クレヨンしんちゃんの20年後の物語に感動の涙。。。。

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「……聞くも何も、普通の話だよ。付き合っていた彼女から、僕がフラれた。
――ただ、それだけのことさ。聞いても、つまらない話だよ」

風間くんは、淡々と話す。
それは間違いない。だが、それだけじゃない。風間くんは、話を早く終わらせようとしている。
つまりは、オラに話しにくい何かがあるということ。

「……風間くん、友人としてお願いするよ。あの日、何があったの?」

「……」

「凄く言い辛いことかもしれない。だけど、話して欲しい。
それはきっと、オラが知らなきゃいけない、とても重要なことだと思うから……頼む……」

「………」

風間くんは、オラの目を見ていた。何かを探るように、確かめるように。
そんな彼を、オラは見続けた。視線を逸らさず、ぶつけた。

「……はあ。そう言えば、お前も強情だったな、しんのすけ……」

大きく息を吐いた風間くんは、諦めたように呟く。そして視線を前に戻し、目を細めて話し出した。

「……もう、聞いてるかもしれないけど。僕な、海外の支社を任せられることになったんだよ」

「……ああ、聞いたよ」

「だろうな。――ホント、大出世だよ。言わば、僕は支社長になれるんだ。
これまで頑張ってきた苦労が実ったんだ。こんなに嬉しいことはない。僕は、意気揚々と彼女――ひまわりちゃんに報告したんだ」

「………」

「そしたらね、彼女言ったんだ。“私は、どうなるの?”って。僕は、すぐに彼女が言わんとすることが分かったよ。
……彼女は、本気だったんだ。本気で僕と、一生添い遂げるつもりだったんだ。だから僕が海外に行くことに対して、自分はどうなるのかって聞いてきたんだよ。
本当に、嬉しかったな。海外の支社を任され、好きな女性に本気で想われて……人生で、最高の瞬間だった」

風間くんは、少し照れるように話していた。……でも、その顔は長くは続かなかった。すぐに視線を落とし、呟くように話した。

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