俺と彼女が学校に行ってるとき、お母さんは動けなくなった。
学校の名前を覚えていたお婆さんが、俺にも電話してくれて。病院駆けつけて。
お婆さんは救急車を呼んだが、呼ぶかどうか迷って時間がたってしまったと、謝っていた。
多臓器不全。変化に気がつかない訳がない。何で放置したのか。
医者が、叫ぶように言った言葉。おもわず怒鳴りつけそうになった。
すいませんでした。」静かにそう言った彼女の方が、俺より大人だった。
即入院。集中治療。身内を呼んでおくように。医者はそう言っただけ。
完全に思考停止して。とにかく俺の手におえる事態じゃなくなって。
困り果てて、親父に電話をした。返事は「今から行く。」それだけ。
平日の昼に仕事抜けて、一時間ちょっと高速飛ばしてきてくれた親父。
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