女難の相を持って生まれた俺の半生➡︎幼稚園時代、女の子が急に服を脱ぎ始め・・・

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88:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:10:56.00ID:Z2fvbUs3.net
その日彼女たちは俺の部屋にはもう来なかった。
その後何度か遊びには来ていたけど、俺を一人にしていくことはもうなかった。

その夜ひょっとしたら長女は次女の綾子姉に話してしまったのかもしれない。
しばらく二人にまるで汚いものを見るかのようにガン無視された。
俺は姉が話しかけてくるまで空気の様に振る舞い、
なるべく顔を合わせないようにしていた。

しかし家族だから、そんな緊張は長く続かなかった。
ある日何故か千賀子姉がなめ猫免許証を俺にくれた。
今思うと、不器用な姉なりの和解宣言だったのだと思う。
半奴隷的な状況は変わらなかったが。

その年のお年玉でゲームボーイもなんとか買えた。
何故か最初のソフトが思い出せないが。
姉に取られたおこずかいは、逆に俺が高校生になってから姉の部屋に
侵入してきっちりと回収したよ。あしからず。

89:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:12:09.16ID:Z2fvbUs3.net
俺が小学校の5年生になったころ。軟弱な俺を見かねて急に親父が言い出した。

「空手をやりなさい」

親父は典型的な昭和の親父。波平さんみたいなタイプだったから
言う事は絶対だった。逆らえば容赦なく平手で殴られる。
虐待とかじゃないよ?愛はあった。当時はそんなもんが普通だった。
俺は嫌で嫌でしょうがなかったが、選択肢はないので従った。

しかしやってみると意外と楽しくて、やっていると腹が減って、
飯の量もぐんぐん増え、比例するように背が伸びだした。
淫獣ふたりに襲われた時にはツルツルだったものも、生え出した。
少し活発になってきたのか、友達も出来始めてよく外で遊ぶようになった。
毎日チャリンコで出かけ、河原でヨレヨレになった工口本を発掘したり、
森の中に秘密基地を作ったり、出ると噂の廃屋に入ったら日本人形があって、
それに驚いて逃げ出したり、まぁ世間一般的な少年生活を送っていた。

しかし女子はその年の男の子としてはまぁ普通かもしれないが、やっぱり苦手だった。
なんていうかもちろん興味はあったけれど、怖い部分が大部分を占めてうまく話せな
かったんだ。特に相手が集団となると…ね。

91:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:17:07.62ID:Z2fvbUs3.net
そんな俺でも6年生になった頃、人並みに恋をした。

相手は隣の席になったロングヘアのお嬢様風の女の子で仮に永山さんとしよう。
彼女は成績もよくクラス委員を務めているような、いわゆる才女だった。
いつもレースが付いているような服を着て、どことなく気品があった。
それに比べて俺は、多少元気になり自信もついたけれど成績は偏りが激しく
興味のあることと無いことの差が激しかった。
その上忘れ物が激しく落ち着きがなかったので、しょっちゅう永山さんに
世話になっていた。

消しゴムを借りたり、忘れた教科書を見せてもらったり。
その度に、すごくいい匂いがした。煙草の匂いは混ざってなかったしね。
何度もごめんと謝ったけど、彼女は嫌な顔ひとつ見せずに対応してくれた。
彼女の黒髪は信じられないくらいさらさらしていて、風が吹いて
揺れているだけなのに、俺のちっぽけな心臓はそれを見てはどくんと脈を打った。

93:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:19:47.58ID:Z2fvbUs3.net
しかしそんな彼女の優しさは、長く続かなかった。

95:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:20:52.68ID:Z2fvbUs3.net
俺には初めて淡い恋愛感情というものが芽生え始めたんだけど、そんなのは
とても恐れ多い、告白なんてもってのほかだって思っていた。
こんな俺と彼女が釣り合うわけがないって。
そもそも告白してどうするのかわからなかったし。
あまりに格好悪いから忘れ物を無くそうとしたけども俺はバカだから
なかなか直すこともできずにずるずると世話になっていた。

そんなある日だ。

97:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:22:01.12ID:JhxCHPOa.net
女難うんぬんの話だから…
まさか永山さん…実は…

98:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:29:38.37ID:Z2fvbUs3.net
クラスの男子、どこにでもいるうっとうしいいじめっ子が現れた。
仮に奥山としておこう。それと取り巻きの3~4人。
俺は当時多少大きくなったけれどもスクールカーストは下の方だった。
今思うと奥山は彼女が好きだったんだと思う。

その彼らが俺と彼女をイジり出した。夫婦じゃねーの?とかそんな感じだ。
しかもしつこい。小学生なんてそんなもんだろうけど。
俺を苛めるならまだいい。こんな綺麗で清純な子まで巻き込むなんて
なんて奴らだ。そう思ってはいたが多勢に無勢。もちろん一人でも勝てない。
情けない俺は睨みつけるのが関の山だった。

99:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:39:03.05ID:Z2fvbUs3.net
何日かして、ついに永山さんは泣いてしまった。
完全に俺のせいだ。力が無いってことをこんなに思い知ったのは初めてだった。
最初はぽろぽろと。だんだん激しく彼女は泣きじゃくった。
あんなにツヤがあって、きれいな永山さんの髪を俺は乱してしまった。
しかし不謹慎ではあったがそんな泣いている彼女も俺はきれいだと思った。

同時に、生まれて初めて殺意にも近い憤りと怒りを俺は覚えた。
何のために俺は空手をやってたんだ?こういうやつに負けない為じゃないか。
一年も頑張ったんだ。多少ならやれるだろう。いや、やってやる。
負けてもいい。ぼろぼろにされたっていい。

そう思ってこぶしを握り俺は立ち上がった。

100:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:41:30.95ID:Z2fvbUs3.net
その瞬間だった。

「もぉぉぉおおおおおお!っざけんなよっ!!!!!」

え?何?奥山たちも似たような顔をしてきょとんとしている。
目が点。鳩に豆鉄砲。まさにそんな感じ。

声の主は永山さんだった。

101:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:45:44.21ID:bw8umz/H.net
!!?

102:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:54:12.59ID:Z2fvbUs3.net
俺は自分の耳を疑った。いやクラス中そうだったと思う。
学年でもすべてにおいてトップクラスのお嬢様がそんな声を上げるわけがなかった。

「てめぇら、バカにすんのもたいがいにせえよ?アタシが好きでこんな奴の面倒見てると
思ってんの?私立中学に行くために、先生にいい点数もらうためにきまってんじゃない!?
それに奥村アンタなんなの?おめぇの親、うちの父親に借金してんだろ?
クズの息子は一生クズなんだろ?この酔っぱらいの息子がアタシの前ででかい面
すんじゃねぇぇぇぇっぇっえええええ!!!!!」

そこにいたのは俺の知っている永山さんではなかった。
鬼女とはこういう事かと思った。それ以上に俺は振り上げそうになったこぶしを
どうしていいかわからず、思わず奥山の方を見た。

奥山は、最初びっくりしていたが、そのうちとても悲しそうな顔になった。

103:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:55:46.37ID:tNxCBOL5.net
奥山くん可哀想になってきた

105:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 21:59:36.87ID:NoQbWwUI.net
奥村は奥山の間違い?おつ

107:1@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 22:04:45.16ID:Z2fvbUs3.net
>>105
そうそうWごめんね一気にかいてるから。
間違えちゃった☆

109:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 23:21:29.26ID:EdfjVuwD.net
凄いな

110:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/09(火) 23:37:40.58ID:iOu+8NLC.net
1ほどじゃないけど俺も姉貴が中学の頃ぐれてやられたい放題だったの思い出して悲しくなった。
大人になった今じゃそんなことなかったかのように振る舞ってくるから怖い
母も怖いひとだったせいで未だに女が怖いよ、1がどうやって結婚するまでに至ったのかすごい気になる

111:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 03:05:03.93ID:TYpDn0l8.net
>>110
明日また見てくれ。姉はまた出てくるから。
君にも幸あれ。

112:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 03:08:46.88ID:TYpDn0l8.net
>>みんな

俺は今スゴイ酔っぱらってます。
それもこれも何故か。
たぶん最後に全部わかると思います。
何日かかかると思うけど。
よろしければみなさんお付き合いください。
それでは明日。名無しのみんな読んでくれてありがとうございます。


113:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 14:33:36.93ID:TYpDn0l8.net
少しだけ投下
続き

俺はなんていうのかショックを通り越して血の気が引いてしまった。
怒りなんてここまでくると何の効果もないようだ。
むしろ奥山の事が少し気の毒に思った。

奥山は涙を必死に堪えているようにも見えた。

彼の親は近所でも有名なアル中で、永山さんの実家の会社でなんとか
雇ってもらっているようというのはみんな知っていた。
正直あまりいい噂はなかったが子供である彼が悪いわけではない。
彼女の言うとおり、クズだったのかもしれない。でもさすがに言い過ぎだ。
いくら原因が奥山のイジリにあったとしてもだ。

なんだか俺は、ひどくいたたまれない気持ちになった。
永山さんに対しても、奥山に対しても。

きっと奥山がいじめっ子になったのだって理由があるんだろうし、
永山さんにもいい子でいるためのストレスがあったんだ。
ただなんとなく好きなことだけやってボーっと生きている俺とは違うんだ。

114:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 14:35:47.86ID:TYpDn0l8.net
こんな風になってしまったのは結局は俺が情けないせいなのだ。
世話をかけてしまった俺が悪いし、
奥山のイジリからもっと早く救い出すべきだった。
それなのに怖くて、あんなにきれいな永山さんからあんな言葉を吐かせてしまった。
少なくともその時はそう思った。

それにしてもクラスの他のやつ。奥山の取り巻きでさえ声を出せなかった。
関わっておいて、手に負えなくなったら無視するのってどうなんだろう?
弱いアル中よりもクズなのはそういうヤツラではではないだろうか?

重苦しい空気が教室を包み込む。
誰も言葉を発せないまま空々しくチャイムが鳴る。

俺の初めてのまともな恋は、こともなげに終わった。

それから2学期に席替えがあるまでは地獄だった。
もう気まずくて教科書を借りることもできない。
それに、どうも女子たちが結託して俺と奥山を無視しているようだった。

後で気が付いたが、その中心にいるのは永山さんだった。
本人はもちろん手を下さない。奥山派もそのうち寝返り、俺たち二人に対する
執拗な苛めが始まった。

116:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 14:51:56.34ID:TYpDn0l8.net
グループ分けの際、二人を仲間に入れない。
上履きをトイレに投げ込む。
机が教室の外に出されている。奥山のとふたつ。
誰も話しかけてきてくれない。
教科書がびりびりに破かれる。

こんなことが日常的にあった。もともと俺はひとりでいるのが
好きな子だったから、無視なんかは気楽なもんだったが、
お山の大将から急に最下層に落とされた奥山は俺よりもつらそうに見えた。
風のうわさで聞いたが、奥山の親父も会社をクビになったようだった。
表面上、何かのミスがあったようなことは聞いたが、どう考えても
原因はあの日の出来事にあると思った。

皮肉な話だが、そのうち俺と奥山は友達になった。
他に話す相手がいなかったので、いろんな事を話した。
彼の父親のアル中具合はクビになってからさらにひどくなっているようだった。
生活保護でもらったお金も全部酒とパチ●コに費やしてしまっていたので
ノートも買ってもらえないし、弁当の日には食パンを一斤持って来たりしていた。
俺は自分の文房具を少し多めに買ってもらい、奥山にあげた。
最初彼は固辞したが、こないだの詫びだと言うと、しぶしぶ受け取り
それでもにこっと笑ってかれはありがとうと言ってくれた。

そのあとはにかみながら彼が言った言葉を覚えている

「女って怖いよな」

最初はいじめっ子といじめられっ子の関係であったが、
手の届かない同じ女の子を好きになって仲良く玉砕した、
妙な連帯感のようなものが俺たちにはあった。

117:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 14:55:37.58ID:rF/Zpyk7.net
この頃には忘れ物減ったのかな
文房具やさc

119:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 15:05:50.78ID:TYpDn0l8.net
>>117
教科書をすべてランドセルに入れば忘れないことに気が付いた俺GJ
すげー重かったけど。

120:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 15:11:35.64ID:rF/Zpyk7.net
>>119
忘れ物自分も多くて同じ方法で解決したなあ
今は全部入れることは無くなったけど

122:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 15:21:37.49ID:TYpDn0l8.net
>>120
同志よ

118:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 15:03:56.41ID:TYpDn0l8.net
奥山はそれから俺のうちによく来るようになった。
彼の家には乱暴な酔っぱらいがいるし、ゲームも漫画もなかったから。
時には俺の家族と一緒に夕飯を食う時もあった。
姉二人に挟まれ、真っ赤な顔をしている元いじめっ子はなんだか
今迄のイメージと全く違う、年相応の普通の少年に見えた。

俺は彼に自分の部屋の中の娯楽をすべて提供し、
彼は俺にちょっと悪い娯楽を提供してくれた。

そのままあっというまに俺たちは小学校を卒業した。
最初こそはいじめが気になったが、そのうちどうでもよくなっていた。
奥山は家庭環境こそ大変だったが、よく笑うとてもいいやつだったから。

永山さんは宣言通り私立中学に進学し、それから一度も会っていない。
風のうわさでバツ1になっていることを大人になってから聞いたくらいだ。

中学に入ると、いじめはきれいさっぱりなくなった。
主催者がいないのだからあたりまえだったが。
他の小学校から入ってきた新しい友人もでき始めた。

ただ、一つ重大な問題があった。

121:1@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 15:21:08.50ID:TYpDn0l8.net
中学入学の初日。
入学式を終え、教室に向かうと入り口に白いジャージで竹刀をもった
ゴリラみたいな顔をした体育教師がいた。
これが誇張でないから恐ろしい。当時は本当にいたんだよ。
彼は制服の胸元にある名札を確認しているようだった。
俺が教室に入いろうとすると、ゴリラは激しく反応した。

「おまえがイッチか?」

え?俺?何の用?ゴリラに知り合いはいませんが…

「お前、姉がふたりいるだろう」

え?いますけどそれが何か??バナナ食います?

無言で突っ込んでいると彼は急に俺の髪の毛を乱暴にひっつかみ、
そのまま生徒指導室まで引きずっていった。
なんだよ。姉ちゃんなにやったんだよ。髪の毛抜けるよハゲちゃうよ。

俺はそう思った。

生徒指導室に入るとゴリラは話し始めた。
つまらないので要約することういうこと。

・お前の姉は校則を守ったことがない。二人共だ。
・髪の毛茶色いが、お前も染めてるんだろ?
・どうせそのうちお前も教師を困らせるんだから今のうちにしばいといてやる。
・丸坊主だ。ここで、刈る。

ちょっと意味が分かりません。先生。
確かに茶色いのだけど、それは地毛だった。お姉ちゃんは確かに染めていたが
もとは同じような毛色で、親父からの遺伝だ。

不可抗力だろ?地毛で茶色かったらいちいち黒く染めるのか?
黒く染めるのはいいが、茶色く染めるのはいかんのか?

そういえば前に姉が中学に上がるときにやっぱり問題になって
「地毛証明書」的なものを学校からとってきたというような話を
思い出した。姉ちゃんがグレはじめたのはちょうどその後だったと思う。

123:名も無き被検体774号+@\(^o^)/: 2016/08/10(水) 15:36:42.55ID:rF/Zpyk7.net
地毛証明書って差別だよな
なんか当たり前みたいに行われてるけど