――そして、ひまわりが帰らないまま、朝を迎えた。
「……もう朝か……」
朝日が射し込む窓を見て、オラはふと呟く。
本当に、何があったのだろうか……
嫌な記憶が、脳裏に過る。
あの時、真夜中に電話が鳴り響き、変わり果てた父ちゃん達を迎えに行った。
しかし何か起こってるなら、電話があっててもいいはず……
「……帰ったら、こりゃ説教だな」
そう……きっと帰ってくる。
そしてひまわりは言うんだ。
「友達の家にいた」って……
――その時、家の電話が鳴り響いた。
「――ッ!」
一気に、心拍数が上昇したのが分かった。
ヨロヨロと立ち上がり、電話機に向かう。目と鼻の先にあるはずの電話機が、とても遠く感じた。
伸ばす腕が震える。
そして、受話器を耳に当てた……
「……もしもし、野原です……」
「あ!野原さんですか!?」
「は、はい……あの……」
「野原ひまわりさんという方は、ご家族におられますか?」
「はい。僕の妹ですが……」
「――課長!ご家族の方に連絡取れました!」
……その様子は、以前経験したことがあった。
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