85:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:01:36.66ID:9GPM1Qwh.net
返信があったのは確か3日後
僕が部屋でSlipknotかKORNかを爆音で流して引きこもってた昼下がりだ
僕の部屋もクーラーがなかったから頭がぼやっとしていたように思う。
86:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:14:21.14ID:9GPM1Qwh.net
返信の内容はこんな感じだった。
“メールありがとう!!ギターはちっとも上手くならないけどバンドのために頑張ってるよ!!
蝉さん可哀想だね。私も子供の頃、白いTシャツで道を歩いてたら、石ころに躓いて転んだの。ちょうど胸の辺りにバッタさんが居て潰しちゃったんだよね。それ以来虫が嫌になっちゃったから気持ちわかるなー。
こないだの曲も練習してるよ。また学校が始まったら教えてね?”
88:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:14:42.53ID:9GPM1Qwh.net
男子高校生の如何に単純たるか
さっき迄の重々しい気持ちはどこへやら
僕は内容を理解した途端BGMはご機嫌なレゲエミュージックに差し替えてサウナと見紛う程の灼熱の自室の中で小躍りしていた。
90:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:16:02.71ID:9GPM1Qwh.net
冷静になって彼女のメールを読み返すと中々の不思議ちゃんな気もする
でもそんなことはただ無闇に僕の恋心を駆り立てる要素の一つにしかならなかったことは言うまでもない。
91:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:16:21.72ID:qBufp1Yc.net
なかなかおもしろい
93:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:17:39.71ID:9GPM1Qwh.net
>>91
ほんとに??
超嬉しいでよ
書き溜めて置くんだったなぁ
思い出しながら書いてると全然省略ができねぇんだ
話進むの遅くてごめんよ
92:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:16:24.70ID:9GPM1Qwh.net
ただし、肝心の例の“勘違い”について言えば言及もされてないし、一抹の不安は残った。
そしてもはや僕の気持ちは抑えきれなくなってしまっていたんだ。
どうせ一度は告白したようなもんだ。早く好きだと言ってしまえ、モジモジしてたらロックじゃねぇなんて声が聞こえてくるんだ。
きっと焦りもあったんだろう。何せ僕以外のバンドメンバーは所謂イケメンなんだしね。
バンドメンバーとは色恋話などそれまで一度もしたことはなかったんだ。
94:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:20:31.17ID:9GPM1Qwh.net
何通か他愛のないやり取りを、半ば僕が無理矢理な質問を繰り返すことでウィノナちゃんとは連絡が続いた。
どうしても好きな人がいる?とは訊けない。訊いたらリングに上がる前に試合が終わる予感がしていたから。
眠れないくらい暑い夏だった。寝ても覚めても何度も何度も告白の為の文面を考え直えては破棄する作業を続けた。
95:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:21:40.33ID:HpbqfOKi.net
全12話で例えると今は何話目?
96:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:22:08.46ID:9GPM1Qwh.net
>>95
2話かなwww
97:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:22:52.46ID:9GPM1Qwh.net
直接告白するなんて考えもしなかったし多分顔を見ても緊張して何も話せなかっただろう。
そんな気持ちを反映してか作るメールはどれも適当な言葉が出てこない。
好きです。付き合って下さい。
これではストレートどころかスローボールではあるが、早く僕はこの苦しみから解放されたいと切迫していた。
送信ボタンに指をかけては離すそんなことを毎日繰り返していたが、とある日、小学校から愛用しているロックマンの勉強机につっぷして寝てしまったようだった。
98:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:23:16.80ID:9GPM1Qwh.net
指先で感じたバイブレーションで僕は目を覚ましたんだ。
携帯を握りしめて寝落ちしていたことに気が付きそのバイブレーションの正体を探るために携帯に目を落とす。
そこにはウィノナちゃんからのメールがやった来ていた。
99:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:27:09.53ID:HpbqfOKi.net
大作過ぎるだろw
101:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:31:21.40ID:9GPM1Qwh.net
“結果ALLRIGHT(*´ω`*)”
メールの内容はこうだった。顔文字も確かこんな感じのどんな感情かイマイチよめないものだった。
僕は寝ぼけていて状況が把握できていない。
102:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:31:54.32ID:9GPM1Qwh.net
数日前におやすみと連絡して依頼しばらく連絡をしていなかったが、タイトルにReが付いている。
僕は送信ボックスを開いた。
感じていた悪い予感は的中した。
ご想像の通り寝落ちした瞬間に送信ボタンを押していたのだ。
とんだ間抜けだ。
大暴投だ。
そしてこの返信だ。
結果オールライトってなんだ。
103:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:33:44.71ID:9GPM1Qwh.net
悪い意味ではないことは分かる。でもイエスかノーかで答えられる質問にイエスで答えないのはノーと同義なんじゃないか?
そんな疑心暗鬼でそれからはメールを返す事ができなかった。
悶々と残された夏休みを消化して明日、2学期という日にウィノナちゃんからメールが来た。
“明日、放課後視聴覚準備室に来て?”
104:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:34:14.24ID:9GPM1Qwh.net
勿論、行った。
始業式とかんたんな授業でお昼で終わりだ。
ウィノナちゃんはすでにその部屋に居た。
暫くの気まずい空気のあと、ウィノナちゃんはあのさ…と切り出した。とても暗い表情に見えたんだ。
振られることを確信した。
残された2年半年の高校生活はきっと暗いものになると思われた。
僕は返事をしつつドラムセットの椅子に座った。
シンバルで少しでも顔が見えないようにしたかったんだ。
105:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:35:04.64ID:9GPM1Qwh.net
ウィノ「謝らなきゃいけないことがあるの。」
僕「え?(あ、終わったなぁ…)」
ウィノ「マンドリルから色々聞いちゃったんだよ、だから君の気持ちは知ってたんだよ。だからホントは私から告白するべきだった。」
僕「…?」
ウィノ「あの…歌ってくれたじゃない?
正直馬鹿みたいだと思ったけど、それ以上に嬉しかった。本意は分からなかったけど、
本気だったら嬉しいなって思ったらずっとそればっかり考えてしまって、マンドリルに色んなこと聞いてしまったんだよ。
マンドリルには話したんだよね?内緒って約束で君が喫茶店で話したこと聞いちゃったんだよ」
106:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:35:32.95ID:9GPM1Qwh.net
僕はあの軽口マンドリルめがと心の中で罵倒したが黙って聞いていた。話が自分の望む方向に進んでいることに喜びと違和感を感じていた。
ウィノ「それでね。君からメールくれたじゃない?私嬉しかったんだ。でもあんまりにも真っ直ぐすぎてすぐ答えられなかったんだよ。ごめんね?私卑怯だったと思う。でも過程なんてどうでもよくて、私が望んだようになったんだから、だから結果ALLRIGHTなのだ(*´ω`*)」
彼女はほんとに(*´ω`*)こんな顔をしていた。
僕「僕とお付き合いしてくれメシュカ?」
僕は盛大に噛んでいたが訂正する余裕もなかった。
卑怯でもなんでもないと、漢らしく僕から言いたいと急いで言い放った。
107:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:35:58.90ID:9GPM1Qwh.net
彼女ははいと答えようとしたんだろうけど、“は”が聞こえた瞬間僕は嬉しくてクラッシュシンバルを盛大にしばいた。
お陰で彼女はびっくりして“い”を言いそびれたんだけどそれでも笑っていた。
僕の興奮は冷めやらずにバスドラムをドコドコ踏みしめていた。
こうして僕たちはお付き合いをする事になったんだ。
108:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:37:26.09ID:9GPM1Qwh.net
つらつら書いてたら前フリで長くなってしまった。
ごめんなさいね。
109:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:49:33.84ID:uVXL0i+V.net
最後まで見たら悲しくなる内容か?
110:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:52:20.83ID:9GPM1Qwh.net
>>109
ハッピーエンドではないです
これ以降わりと僕なりには激辛パートなんですが、現在進行形で思い出しながらつらつら書いてますんで、いざちゃんと自分で読んでみたら悲しくなる内容かもしれない
或いはそんなに悲しくも辛くもないかもしれない
112:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 13:55:09.66ID:9GPM1Qwh.net
その後、1年半
おそらくそんなに珍しくはない恋愛が続いた。
少し珍しかったことと言えば、キスをするのに1年もかかってしまったことくらいだ。
家にはよくお邪魔していた。
彼女のご両親にはギターを教えに来ていると言う体裁を取って付き合ってからすぐに家にあげてもらった。
彼女の家庭も僕と同じ普通の和やかな家庭だった。
妹と両親の4人暮らし。
みんな、僕に優しくしてくれたし恋愛には寛容で特にお母さんとは親しくしてもらった。
帰り道送ってもらったり、ご飯をごちそうになったり。
117:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 14:11:15.04ID:+q/ZPCQm.net
ダメだマンドリルで吹くwww
仮に当てはめた名前でも真面目なシーンで「マンドリルに~」とか
119:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 14:18:48.01ID:OL0p0Pdx.net
>>117
それは僕も失敗した
書いてて違和感しかないけどもうあとに引けない
あと一応だけど全員仮名だよ
マンドリルもマンドリル以外の霊長類に似てたからある意味仮名だよ
120:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 14:19:32.78ID:OL0p0Pdx.net
付き合ってから知る事実も多かった。寧ろ殆どが付き合ってから知ったことだった。
・入学してから直ぐに同じクラスの子に告白されて断ったこと
・今まで恋愛はしたことがないこと
・ピアノを習っていてギターよりもかなり上手に弾くこと
・血液型はO型なこと
・学校が遠いからか同じ中学出身の子は同級生で自分を含めて2人だけだと言うこと
・その子は大の親友でボーカルの平山を好いていること
・部屋にはたくさんぬいぐるみがあって、一つずつ名前をつけて大切にしていること。ぬいぐるみはよく誕生日プレゼントにもらうらしい。
バンドの練習がない日なんかは必ず会いに行った。
それが普通になっていた。
121:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 14:20:56.33ID:OL0p0Pdx.net
彼女に少し精神的に不安定な部分があることも分かってきた。
高校2年生の春頃
両親とひどく喧嘩をしたらしい。理由は忘れてしまったけど、思春期ならではの大したことではない内容だったと思う。
3日も学校を休んだ彼女が心配で、バンドメンバーには練習を早めに切り上げてもらって会いに行ったんだ。
126:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 14:56:27.12ID:9GPM1Qwh.net
家についたが彼女はいなかった。
丁度彼女の母が帰ってきて様子を聞くと今朝、そんなつまらないことで学校に行かないなら私はもう知らないから出ていってと言ってしまったの、それでまだ帰ってないみたいと相談を受けた。
暫くお母さんと二人で待ったけど暗くなっても帰ってこないから、ようやく僕は探しに出たんだ。彼女の母親には家に残ってもらった。
電話も出ないし思い当たるところも全て回った。
もう21時も過ぎようとした頃、やっと彼女の家からほど近い海岸線で彼女を見つけたんだ。
僕は知らなかったけど彼女はこの景色が好きらしい。
特に海がきれいな地域でもなく、灰色の海水が打ち寄せる工業地帯と漁港の隙間にできたほんの少しの砂浜だった。
ぼんやりと堤防からの切れかけの電灯が明かりを灯す。
彼女はここの儚くて残酷な感じが好きだったそうだ。
僕には理解できなかった。
127:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 14:57:06.00ID:9GPM1Qwh.net
隣に座ってしばらく黙っていた僕に彼女はこう言った。
「君って空気みたいだね」
僕は憮然とした。
彼女にとって、そんなに存在感が薄いのかと絶望した。
だが、確かに彼女は僕に居場所を知らせなかったし、頼りにはされていないのだろうという事は薄々気がついていた。
きっと僕は泣いていたと思う。
128:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 14:57:37.39ID:9GPM1Qwh.net
僕の顔は暗くて見えていなかったと思う。
彼女はこんな風に続けた。
「つまらないことで、君を困らせたくないから連絡をしなかった。一番頼れる人なのにそれに気が付かなかった。でも、今気が付いたの。私、君が居なきゃ死んじゃうよ。ほら、空気みたいでしょ?」
僕は黙って彼女にキスをした。
ただぼんやりと暗くてものすごく中途半端な位置にしてしまった。
これが初めてのキスだった。
もちろんフル勃起したが、暗闇が優しくそれを隠してくれた。
彼女がこの場所が好きな理由が少しわかった。
彼女はただもう大丈夫と呟いて笑った。
130:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 15:27:43.16ID:9GPM1Qwh.net
初めてのキスの興奮でそれどころでは無かったけど、空気みたいだってのは彼女なりの早くキスくらいしろという揶揄だったのかもしれないと後日思い返した。
もしそうだったとしても結果オールライトだなと胸を撫で下ろした。
134:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:02:12.74ID:9GPM1Qwh.net
僕の周りの人間たちもそれぞれ進展があった。
彼女のバンドのマンドリルはいつの間にか僕のバンドのベースである飯田と付き合っていた。
口は軽いが割りと面倒見の良いマンドリルとブス専の飯田がくっついたのは必然だったのだろう。
彼女のバンドのボーカル、アユは話を聞くたびに男が変わっていた。
ベースのサユミちゃんはずっと想い人がいるんだとウィノナから聞いていた。
僕のバンドの平山は端正な顔立ちからよくモテた。ウィノナの中学からの同級生であるレナちゃん(仮名)からも想いを寄せられていた。だが今のところは誰にも惹かれていていない様子だった。
ドラムの石原にも色濃い沙汰の様子は見られない。曰くドラムに恋をしているとのことだったのだが、高校卒業後に彼は自分がゲイであることを告白した。これは本件には絡まないので置いておこう。
135:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:04:24.56ID:9GPM1Qwh.net
まぁよくある恋愛模様だ。
これもまたまま有ることではあるが、一度団体デートに出かけたこともあったんだ。
メンバーは僕とウィノナ、飯田とマンドリル、平山とサユミちゃんだった。
場所もありきたりな遊園地
ただそれでもとにかく楽しかった。
きっと一番美人な彼女だと優越感に浸っていたんだと思う。ちょっと性格悪いよね。
僕とウィノナ、飯田とマンドリルの仲は周知の事実だったし、それを隠すことも無かった。
乗り物の待ち時間に色んなことを話ししたと思う。
全部はもちろん覚えてないけど、各々のバンドのこと、特にアユが男遊びに耽りあまりバンド練習に顔を出さないということ、飯田とマンドリルの馴れ初め、サユミちゃんの想い人のこと、平山が朴念仁だと言うこと
136:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:27:26.21ID:9GPM1Qwh.net
サユミちゃんは頑なに自分の想い人のことを話はしなかった。得た情報は軽音楽部ではないとある先輩だと言うことだけだった。
平山は絶叫系が苦手で終始テンションが低かった。マンドリルはそんなにモテるのに人と付き合わないなんてゲイなの?なんて茶化していたが実際にゲイなのは石原であって、平山は全力で否定していたし実際にゲイではなかった。
僕には全然確証はなかったけど平山はさゆみちゃんが好きなのかなとか、そんなことを考えたりしたような記憶があるね。
137:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:28:20.74ID:9GPM1Qwh.net
マンドリルがまた余計なことを言い出した。
マンド「平山と同じクラスのレナちゃんはどうなのよ?あの子めっちゃ可愛いし平山によく話しかけてるじゃん」
平山「ああ、かわいいね。でも俺不思議ちゃんはダメなんだよなぁ…」
確かにレナちゃんについての印象は僕も不思議ちゃんで異論はなかった。
確かに小動物みたいで可愛らしいんだけど、語尾がゴワすだったりゴザルだったり…ずっとコンビニでコクのある食べ物はないかと探したりね。
ウィノナは少し悲しそうな顔をしていた。
138:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:28:56.74ID:9GPM1Qwh.net
他にも色んなことがあったように思う。
バンドでオリジナル曲を作るために合宿をしたり、内緒で酒を飲んでみたり、
ウィノナとはありふれたデートばかりだったけど高校生の自分にとってはそれ以上はない幸せな2年間だった。
139:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:30:08.05ID:9GPM1Qwh.net
高校も3年生になり、自分の高校では希望の進路でクラス分けをされることとなるんだ。
国立理系、国立文系、私立理系、私立文系
たしかこんな感じだったかな。
僕はウィノナが私立の文系を希望していると言うだけで同じコースを希望して、狙い通り同じクラスに入ることができた。
勿論、同じ大学に行くつもりだった。僕と彼女は学力も大きく変わらないレベルだったしね。
一時はギターの講師になろうとしたんだけど、それは大学に行ってからでもまだ間に合う選択肢だと親に止められた。それは本件には絡まない。
とにかくここまでは良かったんだ。
140:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:42:43.63ID:3ZbzTRxv.net
いよいよ…
142:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:54:07.35ID:9GPM1Qwh.net
同じクラスになれて、喜びを噛み締めていた矢先の5月、丁度彼女の実家にお邪魔していたとき、一通のメールが彼女の携帯を鳴らした。
当時は勿論スマホなんて無いからそもそもあまり携帯が鳴らなかった。共通の友達も多かったからよく誰から?なんて訊いたものだ。特にウィノナは僕に携帯を見せることを嫌がらなかったしね。
メールを見た瞬間、彼女の顔から血の気が引いていく気がして、僕はいつものように誰から?と開こうとした口を閉じて、携帯の画面を凝視した。
そのメールはこんなだった。
143:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2017/07/01(土) 16:54:45.38ID:9GPM1Qwh.net
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本文:死んでしまえば良い