――お兄ちゃんへ。
お兄ちゃん、今日まで本当にありがとう。
考えてみれば、私はお兄ちゃんに甘えてばっかりでした。いつもお兄ちゃんにくっ付いて、泣いて、笑って、怒って、落ち込んで……それでもお兄ちゃんは、ずっと私を見てくれて……。
授業参観も、学芸会も、合唱コンクールも、卒業式も、入学式も……いつも、私を見てくれていました。
……本当に嬉しかった。
いつも泣きそうな時、傍にはお兄ちゃんがいてくれて、涙を拭ってくれました。そして言うんです。
“行こうか、ひまわり”――
座り込む私の手を掴んで、立ち止まる私を引っ張ってくれるんです。その手はとても暖かくて、とても安心できて……
ケンカした時も、次の日にはご飯を作ってくれてるんです。
不器用に、不愛想に笑いながら、美味しいか言ってくれるんです。
お兄ちゃん……あなたの妹で、本当に良かった。本当に幸せだった。
……今の私があるのは、お兄ちゃんのおかげです。
ずっと、大好きです。ありがとう、お兄ちゃん――――
――手紙の最後は、声に涙が混じり、うまく話せていなかった。
それでも、会場中が暖かい拍手に包まれていた。
オラは下を向き、ただ拍手を受ける。本当はひまわりに言いたかった。
お礼を言いたいのは、オラの方です――と。
でも流す涙を、彼女には見せたくなかった。最後まで、笑顔を向けていたかった。
それでも、少しだけ視線を彼女に向ける。
続きは次のページからご覧ください!!


