まさおくんは、ようやく落ち着きを取り戻したようだ。
正直、こんなことを言うのは忍びないところもある。だけど、まさおくんのことを知るオラだからこそ、言う必要があった。
でも最後は、まさおくんも分かってくれた。
それだけで、言って良かったと思う。
「……しんちゃんと一緒に、敵情視察だ……」
まさおくんは、ぼそりと呟く。
……分かってくれたんだよね?
それから数日後、オラとまさおくんは、フタバ幼稚園に来ていた。
久々に見る幼稚園は、少しだけ古ぼけて見える。あれから20年以上だし、それもしょうがないのかもしれない。
それに、建物も校庭も、外の遊具も、物凄く小さい。
……それでも、独特の匂いと、踏み締める土の感触は、昔のままだった。
あの頃オラ達は、この幼稚園で毎日を過ごしていた。
絵本を読んで、歌を歌って、絵を描いて、走り回って、笑いあって、時々ケンカして……
ここに立つだけで、まるでモノクロの投影機のように、昔の光景が脳裏に甦っていた。
「……懐かしいね、まさおくん……」
そう呟き、まさおくんを見る。
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