141:名も無き被検体774号+:2011/11/04(金) 16:20:43.90 ID:/DkOZP6v0
俺もオールドファッション好き!
144:1:2011/11/04(金) 16:37:13.31 ID:LgOIUAUSO
>>141
オールドファッションは神
チョコファッションは小悪魔
148:名も無き被検体774号+:2011/11/04(金) 17:14:56.36 ID:H600dHam0
>>144
フイタwwwwww
とりあえず>>1また出て来てくれてよかった。
142:1:2011/11/04(金) 16:33:58.48 ID:LgOIUAUSO
この時点で、本当に私はマキコさんと一月近く口聞いてなかった。
酷い日は挨拶すらしなかった事もある
なのに、不思議と、気まずいという気持ちも、緊張するという気持ちも湧かず
もう飛び上がる勢いで慌ててマキコさんに電話を掛け直した。
きっと諦めた心の奥底で、臆病だった私は待っていたのだと思う
一番最初に話し掛けてくれた時みたいに
またマキコさんが唐突に脈絡のない話をしてくれるのを
自分からは何も言えないくせに、本当ヘタレで勝手な奴でした。
1「マキコさんどうしたんですか?」
マキコ「ちょっと!今どこいんの?」
1「え、え、え、家です!」
マキコ「はあ?なんでよ?」
1「え、え、え?家じゃだめですか?!」
マキコ「当たり前よ!今日あんた誕生日じゃん!もう、今から行くから家の前出ててよ!」
ちょっと意味が分からなかったが、マキコさんが来るというのでそんな事考えてる余裕も無く
居酒屋の制服のままでマンションのエレベーター降りて家の前出た。
数分後、単車に乗ったマキコさんが、でっかい紙袋を持って走りにくそうにやってきた
1「マキコさん?どうしたんですか!?」
マキコ「どうもこうも、あんたはもー…!はいこれマキコと修三から」
1「ありがとうございます…マキコさん、あの、私、」
マキコ「ていうかあんた!6月いっぱいで辞めるんでしょ?
(辞めるんでしょ?が優しかったww)涼子さんから聞いたよ」
1「は、はい、ゴメン、な」
マキコ「あーもういいのよ辞めるのは別に気にしなくて!!
なんでマキコじゃなくて涼子さんに先に言うのよ!!」
1「え、あ、え?」
マキコ「なんでよりによって涼子さん!なんで涼子さんあーもうムカつく!!」
1「さ!!サーセンwwww」
そっからは普通に少し話して、マキコさんは帰っていった。
本当、今まで一月も口聞いて無かった事実なんて、
無かった事のように私達は前通りに話した。
マキコさんから貰ったのは目茶苦茶可愛い、赤いランプだった。
この辺には無い、とあるショップの物だったので、当日用意した物でない事は分かった。
私はまたもや寝るまでずっと号泣してたが、今度は嬉し涙だった。
150:名も無き被検体774号+:2011/11/04(金) 19:43:19.95 ID:u9JoMmg6P
自分の古傷をぐりぐりえぐられてる
ちょっと泣きそうになった
152:名も無き被検体774号+:2011/11/04(金) 20:50:23.36 ID:yRdKZuOb0
いよいよクライマックス近いんかな
154:1:2011/11/05(土) 00:11:29.48 ID:N9/pQypxO
みなさんありがとう
1です仕事終了しました
今からラストスパートかけたいと思います
ゆっくりでいいという温かいお言葉頂きましたが
多分今後もっと忙しくなって今以上に書く暇が無くなると思うので
出来れば今夜終わらせたい…!
眠くない方お付き合い頂けたら嬉しいです
155:名も無き被検体774号+:2011/11/05(土) 00:15:22.19 ID:8nnA8SlT0
乙 付き合うよ
156:1:2011/11/05(土) 00:39:24.07 ID:N9/pQypxO
それから数日後、私の居酒屋生活は一年半で円満に終了した。
小さい花とケーキを貰い、帰ろうとすると、マキコさんに声を掛けられた
誕生日後は全くもって前通りマキコさんと超仲良しの関係に戻っていたww
「飲みにいこっか」
物凄い久しぶりの、マキコさんとの二人飲みだった。
マキコさんと二人だけで行った送別会は静かで穏やかだった。
たわいもない話で馬鹿みたいに笑ったり、思いで話してまた笑ったり
そんなふうに話していたら、ふとマキコさんが呟いた
「マキコ、五年間この居酒屋で働いてんじゃん。
今まで色んな子と仲良くなったけどさ、そん中でも、
ここまで、休みの日とかクリスマスまで一緒に居たのはあんたが初めてだよ」
「毎日飲み行って、こんな笑ったのは、あんたが一番だったよ」
この時、私もです、と言いたかったが胸が詰まって言葉が出てこなかった。
嬉しいやら恥ずかしいやら酔っ払ってるやらで、私は変に笑って
やっとの思いでこう言った。
「私も、マキコさんみたいな人に出会ったのは初めです。
多分この先も、マキコさんくらいの人には出会えないんだろうなー」
そんな私に、マキコさんは「当たり前よ!」と言って笑って
その後はまた馬鹿みたいに飲んでかなり酔っ払った。
私達がけっこう出来上がってきた頃に、仕事が終わった修三さんも来た。
それから修三さんと三人で飲んで、深夜三人で歩いて帰った。
酔っ払ったマキコさんは私達の何メートルか先を歩き、
その後ろで修三さんと私は並んで歩いていた。
その時、修三とこんな話をした。
修三「1ちゃんも、とうとう、あそこ(居酒屋)から居なくなっちゃうのか~」
1「はい、寂しいです」
修三「マキコは、きっともっと寂しいと思うよ。
オレはオレが居なくなっても1ちゃんがいるから大丈夫だと思ってたけど」
1「はい…」
修三「1ちゃん、1ちゃんはずっと、マキコの味方でいてあげてね。
居酒屋辞めても、どこに行ってもずっと。マキコ1ちゃんの事大好きだから。」
ご機嫌に酔っ払いながらフラフラ歩いていたマキコさんを見つめながら
こう言った修三さんの姿は今でもハッキリと思い出せる。
修三さんの言葉に、私はこれでもか、というくらいの首を大きく振って頷いた。
157:1:2011/11/05(土) 00:51:21.33 ID:N9/pQypxO
居酒屋を辞めた私は、前より少し暇になった為
7月頭、休みを貰って帰省した。
一泊二日、かなり久しぶり帰省だった。
久々に会った家族はみんな優しかった。
お姉ちゃんももう怒ってなくて、私の体調を心配してくれていた。
私はこの時来月くらいに、地元に帰る事を家族に伝えようと思っていた。
しかし中々タイミングが掴めず、
言えずじまいで、とうとう二日目の夕方になってしまった。
夕方、お母さんが帰る前に二人でご飯を食べに行こうと言ったので
駅の近くの居酒屋に行った。
私は居酒屋にいる間、言わなければ、
言わなければ、と思いながらも関係の無い話ばかりしていた。
関係の無い話とは、主にマキコさんの話だった。
マキコさんという人が居て、面白い人で、優しい人で、でも厳しい人で
すき焼きやカレーを作ってくれた
クリスマスも一緒にしてくれた
誕生日も祝ってくれた
そんな話をずっとしていた。
お母さんは終始ニコニコ笑って聞いていた。
158:1:2011/11/05(土) 01:05:47.01 ID:N9/pQypxO
雑貨屋の事も話した。
忙しくて、怒られるけど、自分が絵をかいたコップが売れた。
計算が得意になった。
いつの間にか夢中で話していて、気が付けば、新幹線の時間が迫っていた。
時間が無い、そう思った私は慌てて話を変えて切り出した
「会社の話聞いたよ、もう居酒屋も終わったし、8月に帰ってくるから」
そう言った瞬間、今までニコニコしていたお母さんの顔が変わった。
そして、真剣な顔で言った。
「帰ってきちゃ駄目だよ。そんなに頑張ってるのに、
こんな事で帰ってきたら駄目!絶対に後悔するよ」
予想外の反応に、私は戸惑って、でも帰ってきたら家賃いらないから
給料そのまま家に入れられるよ
忙しい時は家事も手伝えるよ
とか言っていたら、お母さんに「別にあんたの給料なんてあてにしてないwww」と笑われた。
でも、イマイチ納得の出来なかった私は、学校辞めたのに、
よそにいる意味ないじゃんか、と言ったら
「働いて自分で生活して、その上マキコさんみたいないい人に出会えたのに、
意味ないなんて言うな、学校だけが勉強じゃないよ」
と言った。
そこで私の時間切れになり、お会計を済ませ駅に向かった
帰りの新幹線を待つ間、お母さんは一緒に居てくれた。
今度こそ時間が無いと思った私は、今度は躊躇わずお母さんに伝えた。
「もうちょっと、頑張ってみる」
お母さんは嬉しそうに頑張って、と言って、また私の忙しい日々は始まった。
159:1:2011/11/05(土) 01:20:41.80 ID:N9/pQypxO
8月、雑貨屋のみの生活になった私は前以上に雑貨屋の仕事に情熱を注いでいた。
なんかこの時期はもう、怒られつつも店長とは結構仲良くなってて
鬼コーチとゆとり馬鹿から鬼コーチと頑張るのろまな亀くらいにはランクアップしてたと思うww
そんな夏の終わり
マキコさんからビアガーデンに行こうと誘われた
なんでも、デパートの屋上で長年続いてたビアガーデンで今年を最後に閉まるらしく、
記念に行ってみよう、との事だった。
久々に居酒屋の仲良しオールスター全員集合で夕方から集まり
ビアガーデンを堪能した。無茶苦茶飲むし、食う集団だったので
結構ビアガーデン荒らしみたいになっていた
飲み放題をいい事に、全員両手にジョッキを持っていたww
そんな感じで、夜は更けていき、長年ありがとうございましたみたいな
アナウンスがビアガーデン内に流れ始めた
するとその瞬間大きな花火が夜空に咲いた
例年は花火などなく、サプライズのサービスだったという
ジョッキを持ったままマキコさんが
「最後の花火だね」
と言った。
そしてそれは本当に、私にとってこの土地での最後の花火になった。
161:1:2011/11/05(土) 01:30:48.52 ID:N9/pQypxO
夏が終わって9月、私は雑貨屋で新人さんに教えるようになっていた。
仕事の方は相変わらず忙しく、順調だったが、実家の方はやはりまだ思わしくなかった。
度々お姉ちゃんに電話を掛けて様子を聞いていたが、
どうやらその時はお父さんの体調があまりよろしくないようだった。
来月検査をする、でも1は心配しなくていい、帰ってこいって言ってるんじゃないからね
お姉ちゃんは前に私に怒った事を気にしているようだった。
そんな優しさが、怒鳴られるよりも胸に痛かった。
私の中で、もう一度迷いが産まれ始めた。
やっぱり帰るべきじゃないのか
帰らなければいけないのではないか。
一日に何度もそう考えるようになった。