「――しんのすけ、これから先は、怒らずに聞いてほしい」
「……分かった」
オラの返事を待って、風間くんは切り出す。力強く。はっきりと。
「……彼女の想いに触れて、僕は決めたんだよ。一生、彼女を大切にしよう。添い遂げようって。
――だから僕は、彼女にプロポーズしたんだ。――結婚を、申し込んだんだよ」
「………」
雨は、更に激しさを増していた。
「そしたらさ、見事にフラれたよ。僕の思い違いだったみたいだ。……まったく。カッコ悪い話だよな、ホント……」
彼はそう話しながら、苦笑いを浮かべていた。
だけど、オラは気になっていた。
ひまわりは、なぜ風間くんとの別れを選んだのだろうか……。
彼女の想いは、オラが見ても分かるくらい本気だった。にも関わらず、彼女は別れを選んだ。
……その理由は、容易に想像出来た。
だからこそオラは、両手を握り締めた。握る拳は震える。我慢するのに、必死だった。
「……風間くん。ひまわりは、なんて言ってた?」
「……」
「……教えてくれ。風間くん……」
風間くんは、少し躊躇していたようだ。それでも、話してくれた。
「……彼女が言ったのは……」
「………」
「―――――、―――――」
「………」
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