両親が死んだ俺が従姉と暮らした日々➡︎高校を卒業した後・・・

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58:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 16:21:08.72 ID:oLGClRRO0
俺の家は、曾祖父が建てた普通の二階建て。
祖父がそろばん教室を開いていたので、家の隣にトタン張りの平屋もあった。

新築じゃないから、たいして凄いと思った事はなかったけど、
トシはずっと凄い凄い言ってた。

みよ姉はめったにお菓子とか作らないのに、ホットケーキを作ってくれた。

姉「トシ君たくさん食べてねーw
こんなお構いしかできんけどw」
トシ「ありがとうございますw一次の姉ちゃんかわいいw」
姉「うん、知ってるw」
俺「ちょw」

とか、わいわいしてた。
ホットケーキが焼けて、みよ姉がお皿に移す。

姉「バターはお好みでどうぞw」
トシ「はーいw」

トシはあのバター塗るやつでバターを塗った。そして塗り終わった後、
バター塗るやつをベロリと舐めた。

そしてまたバター塗るやつでバターをとり、ホットケーキに塗った。
そしてまたバター塗るやつを口に含んで、それに着いてるバターを舐めた。

俺どん引き。
人の家でそれはしないだろ。

トシが帰った後、みよ姉はバターが残っているにもかかわらず、
バターとバター塗るやつを捨てた。

みよ姉はそれ以来二度とホットケーキをしなくなった。

66:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 16:40:44.69 ID:oLGClRRO0
それからもトシはちょくちょく遊びに来たけど、初回よりも扱いは雑になった。

夏休みに入って、トシは俺の家に泊まる事が多くなった。
昼間はみよ姉は仕事なので、俺が昼ご飯を賄ったりしてあげてた。
トシの父親が朝昼晩とバイト三昧なのでろくな食事ができないらしい。
三百円じゃイイもん食えねーよって毒づいてた。

はじめのうちは良い顔してたみよ姉だけど、
だんだんストレスになってきているのが目に見えて分かった。
血のつながった子を育てるのと他人の子を育てるのはやっぱ違うんだろうね。

最終的に、トシは自分の父親も俺の家へ呼んできた。

67:名も無き被検体774号+:2011/10/22(土) 16:41:55.40 ID:PRphkBFm0
トシwwwwwwwwww

68:名も無き被検体774号+:2011/10/22(土) 16:49:57.18 ID:3bIWxcKRO
トシヒドス

69:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 17:03:34.52 ID:oLGClRRO0
トシはその日も遊びにきてたんだけど、
夕方帰って、夜に父親連れて家に来た。
みよ姉は風呂上がりだったからすごく嫌な顔してた。
とりあえずリビングへ二人を上がらせる。

(俺)(みよ姉)
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------
(トシ)(トシ父)

みよ姉「こんな夜にどうされたんですか。もう寝る準備してたんですけどねえ」
トシ父「いやーごめんね、本当w今日は親子二人で泊まらせて貰えるかな?w」

俺もみよ姉も目が点。

みよ姉「なんでですか?」
トシ父「アパートから追い出されちゃってw荷物は今車にあるんだけどw
とりあえず今日一日だけwホテル空いてなかったんだw」
みよ姉「どうしてアパートから追い出されたんです?」
トシ父「半月くらい払ってなくてw」
みよ姉「でも働いていらっしゃいますよね?」
トシ父「まあそうだけどwいろいろ出費があってwちょっと喉乾きません?w」
みよ姉「全く」

みよ姉はお茶出さなかった。
俺からしてもこの父親はダメだなと分かった。誠意がないんだわ、トシ父。
年は三十才くらいだったけど、俺はトシ父を見下した目でみた。

トシ父「隣に平屋あるでしょ?あそこでいいからw
君も女の子だし、さすがにここに泊まるのは悪いw」

みよ姉「そうお思いなんでしたら、こんな夜にこの家庭を選びませんよ。
とりあえず、トシ君のお父様のお話を聞く限り急用ってほどでもないので、
お引き取りください。私達も余裕のある暮らしじゃないんです」

この父をお父様と呼べるみよ姉すごいなって思った。
トシはずっと黙ったままだった。

70:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 17:16:26.04 ID:oLGClRRO0
トシ父「いや急用じゃないってw今の話の通り、住む所ないんだよw」
みよ姉「でも笑ってらっしゃるじゃないですか。
それほど切羽詰まってる感じには見えませんがね」
トシ父「いや、本当。頼むよ」
みよ姉「トシ君から聞いたんですよね?
私達が二人暮らしだと」
トシ父「ああ、そうだよ」
みよ姉「頼みやすそうですもんね、保護者が二十代の女だと」
トシ父「いやいや、そんなことは…」
みよ姉「ねえトシ君、今日はさすがに無理なの。我慢して車で寝てくれる?」
トシ父「いや、車は荷物でいっぱいなんだ」
みよ姉「外に出しといたらどうです。誰も盗みませんよ」

俺はトシと目があった。
申し訳なさそうに見えたけど、本当はどうなんだろうか。これは演技なのか。
みよ姉はトシの様子を察して言った。

みよ姉「トシ君。ハナから他人を頼っちゃいけんよ」

親子は帰って行った。


74:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 17:27:01.32 ID:oLGClRRO0
帰ったあと、みよ姉はすごく大きなため息をついてた。

姉「あー怖かった!」
俺「そうなん?」
姉「だって年上の男の人とタイマンしたん よ!ちびるかと思ったー」
俺「トシに悪かったかなあ」
姉「仕方ないよ、親がああやし。そりゃ就職できんわ。
人に頭下げる事ができないなんてあり得んやろ。
年下の女なら簡単に頼めると思ったんかね?ふざけんなっつうの」

姉は珍しくぐちぐち言ってた。
トシの事が気がかりだったけど、
姉が決めた事だから仕方ないなと思い込んだ。
平屋くらい貸しても良かったんじゃ…と、
少し思ったけど。

次の日の昼、チャイムが鳴った。
トシ親子はまた来た。

77:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 17:41:18.32 ID:oLGClRRO0
みよ姉、昨日はあんだけ文句いってたのに、
玄関で二人を追い払わずまたリビングへあげた。

みよ姉「昨日の夜はよく眠れましたか」
トシ父「ええまあ。それで、実家に帰る事になりました」
みよ姉「実家に?という事はトシ君、転校するん?」
トシ「はい」

俺唖然。まじか。まじか。
ずっと「まじか」は脳内をぐるぐるしてた。

トシ父「それでですね…あの、実家が石川なんですよwちょっと遠いんですよね」
みよ姉「そうですね」
トシ父「単刀直入にいうと、お金貸して欲しいんです」

みよ姉絶句。

俺ですら、こんな父親ならいらんわって思った。子供の前で金貸せとかwわろすw

84:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 18:53:37.58 ID:oLGClRRO0
んで、あからさまにトシ父が俺ら子供の方を見だした。

トシ父「子供の前じゃ何なんで…」
みよ姉「私は構いませんよ、子供の前でも。というかもう話し始めたなら一緒ですよ」
トシ父「(無視)一次君、悪いけどトシと一緒に遊んでてくれる?二階で」

子どもに話フるとか、今考えるとずるいよなw
俺はみよ姉の反応を待った。
みよ姉「ここにいなさい、一次」
俺の手を握って、みよ姉は俺の行動を阻止した。
でもトシが立ち上がって、俺を引っ張った。
トシ「行こーや、俺ら居ない方がいいって」
どうしたらいいか迷ったけど、俺はトシを選んだ。

87:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 19:06:07.17 ID:oLGClRRO0
トシと二階の俺の部屋に入った。

俺「転校するん?」
トシ「うん。まだ他の友達には言ってないけど..」
俺「そうか…」
トシ「いろいろありがとな」
俺「こっちこそ。トシのおかげで友達ができた」
トシ「俺は、お前のおかげで辛い思いしなかった。
自分より不幸な人間がいるって大事だな」
俺「…は?」
トシ「トイレ借りるわ」

トシは一階へ降りてった。
はぁ?って感じ。俺不幸じゃねーし
てかそんな目で見てたんだなぁ…
あー、友達だと思ってたのは俺だけか。
俺の勘違いか。

そこまで考えたら、ぼうっとし始めた。
泣いちゃだめだ泣いちゃだめだ、トシが戻ってきたら泣いてるのばれる!
そんなん恥ずかしい、俺が一人で友達出来たと喜んでたなんてな。
考える事をやめた。

そーいやみよ姉どうなったんだろう、
てかトシ戻ってくるの遅くね?
と思い、一階に降りてみた。

88:名も無き被検体774号+:2011/10/22(土) 19:09:51.64 ID:UkOZl8kt0
いやああああああああああああああ

89:いちじ ◆.RK0SmlnEImq :2011/10/22(土) 19:13:51.77 ID:oLGClRRO0
リビングに入ると、トシ父とみよ姉とトシがいた。

俺「あれ、トシ、いたの」
トシ「あーうん、もう帰るから」
俺「そっか。じゃあ…」

トシとトシ父はさっさと帰って行った。
みよ姉は無事だった。

俺「なんか….複雑」
姉「そーやねぇ…ねぇ一次。
トシ君さぁ、….いつ頃トイレ行った?」

そんな変な質問してくるもんだから、
一気に不安になる俺。

俺「二階に上がって、ちょっと経って、かな」

みよ姉はダッシュで鏡台に駆け寄った。

90:名も無き被検体774号+:2011/10/22(土) 19:16:00.21 ID:mSEqxl7I0
うっっっわ・・・・・・・ひでー