社会に出てからできた親友みたいな女との出来事を語る

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181:1:2011/11/05(土) 10:56:47.67 ID:N9/pQypxO
翌日、午前中病院に行った後、お姉ちゃんとお母さんは仕事がある為
一人で実家の大掃除をしていた。
そこで見つけたのは地元のタウンワーク。
1月オープンする大型雑貨店のオープニングスタッフが募集されてた。
実家から近い。田舎にしてはそこそこ時給もいい。

この時、私の心は決まった。電話したら直ぐに面接してもらえ
翌日採用の電話が掛かってきた。
採用の電話を貰った後、店長に電話を掛けた

「本当、本当に急で迷惑を掛けますが、
1月から戻ろうと思ってます忙しい時期なのに本当にすみません」

店長は勝手な私の事後報告一切責めず、是非そうしてあげて、と快諾してくれた。
1月七日付けで、雑貨屋の退職が決まった
そして30日、私は最後の仕事を片づける為に自分の町に戻った

182:1:2011/11/05(土) 11:11:18.20 ID:N9/pQypxO
お母さんに、「地元に戻ってくる」
と伝えたら、また夏の時と同じよう「無理しなくていいんだよ?」と心配してきた
無理しなくていいのはお母さんだよ…、と思った私は
「もう新しい職場も決まった!帰ると言ったら帰る!絶対帰る!」
とちょっとキレ目に怒鳴ったww
そんな私にお母さんは
「じゃああんたの部屋掃除しなきゃ、だって今干し柿干す部屋になってるもんwww」
と久しぶりに笑った。
そしてありがとうと言ってくれた。

それから年末は福袋の準備、正月は福袋を売りさばくのに慌ただしく過ごしていた
新しい職場も四日から研修が始まっていたので、
その数日は地元とその町を新幹線通勤で行ったりきたり
新幹線代で金が吹っ飛んだのが悲しかったww

ともあれ、すぐに七日になり有り難くも、雑貨屋も円満に退職した
鬼店長から
「最後は完全に1さんの事頼りにしてた、
地元に戻ってる時正直忙し過ぎて涙目になったもんwww」
とお褒めの言葉を頂けたのが一番嬉しかった。

そして更に有り難くも、送別会まで開いてくれて全員と握手をして別れた。
最初は辞めたい、としか思ってなかった職場なのに
いつの間にか大好きな職場になっていた。
今でも機会があったらまたこの店で働いてみたいと思う

183:1:2011/11/05(土) 11:17:58.47 ID:N9/pQypxO
それからしばらくは、新しい職場の研修がお休みだったので、
引っ越し作業の為しばらくこの町に居た。
その期間にマキコさんに会った。
マキコさんには電話でお父さんの事や地元に帰る事は伝えてあった。
1月の夜の寒い中、居酒屋の自転車置場で星を見ながら数日の事をマキコさんに話した。
マキコさんは

「寂しくなるなー」

と上を向いたまま言った

私も

「私もです」

と同じように上を向いたまま言った

「でも、1頑張れ!頑張れよ」

マキコさんがこっちを向いて笑った

「はい、頑張ります!」

私もマキコさんを向いて笑った

184:1:2011/11/05(土) 11:24:52.72 ID:N9/pQypxO
結局、引っ越し作業が終わらないまま研修がまた始まってしまい
とりあえず私は必要最低限の物をバックに詰めて、地元に戻って暮らし始めた。
1月いっぱいはオープン準備やら研修やらで忙しかった
マンションの部屋はもう2月分まで家賃を払っていたので、1月は戻らず、
2月に数日休みを貰ってその時に引っ越そうと私は思った。

その事をマキコさんに電話で話したら

「じゃあ、引っ越しが全部終わって鍵を返した後、最後に飲みに行こうか」

と言われたのでマキコさんと最後の飲み会をする事になった。

185:1:2011/11/05(土) 11:37:00.39 ID:N9/pQypxO
2月、引っ越しの日
午前中に業者さんと一緒に荷物をトラックに詰め込み、
軽く部屋の掃除をした後、不動産屋に鍵を返した

閉まった自宅のドアの前に立って、「もうここは私の家じゃないのか」と、
思ったら少し切なくなった。

荷物は業者さんが実家まで運んでくれ、
私は一人だけ新幹線で帰る予定だったので、マキコさんと待ち合わせるまで
久々の一人で過ごす自由時間が出来た。

最後と、いう事でこの土地での思い出の場所を巡って過ごした。
家の近所でしょっちゅう行ってたラーメン屋さん
よくハトにエサをあげてた公園。
ガスが止まって毎日通ってた銭湯(入浴はしなかったがw)
クリスマスツリーを買った輸入雑貨屋にも行った

以外と思い出の場所が多くて待ち合わせまで5時間くらいあったが、全然暇しなかった

そして、改めて、この場所で辛い事もキツイ事もいっぱいあったけど
本当に本当に、楽しい二年間だったなあ
と思った


186:1:2011/11/05(土) 11:50:40.37 ID:N9/pQypxO
そして夕方、マキコさんと合流した。
突然降ってきた夕立に濡れながら最後という事で急遽呼び出された翔も来てくれた。
二人が集まってくれて、本当に嬉しかった

その日は最後にも関わらず、しんみりした話など一切しなかった。
いつもと同じ、馬鹿話ばっかりの楽しい飲みだった。
ついつい、「じゃあまた明日」と言ってしまそうな程、みんな普通に笑ってた。
しかしやはり時は来る。
明日からはまた新しい職場の仕事が始まる。
私は最終の新幹線には絶対乗らなくては行けなかった。

名残惜しくも、お会計を済ませ私達は駅に向かった。もう遅いし、
大丈夫だと断ったけど、マキコさんも翔も駅まで付いて来てくれた。

駅に着いた時に、新幹線の最終まで、20分程あったので翔はトイレに行き
私とマキコさんは駅の外の喫煙所で二人でタバコを吸った。
その時は余り会話は無かったが、マキコさんがふと、こう聞いてきた

「1、この町は、楽しかったたか?」

マキコさんにそう問われ、言いたい事がいっぱい浮かんだが、
なんだかギューと胸の中を搾られ、はい、とか勿論とか
ありきたりな言葉しか出て来なかった。
そうこうしてるうちに新幹線の時刻は迫り、私達はホームに向かった

187:1:2011/11/05(土) 11:57:12.14 ID:N9/pQypxO
平日で、最終という事で、あまりホームに人は居なかった。
私は切符を通し、改札をくぐった。
振り返れば、マキコさんと翔が改札から身を乗り出しブンブン手を振っていた
「1~!!じゃーねー!!またこいよー!!」
酔っ払ってるせいか、デカイ声で叫び、二人でなんか爆笑してた
その様子に私も笑った。

帰りの新幹線の中、私はずっと外の景色を眺めていた。
これからは、こっちが帰り道だ。
今まで、この二年間は地元が行き先で、この町が家だったが
これからは、この町に帰る、という事は無くなる
とそんな事を思っていた。

188:1:2011/11/05(土) 12:08:28.65 ID:N9/pQypxO
翌日、二日酔いでぼーっとしながら、私は仕事をしていた。
まだオープン準備で客はいない。
ひたすらにTシャツを畳んでいく、という作業をやっていた。
そんな単純な作業なだけに、有線がやけに耳に入る。
ふと流れていた曲の歌詞を聞いた、普段なら聞かないジャンルなので
いつもなら聞き流すのだが、何故か歌詞が胸にピシャピシャ入って
気が付けば手も止まって聞きいっていた。
ちなみに当時流行っていた上〇雄輔の「ひまわり」という曲だった。

本当は歌詞全体的に心情どんぴしゃだったのだが、
特に響いた部分はこういう歌詞だった。

心配掛けた、あなた傷付けた
迷惑掛けた、でも歩き続けた
残した涙、俺馬鹿だから
お互いの夢、それ宝だから

その部分を聞いた瞬間、涙がボロボロボロボロ出てきた。
二年間の日々を一気に思い出した。

189:1:2011/11/05(土) 12:17:35.74 ID:N9/pQypxO
最後の日
駅でマキコさんに

「この町は楽しかった?」

と聞かれたが、ボロボロ泣きながら、
私が楽しく過ごせたのは全部マキコさんのお陰だったと思った。

最初の人との縁を馬鹿にしてるような、人を信用しきれていたに私のままじゃ
絶対にこんなふうに楽しく過ごせなかったし
成長も出来なかった
何度もダメになりそうになって、何度もマキコさんに助けられた。
楽しい時はいつも一緒に居て
どんなにドン底な時も絶対見捨てないでいてくれた。
全部マキコさんのお陰だった。

Tシャツを畳みながら突然泣きだした私に、周りは目茶苦茶びっくりしていたwww

やべえwwと思った私はごまかして笑った。
そして二人で星みながら話した日の、マキコさんを思い出した

「でも頑張れ!」

そーだった、寂しいけど、切ないけど、泣いてる場合ではない。
頑張らなければ

私はまた、Tシャツを畳み始めた。

【終】

190:1:2011/11/05(土) 12:20:04.88 ID:N9/pQypxO
本当オチがこんな所でごめんなさい笑
でも現実ってこんなもんですよね
聞いてくれた皆様、本当に歯切れの悪い駄文にお付き合い頂きありがとうございました
何か質問あれば答えます

191:名も無き被検体774号+:2011/11/05(土) 12:23:14.69 ID:rj1PCs810
1乙!
ここまで話してくれてありがとう!
面白かったよ!

差し支えない範囲で答えてくれればいいんだが、
今でもマキコさん達とは付き合いある?
親父さんの具合やら実家家業あたりはもう落ち着いた?
1は話の最後にある雑貨店で今も頑張ってる?
質問多くてスマソ。

193:1:2011/11/05(土) 12:34:17.74 ID:N9/pQypxO
>>191
はいマキコさんとはあれからも年に二回くらい会ってますww
今年はお互い忙しくてまだ会えてないですが
親父は医者から90%後遺症が残ると言われてたのに、退院して二週間で車乗ってたww
今は定年退職して一人でよくジャスコとか行ってるww
最初の雑貨屋は実は一年で潰れちゃったので今は違う雑貨屋と、夜はまた居酒屋で働いている
最初にもどったww
そして今居酒屋ではホールチーフ
そのせいでクソ忙しくここも放置気味でしたごめんなさい
でも今なら胸を張って専門の担任に言える
「私はちゃんと働いてるぜ!!www」
いっぱい質問嬉しいです
ありがとうございます

192:名も無き被検体774号+:2011/11/05(土) 12:25:31.47 ID:CD/QWG6u0
面白かったよ
なんで文章にしてみようと思ったの?

194:1:2011/11/05(土) 12:43:29.12 ID:N9/pQypxO
>>192

実は先月(10月頭)、半年ぶりくらいに突然マキコさんから電話掛かってきたんだ。
私は仕事終わって飯食ってました

1「マキコさん!どうしたんですかこんな時間にww」

マキコ「久しぶり!今何やってんの?」

1「飯食ってます」

マキコ「なんでよ!?」

1「飯食っちゃ駄目なんですかww」

マキコ「まあそれより!男出来た?」

1「マキコさん本当いつもそればっかりですねwww」

マキコ「まあ今から飲みいくから!また掛けるわ!じゃーね!!」

みたいな訳の分からない電話だったんだけど、
相変わらずこの人面白いな~と思って
色々当時の事思い出して、
誰かに話したくなったんだけどリアル友人はこんな長い話絶対聞いてくれないと思って
文章にしてみようと思いました

199:名も無き被検体774号+:2011/11/05(土) 13:02:42.06 ID:CD/QWG6u0
>>194
なんだろ・・・
友だちとか知り合いとかって自分の環境が変わっていくことで
別れや、また出会いがあったりってすごく不確かなものだと思うし
>>1の文章読んでいてノスタルジックな気分になっていた。
琴線に触れたっていうのかなー

なかなか面白かったよ
ありがと

195:名も無き被検体774号+:2011/11/05(土) 12:50:20.01 ID:SrUXHB8F0
そこまで思えるような素敵な出会いがあって1が羨ましい

198:名も無き被検体774号+:2011/11/05(土) 12:59:34.40 ID:jqTWWogj0
いっぱい言葉が出るはずなのに出てこない
でも>>1に言いたい
ありがとう

200:名も無き被検体774号+:2011/11/05(土) 13:08:41.22 ID:qziYptMH0
おもしろかったよー

1乙、ありがとねー

仕事頑張ってくれろ

208:名も無き被検体774号+:2011/11/07(月) 05:04:12.29 ID:mErH5jMCO
このスレずっと保存しておきたい