「……おい、これって……」
「……嘘、だろ……」
皆一様に、掲示板に張り出された通知を凝視する。
そこに記載されていたのは、従業員削減の通知――つまりは、リストラ予告だった。
今のところは小規模のようだ。
各課1~3名が選ばれる。そしてオラがいる部署は、たった一人だ。
しかし、オラの部署には家族持ち世帯が大多数だ。
最近結婚した者、子供が生まれたばかりの者、子供が小学生に入学したばかりの者……それぞれに、それぞれの暮らしがある。
「……課長……」
「……ああ、野原か……」
廊下のソファーに、課長が項垂れて座っていた。オラはその隣に座る。
「……課長、リストラって……」
「……ああ。私に、一人選ぶように言われたよ。まったく、部長も酷なことを言ってくれる。
私に、選べるはずもないじゃないか……みんな、可愛い部下なのに………」
「………」
課長は、目頭を押さえていた。目の下にはクマも見え、頬もやつれているように見える。課長も、かなり悩んでいるようだ。
続きは次のページからご覧ください!!