妻が「ガン」であったことさえも。
ジェーンとの情事にうつつをぬかしていた僕は、
妻がこの数ヶ月必死で病魔と戦っていたことに気付きさえしなかったのだ!
妻は分かっていたのだ。
自分がもうじき死ぬことを。
彼女が出してきた「離婚の条件」は僕を責めるものではなく、
僕を救うためのものだったのだ!
自分亡き後、最愛の息子から僕が責められることがないように。
毎朝お母さんを抱き上げて優しく見送るお父さん。
そう、そういう僕を毎朝見ていた息子にとって
僕はまぎれもなく「お母さんに離婚をつきつけたお父さん」ではなく
「お母さんを最後まで愛したお父さん」となったのだ!
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