので、本人が希望するなら1週間程様子を見ても良いかもしれないということ。その場合でも先に警察には相談をして必要を感じる場合保護を申し出るべきこと。

・(今はどうか知らないけど当時は)メールアドレスの変更制限が1日3回までなことと、今まで届いたメールが共通してドコモのドメインのため、このペースでメールが来る場合は犯人は1つの端末からメールを送信している可能性が高いこと。

・自社の提供するサービスの上で被害を被っているのに即座に力になれなくて申し訳なく思っていること。

177:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 22:46:17.55ID:PqGjDvJo.net
窓口での話は概ね理解した。
僕は彼女の手を引きその足で警察署にも出向いた。

何課が担当なのかもわからずたらい回しにされた挙句、よく分からない施設の奥の方の部屋に回された。

そこでは愛想のないおじさんが対応で、その態度は関心のできたものではなかった。

178:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 22:47:02.13ID:PqGjDvJo.net
あぁ、最近多いんだよそう言うの。掲示板とかでのいじめもお宅らの高校にもあるんでしょ?それの延長に近いし、4通のメールくらいでは送り間違いの可能性もあるし取り合ってられないよ。
そんな回答だった。

当然ながら僕は激昂した。
自分の身内に同じことが起きても同じことが言えるんですか?
そんなことを訊いたと思う。

おじさんは、警察は恨まれ屋みたいなもんだからメール程度では気にしないと言ったんだ。

179:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 22:47:32.71ID:PqGjDvJo.net
おじさんはこう付け加えた。
もし殺す気があるならメールなんてしないから気にすんな。ま、お嬢ちゃんも元気だせよ。

僕はどうしてもそのおじさんが許せなかった。
「じゃあおじさん、僕はおじさんに心底死んで欲しいと願ってます。本気では言ってないから気にしないでください。」
そう言って彼女の手を引いて席を立った。

背後からはクソガキが!!と叫ぶ声が聞こえたが僕達にはもうそこにいる理由はなかった。

180:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 22:53:43.35ID:PqGjDvJo.net
今思えば僕も若かったんだよね。
それだけで警察ですら信用できないという思考回路に固執してしまったんだ。
こういう時、己の感情と客観的利得を天秤にかけられるようになることが大人になるということなんだろうと思う。

今の僕がもし当時の自分にメッセージを送ることができるなら
“おじさんの靴を舐めて頭を地面に擦り付けてもおじさんを味方にしろ”
そう送信したい。
そんなシュタインズゲートみたいなこと、できるわけ無いんだけど、こうして色々思い出して書いていると、当時の自分の愚かしさが歯痒い。

181:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 22:56:23.31ID:PqGjDvJo.net
一層青ざめた彼女を歩かせるわけにも行かず、タクシーを拾って彼女の家に帰ったんだ。

僕は彼女に話した。
警察に正式に捜査を依頼するのはもう少し待たなければならないかもしれない事。
その間は自分がそのメールを止める為に動くこと。
例のメールに耐えられないなら即座に携帯を解約してもいいんじゃないかってこと。少なくとも内容をいちいち見るべきではないこと。
学校のことその他諸々。

彼女は概ね同意しているようだった。と言っても言葉はほとんどなく、小さく力なく頷くだけだった。

彼女が唯一口を開いたのは、なるべく誰にも言わないで欲しいと言うことだけだった。
警察沙汰にもできない方が私は嬉しいと。
軽音楽部の仲間たちにも可能ならば話したくないとのことだった。

誰も信用できないから、そう彼女は理由を説明したがそれを額面通りの意味で理解していた自分はやはりまだまだ若かったんだろう。

182:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 23:14:29.12ID:PqGjDvJo.net
彼女の母親が帰ってきて今日の経緯を話した。

彼女は月曜日は学校を休むことに決めた。
それ以降はもし行くのならば母親が送迎すること。
受験で大切なシーズンだから母親はなるべく学校に行って欲しいと思っていること。
母親としてはいくら彼氏だとはいえ、僕を巻き込みたくはないと言うこと。ただ、共働きの家庭だったから僕の存在に甘えてしまうことがあるかもしれないこと。

そんな話をして、ウィノナの父親にも電話口で謝罪とお礼を謂われてその日は帰ることにした。

その後、自宅では両親にこっぴどく叱られたが、そんなことは気にも留めなかった。
事情も根掘り葉掘りと訊かれたがちゃんと話はしなかった。
両親二人は僕を心配してのことだったんだろう。気持ちが高ぶってうぜぇんだよなんて口走り父親には初めて殴られた。
ビンタじゃなくてがっつり振りかぶって頬を撃ち抜かれたのには正直面と食らったな。

185:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 23:46:38.22ID:PqGjDvJo.net
帰宅後、彼女から僕が帰った直後の19時に一通、23時55分にもう一通、例のメールが届いた旨の連絡があった。

携帯ショップで聞いた様に恐らくはアドレス変更の制限で1日多くても3通、最後のメールは日をまたぐ直前に来る、僕はそんな予測をした。最後のメールを0時直前に送り直後にアドレスを変えるのだろう。

186:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 23:57:18.96ID:PqGjDvJo.net
月曜日。予定通り彼女は学校を休んだ。

僕の学校は携帯の持ち込みは許されていたが、授業中の使用は携帯の無期限預かりという罰則があったし、今みたいに携帯で色々なことができる時代ではなかったから殆ど授業中に携帯を触るものは居なかった。

2限目の後、携帯を確認すると今日一通目の例のメールが届いたと彼女からメールが入っていた。

2限目は僕のクラスと隣のクラスで合同の体育の時間だったからこの授業の参加者は携帯を触らなかった可能性が高い。

187:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 23:58:10.45ID:PqGjDvJo.net
僕と同じクラスの石原、サユミちゃん、隣のクラスの平山、レナちゃん、その他クラスメイトたちが犯人の可能性は極めて低くなった。

そもそも例のメールのキャリアがdocomoだっから、確実にウィノナの連絡先を知っているdocomoユーザーといえばゲイの石原と中学からの親友のレナちゃんだけだったんだけどね。

188:滝山 ◆7gTe4bH3Yk @\(^o^)/: 2017/07/02(日) 00:06:11.81ID:Ehjs1fqs.net
対策として彼女のメアドを変えるってのはなかったの?

189:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/02(日) 00:31:06.70ID:rBxtmIDi.net
>>188
端折っちゃったけどそれも試したんだよね。しかもかなり早い段階で。
で、当時はいちいちアドレス変えましたってメール打ってたじゃない?

ランダムないたずらの線を消すために一回アドレス変えて、今こっちで電話帳登録してる全員に登録し直してもらったんだよ。

それでもすぐメールは来た。
まぁだからもともと電話帳に入っていた人間が犯人の可能性が高くなったんだよね。それで自分も犯人を見つけられるんじゃないかって思ったってのもあるよ。

その後も見ないに越したことはないから携帯解約とかはよく提案した記憶があるけど、僕と連絡が取れなくなることが怖かったのかな。彼女はそれはしたがらなかったね。

190:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/02(日) 00:32:08.50ID:rBxtmIDi.net
月曜日はそんな報告も兼ねて家とは反対方向のウィノナの家に直行した。

それを聞いても彼女の表情は一つも変わらなかった。

同じクラスには居ないから大丈夫と学校に行きやすくなるかと思ったのだが、被害者の当人からしたらそれは関係のないことだったのだろう。

翌日も学校を休むと僕に告げ、今日は帰って欲しいと言われた。

恐らく彼女は犯人を探して欲しいだなんて思っていなかったんだろう。寧ろ知りたくなかったのかも知れない。

191:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/02(日) 00:33:50.62ID:rBxtmIDi.net
その時の僕はそんな事に気がつくはずもなく、ただ犯人を見つけてやめさせれば彼女は救われると盲信していた。

帰り際、ウィノナに頼み1日だけ彼女の携帯を預かる事にした。

ウィノナは特に理由も聞かず黙って携帯を差し出した。

帰宅後、その日も当然の様にウィノナの携帯に23時55分頃メールが届いた。

192:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/02(日) 00:34:28.92ID:rBxtmIDi.net
アドレスは例の如く中傷文のローマ字打ち

内容はこんなだったと思う。
怖くて学校に来れないんでしょ?そのまま部屋で腐って死ね。

193:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/02(日) 00:39:39.03ID:rBxtmIDi.net
僕は正直少し安心した。
一つは僕が携帯を持っている事を犯人が知らない事。
ストーカーや高度な監視技術を持つ可能性が否定された。

一つは学校を休んだことを知っている事
これでかなり犯人の特定がしやすくなった。例えば中学時代の同級生ってのは可能性が低くなった。

もう一つはメールの内容で特定するヒントを与えてしまっている浅はかさ。
同じ校内に居ますよと言ってしまうような内容を送りつけるのは馬鹿としか言いようがないと思った。

併せてウィノナのアドレス変更を行ってウィノナ側の電話帳に入ってる人だけにアドレスの変更を伝えてあった。
それでもメールは届いたから犯人は少なくとも僕も顔が分かるくらいの親しい人物ではないかって考えたんだ。信じたくはなかったけどね。

或いは自己顕示なのか、特定されるリスクを無視できる程の恨みを持っている人物か、その全てか
何れにしても特定は容易いように思われたんだ。

194:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/02(日) 00:41:29.16ID:rBxtmIDi.net
翌日火曜日、例のメールの一通目はこの日は放課後だった。

丁度ボーカルのあゆちゃんがビッチ面でウィノナだいじょぶなのー?と訊いてきた瞬間だったことをよく覚えている。
僕はぶっきらぼうに頷くだけだった。
正直、親しくしていた人間の中だったらアユが最も怪しいと睨んでいた。
この時彼女は携帯をいじる素振りはしていなかったから、彼女も容疑者から外れた。

よく男にふられたとかで感情の起伏が激しいやつだったからそんな腹いせが同期かもとか邪推してたんだよね。

その後アユちゃんは後輩の男子高校生の漕ぐ自転車の後ろにまたがり帰っていった。