仲間内でみんながみんな片思いしあってた結果・・・

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113:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 01:37:33.74 ID:SZ7vCsTx0
アキかっけぇ

114:アキ:2013/03/24(日) 01:39:04.36 ID:pmN8elV80
こうなったら、私の片思いの終わりを見届けよう。
「雪、夏呼べば?地元やからすぐ来るよ」
私のその申し出に、雪は従った。
すぐに夏は飛んできて、ぼろぼろに泣いてる雪を気遣ってた。
やっぱり私のことは視界に入ってないな。
そう思うと吹っ切れるような気がした。
「今日話したことは、夏には内緒ね」って雪に伝えて、私は一人帰った。
でも、やっぱり往生際の悪い私は傷ついていた。

115:アキ:2013/03/24(日) 01:48:51.03 ID:pmN8elV80
三学期が始まった。
夏と雪は付き合い始めた。
噂は瞬く間に学年中に広がり、夏は可愛い彼女にご満悦だった。
クラスメートに「夏はアキと付き合ってるかと思ってた」って突っ込まれて、
今度は私が気持ち良く否定する番だった。

でも正直、うまくいってはなかった。
あの日あんなにカッコつけて、上手く話をまとめたつもりになってたのに、
私と雪の間にはうっすらわだかまりが出来ていた。

116:アキ:2013/03/24(日) 01:52:02.40 ID:pmN8elV80
雪は頑張って修復しようとしてくれてた。
でも私が無理だった。
仲のいい夏と雪を見ていると、心がささくれ立って、
四人でいて心から笑えたことなんてなかった。
あのハルが何度も気分転換に誘ってくれたけど、全部断った。
そんなことをしていると、夏が切れた。
いつものようにみんなでお弁当を広げている時、
私の白々しさに、夏が怒鳴った。
「お前何なん!?何が不満なん!?」
 どれだけみんながお前に気使ってると思ってんだよ!」

夏には解らないよ。
夏には言われたくないよ。
そう思っても口には出せない私は、ただ黙っていた。

119:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 01:57:13.24 ID:krRXVQqc0
そろそろハルのターン?

126:アキ:2013/03/24(日) 02:08:04.50 ID:pmN8elV80
雪が間に入った。
「ごめんね、私が恩を仇で返すようなことをしたんよ」
ぼろぼろ泣きながら、雪が言った。
恩を仇で返す?
何を言ってるんだろう。
身に覚えがなかった。

「私、一年の時から、アキのこと知ってた
 その時私、クラスの女子からハブられてて
 その日も耐えれなくなって、
 トイレの個室に逃げ込んで、一人で泣いてた
 そしたら、その女子達、トイレまで追いかけてきて
 私に聞こえるように、キモイとか、死ねばいいのにとか
 そしたら、隣の個室から誰か出て行って
 隣の個室の子、ずっと泣いてるんだけど、って
 胸糞悪いことやめろよ、って
 親の顔が見たいわ、って、言ってくれて
 アキが出てった後、女子達がアキの名前言ってるの聞いて
 ずっと感謝してた
 凄く嬉しかったのに
 恩を返さなきゃってずっと思ってたのに
 私が、そんなアキを裏切った
 ごめんね、アキ、ごめんね」

127:アキ:2013/03/24(日) 02:12:40.66 ID:pmN8elV80
そう言えばそんなこともあったな、と思った。
その後、私その女子達から陰口叩かれてたみたいだけど、
まぁ有り難いことに私への被害はそれくらいだった。
そうか、あれは雪だったのか。
「アキが優しいこと知ってるから、仲良くなりたかった」ってのは、これだったんだね。

129:アキ:2013/03/24(日) 02:24:11.31 ID:pmN8elV80
そんな中、夏が笑った。
「何や、アキお前、めっちゃかっこいーな!
 お前らしいわw」
大好きだったあの笑顔で、夏に褒めてもらえた。
何だかむず痒かったけど、嬉しかった。
誇らしかった。
「かっこいー」って言ってもらえた。
お前らしいって褒めてもらえた。
そうか、夏の目に映ってる私は、そんな女だったんだ。
なんかもう、充分だな、うん。よく解らないけど。
この瞬間、パァって気分が晴れたのを、今でも覚えてるんだ。

「でも裏切ったって、何したん?」と話を続けようとする夏に、私は謝った。
雪にも、春にも謝った。
「ごめん、もう大丈夫!」って。
だって今なら心から笑えそうだから。
もういいんだ、もういい。
終わったんだ、私の片思いは。

130:アキ:2013/03/24(日) 02:32:00.75 ID:pmN8elV80
それからは、ハルが開き直ったかのように毎日絡んできた。
「一緒に帰ろう」とか、わざわざ一人でうちのクラスに言いに来たりして。
仲間内からカップルが生まれて、こいつも寂しいのかなって思ってた。
自然と二人でいることも増えた。

そして春休み直前、雪がハルに告白した教室で、ハルに告白された。
「廊下で初めて会話した時から、ずっと好きやった」って。
笑ってしまった。
あの日あの瞬間、私以外の三人が一気に恋に落ちたのか。
なんて面白いメンツなんだろうw
運命的とも言えるじゃないかw
しかし私の鈍さは、夏に負けず劣らずだな。
そう言えばハルはやたら私を褒めてきたなー、とか、
やたら夏がハルを押してたなぁ、とか、
そこでやっと気が付いたんだw
申し訳ないことをした。
でも生憎、返事はNOだ。
私はハルのことを男としてなんて見れなかった。
その頃まだ私の一番は夏だったし。
そう簡単に次にはいけなかった。私はね。

131:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 02:36:10.96 ID:SZ7vCsTx0
きれいに四角関係だったわけか

132:アキ:2013/03/24(日) 02:40:19.20 ID:pmN8elV80
その後一年間しつこく私を好きだと言い続けるハルがいるのだけど、
それはまた別のお話。

出会いから4年たったけど、今でも私たちは連絡を取り合ってる。
夏と雪は別れたりくっついたりを繰り返しながらも続いてるよ。
だから、夏が大声で叫んだ「永久不滅なり」は、まだかろうじて守られてるw

134:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 02:44:14.55 ID:vJ6peDZe0

よければその後の話で印象的なエピソードを後日


135:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 02:45:12.75 ID:qef5VNgf0
私からも後日談お願いします
気が向いたらで良いんで

136:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 02:45:15.15 ID:SZ7vCsTx0
面白かった!
ハルの話気になるな

137:アキ:2013/03/24(日) 02:49:11.38 ID:pmN8elV80
解った!
今日はぶっ続けで書いちゃって疲れたから、
また明日書くね(`・ω・´)

138:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 02:49:43.32 ID:M6KFXcub0
今は好きな人とか付き合ってる人はいないの?

148:アキ:2013/03/24(日) 22:54:35.15 ID:pmN8elV80
今思い出を総動員して書いてるんだけど、
うまくまとまらないというか、
長くなっちゃいそうなのね(`・ω・´)汗
小出しにするよりまとめて投下してく方がいい、、、んだよね?
できたらまた来るね!

>>138おいおいね!

149:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 23:03:27.03 ID:UpItWECJ0
>>148
待ってるよ。ゆっくりでいいぜ

139:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 02:58:07.75 ID:ZVSH1ChP0
追いついた
切なくて泣ける…けどハルが黙って事態を見ていた男前

141:名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 10:39:08.71 ID:Czk9YAPx0
追いついた(`・д・´)
ビバ青春!!

160:アキ ◆kB.Rp6wEqA :2013/03/25(月) 19:30:11.99 ID:K0zg9wHr0
では再開。

夏の言う「かっこいーアキ」を保ち続けねば、と思った高校二年の三学期。
失恋如きで憂鬱ぶる女を、夏は格好いいとは思わないだろう。
私は一秒も早く、夏がイメージする「私」を、取り戻さなければいけなかった。
頑張る必要があった。
そんな私をジッと見ている男がいることには、気付かなかった。
気丈に振る舞う雪を見つめ続けた夏がいたように、私にも、そんな男がいた。

162:アキ ◆kB.Rp6wEqA :2013/03/25(月) 19:35:01.66 ID:K0zg9wHr0
夏が私を怒鳴りつけ、雪が罪の意識を告白したあの日、
確かに私の気持ちは晴れた。
私の片思いは終わった、そう思っていた。
でも、夏を友達として見ることは、そう簡単ではなかった。
それほどに、私の片思いは長過ぎたんだ。
けれど、みんなの目に映る私は、
夏の一番の女友達でなくてはならなかった。

163:アキ ◆kB.Rp6wEqA :2013/03/25(月) 19:37:13.73 ID:K0zg9wHr0
友達を演じるのは慣れていた。
片思いが長く、告白する勇気もなかった分、
その演技力は着実に磨かれていったように思う。
しかし問題があった。
それは、夏に彼女がいること、そしてそれは私の親友だということ。
今まで片思いしてた時はこんなオプション付いていなかったけど、
今は話が違う。
落ちていく心を隠す演技力も必要になった。

164:アキ ◆kB.Rp6wEqA :2013/03/25(月) 19:45:39.66 ID:K0zg9wHr0
相変わらず四人で行動する日々。
目の前には仲睦まじく笑う夏と雪。
私はそんな二人をからかう。
「もう、暑苦しいなあ!」「夏デレデレすんな気持ち悪い!!」
笑顔で、陽気に、嫌みったらしくならないよう。
最善の注意を払う私。
隣にはいつもハルがいた。
私のテンションが途切れそうになると、
やんわりとフォローしてくれていたように思う。
「アキ、ジュース買い行こう」「アキ、ほら、飛行機雲」

165:アキ ◆kB.Rp6wEqA :2013/03/25(月) 19:50:24.75 ID:K0zg9wHr0
ここにいる奴らにはスウィーツwと思われるかもしれないけど、
当時の私の趣味は空の写メを撮ることw
隙あらば写メを撮る私に、ハルは協力的になっていた。
「アキ、あの雲撮らなくていいん?」
いやあれは別に、とアッサリ却下する私にもめげず、
アキ、アキ、と
ハルはいつも空を指さしてた。

166:アキ ◆kB.Rp6wEqA :2013/03/25(月) 19:53:54.20 ID:K0zg9wHr0
「アキ、これ俺が撮った」
そう言ってハルは携帯を差し出した。
そこには、まぁなんと言うか平凡な、
褒めるところもない、ただの空が写っていた。
お、おう、と返す私に、淡々と「また撮ってくる」と答えるハル。
それからハルは、頻繁にメールを送ってくるようになる。
空の写メを口実にして。
暇な奴、くらいにしか思ってなかったけど、悪い気はしなかったんだ。
自分の趣味に人が乗っかってくれるのは、なんだか気持ち良かった。
そんなハルの地道なアタックはしばらく続いたw

167:アキ ◆kB.Rp6wEqA :2013/03/25(月) 20:00:46.38 ID:K0zg9wHr0
少し話が逸れた。
そんな感じで、私が友達を演じてた三学期。
春休み直前の放課後、夏が私を呼んだ。
私の隣にいる雪を差し置いて。
きてきて、と手招きする夏。
「あれ何?」と雪に聞くと、真面目な顔で「行って」と促された。
「何?」と訊ねると、「大事な話がある!」と私の手を引いた夏。
そして、一つの空き教室の前で足を止めた。
「夏、まさか…」と、ほんのり期待してしまった私を許してくれ。
私がソワソワし始めた頃、真顔の夏が言った。
「真剣に聞いてやれよ!」
そして私を無理矢理空き教室へ放り込んだ。
薄暗い教室の中、ハルが、ヌボーっと教壇に立っていた。
夏の遠ざかっていく足音だけが響いていた。