327:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 20:10:12.67ID:43AH9FWe.net
あっ…(この流れは)
326:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 20:10:09.18ID:gbFyf4I4.net
待ってる側の1年は長いよなぁ…
329:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 20:59:15.97ID:CsbnYZHT.net
おつおつ
パンツ脱いでたけど、読んでたら切なくなってパンツ履いたわ
330:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:22:24.97ID:4YdzrkrO.net
うわーーー辛い
胸が苦しいですおじさん
332:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:29:39.54ID:zOnzGAL0.net
彼女の浮気相手は、あろうことか奥山だった。
あの出発前のパーティの際、二人を引き合わせたことを俺は激しく後悔した。
タイミングとしては奥山の親父さんが亡くなった直後あたりからだったそうだ。
二人とも、寂しかったのだろう。大人になった今は男女のそういう割り切れない
感情を少しは理解できるようになったが、当時の俺はその時、完全に壊れた。
自分にとって世界で一番大切な女が、世界で一番信用していた男に奪われた。
333:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:30:20.29ID:43AH9FWe.net
悲しいなぁ…
335:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:31:44.58ID:zOnzGAL0.net
>>333
今思い出しても泣けてくるぜ☆
334:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:30:50.95ID:zOnzGAL0.net
他の男であれば、まだ許すことが出来たかもしれないのに。
なんでよりによって奥山なんだよ。俺は彼女の神を、心の底から恨んだ。
ちらっと外国で暮らして、すべてをわかったつもりになっていた俺の、ちょっと
調子に乗ったいけすかない精神を崩壊させるには十分すぎるほどの衝撃だった。
もちろん付き合っていたわけではなかったらしい。今でいうセフレみたいなものだ。
彼女は性欲が強く、奔放な性格をしていたから多少の心配は確かにしていた。
年頃の魅力的な女の子を1年も放っておくんだ。可能性だけは視野に入れていたよ。
ちょっと間違いがあっても気にしない事に決めていた。それが俺なりの覚悟だった。
ほんとに、言葉もないというのはそういう時の為の言葉なんだろう。
俺は別れ話もきちんとせずに、彼女を家から追い出した。
奥山に文句を言う気も起きないくらい俺は落ち込んでいた。
受け入れることは絶対にできなかった。悔しくて、情けなくて。人間不信で。
一気にどろどろとした黒い感情が燃え上がり、俺を支配していくのが分かった。
336:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:32:19.37ID:zOnzGAL0.net
その後、彼女と奥山から何回も電話があったが、
俺は声を聴いても無言で受話器を置いた。心は揺らがなかった。悪い意味で。
言い訳なんか聞きたくもない。話し合って解決する気もない。
もう視界に入らないでくれ。そういう気分だった。
アヤコとはその時以来、会っていない。今どうしているかも、全く分からない。
出来れば幸せになっていてくれと願う事しか今の俺にはできない。
ともかく俺は、最愛の彼女と親友をいっぺんに失った。
俺はその後学校をサボりだした。その辺でたむろする女の子を片っ端から引っかけ
とっかえひっかえ遊びまわる、汚れた最低の人間に転落していった。
337:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:34:03.96ID:zOnzGAL0.net
外国を見てきたからこそ出るオーラと、壊れた精神を持つ人間からしか出ないオーラが
混ざり合い、それが言葉は悪いが一種の魅力となって俺を包んでいたのだと思う。
ある意味、人生で最強のモテ期が到来した。
出来るなら、もっと良い状態で出くわしたかったが。
まるで復讐をするように、今まで毛嫌いしていたビッチ共を俺は抱いた。
駅前でたむろしていた小汚いパンクス達ともつながりが出来てしまった。
この頃の俺は、自分の矮小な心をできるだけ汚す為に生きていた。
片っ端からやってはいけない事をする行いの悪さが、そういう奴らには皮肉にもウケた。
得物を使ったケンカ、愛の無いセ●クス、未成年飲酒、かっぱらい、無免許運転。
よく捕まらなかったものだと今は思う。あんなにキレッキレだったのに。
しかし銃を持っている奴がそこらじゅうにいるあの国に比べたら、怖いものはなかった。
実際、死んでも別にかまわないと思ってた。むしろ誰か撃ち殺してくれという心境だ。
元不良の二人の姉も、そんな俺の状況を察したのか、何も言わずにいてくれた。
親だって能天気なもので「そういう時期も人生にはあるよね」というスタンスだった。
あまりの急変に、手が出せなかっただけなのかもしれないが。
338:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:36:12.88ID:zOnzGAL0.net
留学に行ったおかげで、推薦枠でほぼ確実に大学にいけることはわかっていたから
先生も何も言わず、放っておかれた。通信簿には不思議なことに殆ど出席して
いないにもかかわらず、欠席日数ゼロと書かれていた。
俺は、それを見たときこの国の大人は本当にバカだなと、危険な勘違いをしてしまった。
一応、受験のときだけは染めていた髪を戻し、少しだけまともを装ってふるまった。
試験官の大人たちはまんまと騙されてくれ、ある地方都市の大学に俺は合格した。
そういえば、一度だけ、大学に進学する前に奥山と遭遇したことがある。
俺の地域は18になるとみんなこぞって運転免許を取得する。
交通の不便な田舎ならではの光景だ。その自動車学校でのこと。
俺が建物の外へ出ると、あいつはすでに免許を取っていたのだろう。何の用かひとりで
自分で運転する車に乗って駐車場にいた。奥山は見る影もなくガリガリに痩せていた。
俺は無視したが、車の傍らを通り過ぎた時にシンナーの強烈な匂いがした。
今となってはもうどうすることも出来ないが、ひょっとしたらあのときちゃんと
和解していれば…と今でも思い出す事がある。しかし許してやるには俺は若すぎたんだ。
そして、アヤコに言われた通り、頑固すぎた。この部分は今でも治っていない。
鬱展開ですまないが、彼はその後数年たってから、自殺したと聞く。
あいつに何があったんだろう。それはやはりわからないままだ。
339:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:40:23.16ID:zOnzGAL0.net
話は変わって。
パンクス達はクズだったが、ひとつだけいい影響を俺に及ぼした。
音楽や楽器への興味だ。俺はこの時期、ベースを練習し始めた。
シド・ヴィシャスにあこがれちゃったんだよね。恥ずかしい話だが。
大学では一人暮らしの予定だったから、暇つぶしにもいいと思ったんだ。
たいして上手くはならなかったけど。シドもベース弾けなかったからまぁいいかw
大学編も話せばキリがないんだが、このままでは終わりが見えないので、
スピードアップして話すことにする。後で要望があればスピンオフでも
書こうかとは思う。機会があれば。
とにかく新天地への船出だ。いつまでも引きずってばかりはいられない。
俺は一旦すべての想いをリセットし、大学デヴュウをすることに決めた。
簡単にいうと、調子こいた。今思うと、若いって暴風雨みたいなものだよね。
この頃はもう傷を癒す為と理由をつけて、ただモテたいだけだったようにも思う。
大学で、俺は軽音サークルに入った。新入生を集めてバンドも組んだ。
ハイハイ、ありがちだよね。ちゃんと自覚している。反省はしていない。
340:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:41:54.60ID:zOnzGAL0.net
そこで同じ学部の友人もできた。彼も同じく留学の経験があった。国は違ったが
彼はいいとこ育ちで真面目なくせに、完全なるロックマニアで、
俺に色々な時代の音楽を教えてくれた。しょっちゅう一緒に遊んでいた。
いまでは伝説の、第一回フジロックだってこいつと行ったんだよ。
初のフェスだというのに、とんでもない目にあったけれど。今となってはいい思い出さ。
並行して、サークルの先輩関係のつてで、クラブ遊びも覚えた。(踊る方ね)
二年生の頃だったか、そこの店長に気に入られてバイトをすることが決まった。
ひとつ年上でバイト長のバーテンダーとも仲良くなった。彼ともよく飲んだな。
それこそ血を吐くまでさ。2回くらい救急車乗ったもん。イッキのせいで。
一応彼らにも名前をつけておこう。
同じ学校の友人はヨウジ。
黒服はトモさん。
341:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:44:23.18ID:zOnzGAL0.net
この時期友人関係が爆発的に増えるのだが、あくまで中心にいたのはこの二人。
俺の2重生活とも言うべきハードな毎日がこの頃始まる。
二人は気が合わなかったのか、3人で一緒に遊ぶことはあまり無かった。
別々の時間帯に会う、別々の友というところか。まるで二重人格者のように俺はなった。
アヤコと別れた直後ほどではなかったが、俺の遊び癖は完全には治らなかった。
適当にバーに群がる女の子と遊んだり、学校では何人かとぱっとしない恋もした。
でもアヤコに感じたような、体中から吹き上がるような感情はなかった。
まあ、スレちまったんだと思う。恋に恋していたあの時とは違って。
今回は女難の相がテーマだから、この辺は割愛しておく。
俺、荒んだあげくチャラくなっちゃいました。で済んじゃうからねw
印象的だったのは、2人だけかな。
342:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:45:45.01ID:43AH9FWe.net
黒服ってどいつだ?
344:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:46:35.72ID:zOnzGAL0.net
>>342
すまんな。バイト先のバーテンダーの彼だ。
343:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:45:53.05ID:zOnzGAL0.net
一人は俺のバイトしている箱の系列で、夜の蝶のお店の女性。かなりの高級店だ。
たまに人手が足りずに送りみたいな事もやっていたから知り合ったんだ。
お姉ちゃんのおさがりの車を持っていたしね。今思えばずいぶんと利用されたもんだ。
でも彼女達は可愛がってくれたし、飯なんかもよく奢ってくれたから感謝もしている。
彼女の名はヨーコとでもしよう。めんどくさいから源氏名と本名は同じ表記にする。
彼女はとても痩せてはいたが、ショートカットがよく似合う色気のあるタイプだ。
今まで見たことない種類の空気を纏った5つ歳上の彼女に俺はすぐ夢中になった。
なんていうか、端整な顔立ちなのにいつも寂しそうに笑うんだよ。
俺はそんな彼女からもっと明るい表情を引き出すため送るたびにピエロに徹した。
彼女の着ている服やメイクも、とてつもなく大人っぽくてそれも憧れの一端にあった。
コムデギャルソンとか、ジャンポールゴルティエとかを上品に着こなす天才だった。
スレンダーな彼女にはそういうスタイルがよく似合っていた。
クールビューティって言葉がとってもしっくりくる、女性。もう女の子とは呼ばない。
345:1@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 21:48:34.59ID:zOnzGAL0.net
ある寒い時期の送りの日。最後の乗客はヨーコだった。
彼女を送ったら直帰が許されている。車から降ろす時にふいに、彼女が俺に声をかけた。
「ねぇ、あったかいコーヒーでも飲んでいかない?」ついに来た。
彼女の事を狙っていた俺は、本当は飛び上がらんばかりの喜びようだったが、
表面上はあくまで冷静を装って、こう言った。
「…そんなこと言って、いいんですか?オオカミかもしれないですよ?」
「いいわよ。いらっしゃい。」間髪入れず、彼女はにこりともせず言った。
正直彼女の方が一枚も二枚も上手だと思った。
しかしすでにスレ切っていた俺は、据え膳食わぬは…とのこのこついて行った。
それがあんなことになるなんて、この時は思いもしなかったよね。
350:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 22:32:28.05ID:EbYEO72M.net
連ドラ化決定!
351:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/16(火) 23:56:48.97ID:43AH9FWe.net
ホラー
いじめ
熱愛
NTR
ヤリチン
夜遊び←今ここ
353:1@\(^o^)/: 2016/08/17(水) 00:44:10.41ID:MBngfG+d.net
>>351
GJ だいたいそんなとこw
読んでくれてありがとな。
354:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/17(水) 04:46:14.10ID:pP5PCGRe.net
彼女に浮気されると勢いで女遊びするのはどの年代でも同じなのね
22だけどなんか共感出来る部分が多いわ
359:1@\(^o^)/: 2016/08/17(水) 18:14:16.91ID:MBngfG+d.net
>>354
若いなぁいいなぁ。俺もこのころ君より若かったからな。
それに、結局は人間だから世代が変わってもそんなに変わらないと思うぜ
読んでくれてありがとな。