美しすぎる学校の先生が不登校になってしまったので家にお見舞いに行った結果・・・

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33: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 07:50:05.35 ID:zSMs1Lti0
 翌日の放課後、僕とユウキは教室の一角で顔を突き合わせていた。
再提出となった小テストの直しを手伝ってやるつもりでいるのだが、当のユウキにやる気が見られないせいもあって、ただだらだらと雑談しているばかりになっている。くるくる、がしゃん。
くるくる、がしゃん。
くるくる、がしゃん。しきりにペン回しをしているユウキだが、回したあとに上手くペンをキャッチできず、取り落とされたペンは不快な音を立てて机に落ちる。「できないならやらなきゃいいのに。うるさいんだけど」

「いや、できるんだよ」

「できてないじゃん」

「このペンだとやりにくいんだ。ほら、こっちのシャーペンならうまくできる」

ペンを持ちかえて、ペン回しを再開するユウキ。なるほど、確かに上手だ。あまりにもどうでもいいことだが。

「ん。これ、万年筆?」

ユウキの手から取り落とされたままになっていたペンを拾い上げてキャップを抜く。くちばしのような形のペン先が鈍い光を放っている。

「かっこいいだろう。ドイツ製らしい」

「書いてみても?」

了承を得てから、小テストの隅に落書きをする。
特に気の利いた言葉も思いつかず、ただ『万年筆』とだけ書いた。

「これ、書きにくいね」

「ああ、だからほとんど使ってない」

書きにくいというよりは、なんとなく、持ちにくいのだ。
グリップの向上を目的としているのであろう持ち手のくぼみが、まったく指にフィットしないのだ。
握った時のすわりがあまりに悪いので、筆記の際にペン先がぶれて、字が歪んでしまう。

早々に興味を失って、それをユウキの筆箱に押し込んだ。

「こいつで完璧なペン回しを会得することが、目下の目標だよ」

「目下の目標は再テストを片付けることだよ。さっさと終わらせてくれ」

右手側の窓の外、15メートルほど下の校庭から運動部の怒号が響く。
放課後の教室に残っている人間が、一人、また一人と消えていく。
最後の二人になってもなお、僕らは一枚のわら半紙とにらめっこをしていた。

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