「おーい。おまえらそこにいろ、別々に帰ろうぜ」
そう言うや否や、Aが自転車にまたがった。
「いそげ、にげるぞ」俺に囁いた。
『帰る』から『逃げる』に言葉が変わっている事で、事態を把握した。
BとCが何やらわめいているが、俺たちは全力で自転車を漕ぎだした。
「別にあいつらにおかしいとこはないのかもしれない。気持悪い感じもしなかったしな。でもお前息切らして走ってきたのに、あいつらに全然疲れてなかったろ?つか、時間的にもおかしいんじゃ無いか?」
言われればそうだ。また怖くなってきた。
「取り敢えずO神社行こう。最悪今日は泊めてもらおうな」
Aはずっと無表情で、俺をあやす様に言った。
俺は泣き出してしまった。
階段を駆け上がり境内に入った。
「すみません!誰かいませんか」
Aが叫ぶと、不機嫌そうなおっさんが出てきた。
「何時だと思ってんだ!ややこしいもん連れてきやがって!クソガキが!何やらかした!」
よかったよかった。ここの人は本物らしい。
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