僕らは二人ともなんともヘンな感じで、ぎこちなかった。
それでもそんな僕らの後ろを、息子はそれは嬉しそうに
手をパチパチ叩いてついてきた。
「ダディーがマミーを抱っこして『いってらっしゃい』するよ!」
その言葉を聞くなり、僕の胸はきりきりと痛んだ。
寝室からリビングへ、
そして玄関口へと僕は妻を腕に抱いたまま10メートルは歩いただろうか。
妻は目を閉じたまま、そっと
「どうかあの子には離婚のことは言わないで」と耳元でささやいた。
僕は黙ってうなずいた。
でもなぜか、そうしながら心はひどく動揺していた。
続きは次のページにてご覧ください。
コメントを残す