この笑顔を作れるのは、きっと風間くんがいるからだろう。
おかげで、ようやく心が晴れた気がした。
「――ひまわり、風間くん、オラちょっと、これから仕事があるんだ」
「え?お兄ちゃん、今日は休みなんじゃ……」
「……さっき電話があったんだよ」
「じゃあ、帰ろうかしんのすけ」
「いやいいよ。オラだけ帰るから、二人で楽しんでよ」
オラは、二人の元から離れはじめた。
「ちょっと!お兄ちゃん!」
ひまわりの言葉に手だけを振って答える。
そして一度振り返り、風間くんの顔を見た。
「……風間くん。ひまわりを、頼んだよ」
「……しんのすけ……」
風間くんは、オラの目を見つめ返していた。その目は、オラに何かを訴えていたように見えた。
そんな彼に微笑みを返した後、オラはそのまま、その場を離れていった。
帰り道に、ふと足を止め空を見上げた。そして二人の姿を想像してみる。
きっと今頃は、二人で街を歩いているだろう。風間くんが車椅子を押して、ひまわりが笑って……
その姿は、オラの心を温かくする。でも少しだけ、寂しさも生まれていた。
「……さて!帰ってご飯の準備でもするかな!」
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