まさおくんは、まるで威嚇するかのように、キョロキョロと見渡していた。
(……おい)
「……おや?キミ達は……」
ふと、オラ達のもとに、白髪のおじいさんが近寄ってきた。
「……あ、勝手に入ってすみません。オラ……僕達は、ここの卒業生なんです。久々に、遊びに来ました」
当たり障りなく、挨拶をする。
すると老人は、朗らかに笑った。
「……もちろん、覚えていますよ。よく来てくれましたね、しんのすけくん、まさおくん――」
……園長先生は、優しく微笑む。その表情もまた、昔のままだった。
「それにしても懐かしいですねぇ。もう、20年以上になるんですよね」
オラとまさおくんは、教員室に案内された。
室内には誰もいない。遠くからピアノの音と、子供たちの元気な合唱が聞こえていたから、おそらく授業中なのだろう。
「はい。顔を出せず、すみませんでした」
「いえいえ。あなた方が元気であれば、それで私は満足なんですよ」
園長先生はニコニコとしていた。
口ではそう言っていても、やはりこうしてオラ達が顔を出したのが嬉しいんだろう。
それにしても、園長先生の雰囲気はすっかり変わっていた。
昔の極道丸出しのような容貌はない。太ったことも原因かもしれない。とにかく、朗らかで、とても優しそうな印象を受ける。
園長先生の性格を考えるなら、今の姿が一番しっくりくる気がする。
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