「…思ってたよりずっと怖いわ」だれに言うでもなく声をだした。
あの先になにがあるんだろう。2人は何に苦しんだのだろう。
Aは廊下の先を睨みつけながら歩いて行った。
「今んとこなにもいないよ。もうやめたら?」
もう一歩踏み出して、体を右に向ければ部屋が見えるところまでついた。
「ちょっとわかんない。多分何もいないけど、もう帰ったら?ねえ?きいてる?」
Aはもはや聞いていない。
「その部屋なんっもなくてさ、まぁ入り口から見ただけなんだけでわかんねぇけど、赤のペンキが塗りたくってあった。部屋のどこまでそうなのかはわかんない。遠目に一瞬だけ見てすぐに帰ってきた。流石に入れなかったよ、怖すぎ。無理無理。なにも出来ない。Sに聞いたら、天井まで身長が届いて、首を少し傾げてる、髪ぼっさぼさの女がつったってたってさ。部屋の奥にね。俺の方振り向こうとした瞬間、俺がにげたんだってさ。Sにも悪い事したよ。暫くうなされたって。カクカクした声が聴こえるんだってよ」
Aが語り終えた。なんだか死にに行く様な感じがしてきた。
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