69:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2016/07/20(水) 23:07:12.920ID:zWFG/HB80.net
夕は待ち合わせの時間にちゃんと来た
こういう商売の人は結構ルーズだという先入観からか時間もルーズだと思っていた
俺は時間通りに来た夕を褒めた
夕は「子ども扱いかよ!」とかブーたれていたが満更でもなさそうだった
今日の夕はとてもキャバ嬢とは思えないラフな感じの服装だ
それでいてお洒落な感じ
フリルのがついた白いシャツにだぼだぼのスカートかズボンか分らないようのはいて
半袖のシャツを羽織っていた
今日も夕はかわいい!!
そういえば明るい時間に夕を見るのは始めてだった
驚くのは肌の綺麗さだ
夜の仕事なのに真っ白で凄く綺麗な肌をしている
それは本当に血管が透けて見えるように・・・
でも並んで歩くと夕は背が高い
俺は174cmあるのだが、夕は少しヒールがあるパンプスを履いてるので
俺と同じかちょっと高い
多分170はあるだろうな・・・
まあ男だからね
70:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2016/07/20(水) 23:08:09.474ID:zWFG/HB80.net
夕が土曜日仕事だったので映画の時間は結構ギリギリだった
アナ雪に関しての感想は俺は歌しか印象に残らない映画だと思ったけど
夕は感動して映画館でても、れりごれりご言っていた
しきりに映画の感想を言ってる夕に俺はただ相槌をうっていた
映画が終わってからは少し時間がある
食事はドレスコードのない 少し敷居の低いフレンチを18時に予約していた
時間はまだ2時間近くあった
ここは夕と話がしたくて少し余裕を持たせていた
「お茶でもしようか?」
俺がどこかのお店に入ろうと誘うと
夕は少し歩こうと言った
映画館のクーラーが寒かったからと笑ってそういった
正直ここは街中で歩いて面白いようなところはないし
ショッピングするならどうせクーラー効いてる中に入らないといけないしで・・・
とりあえずそうは思ってもそこに居てもしかたないので適当に外をブラブラしはじめた
夕は紫外線対策といって帽子を被った
そしてかわいい
71:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2016/07/20(水) 23:09:08.449ID:zWFG/HB80.net
ただ歩くとなると夕との距離感にまたこまった
人は多いしかといって雰囲気的にただ並んで歩くのも不自然だった
俺は思い切って夕の手に自分の手をさりげなく合わせてみると
夕はちゃんと手を握ってくれた
お手手つないだー!きたー!
内心こんな感じ顔は真っ赤だと思ったがそれには触れず手を繋ぐのが当たり前のように振舞った
中学生か!!
夕は映画の感想や街の目に付くものを見てはスゲーとか松田さんあれ似合いそうとか
通り縋る人の服を見て俺をコーデしたりしていた
そしてそんな時間も楽しかった
暫く歩いてるとこの都会の真ん中に小さい小さい公園があった
公園のまわりの壁にスプレーで落書きがされてるから夜は絶対きたらいけない系の公園だw
まあまだ日も高いし幸い誰もいなかったのでその公園のベンチで少し休む事にした
俺は近くの自販機で水をかって夕に手渡した
72:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2016/07/20(水) 23:09:55.124ID:zWFG/HB80.net
「ありがとう」
「暑くない?」
「大丈夫よ 最近運動不足だったし丁度良かった」
夕のくったくのない笑顔だった
夕は少し足が痛かったのパンプスを脱いで足をピーンと伸ばした
その格好が猫の伸びみたいで異様に萌えた
「松田さん今日は誘ってくれてありがとう 」
「こちらこそ 遊んでくれてありがとう」
「楽しいよ!」
ふたりで笑った
「どうして俺と遊んでくれるの?」
「どうして?」
「いやー結構急展開でw」
「迷惑だった?」
「いや寧ろ かなり舞い上がってるよ!!」
「ふふ だからだよ!」
「だから?」
「松田さんは私と一緒に居ると楽しいって言ってくれる人だと思ったからかな」
73:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2016/07/20(水) 23:10:33.900ID:zWFG/HB80.net
「めっちゃたのしいよ でもそんな人沢山いるでしょ?」
「そう思う?」
「うん」
「実は私にはそんな人いないのよ」
前から不思議だった夕は性格も良いし美人だ
いくらニューハーフだからと言っても夕が良いという客も居るだろし
キャバ仲間だっているはずだ
何故いつも孤独というか
人と壁をつくるような言い方をするんだろう
俺はそのままの思いを夕に言ってみた
「夕さんは美人だし性格も良いし 絶対モテると思うんだけど!」
「モテるか・・・そうね、誘ってくれる人は結構いるかもね
お友達もいるにはいるのよ・・・。でも私は一度全てをリセットしちゃったから」
「リセット?」
「やめなよ 松田さんキャバのそれもおかまの過去なんて聞いても重いしつまんないよ」
確かに夕はなにか心の闇がありそうだ
そんなの聞いて俺になにができる?てか聞きたくないこと聞くかもしれんぞ
でも夕の事を知りたかった
それに夕もなんか言いたそう・・・2chでいう自分語りをしたそうだった
74:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2016/07/20(水) 23:11:35.820ID:zWFG/HB80.net
「ショック受けるかもしれないけど聞いてみようかな・・・・」
「ショック? そっか。松田さんショックかもね」
(え?やっぱりやめようかな・・・)
でも時既に遅し夕は語り始めた
「前に今の店に来る前にニューハーフの専門のお店にいたっていったでしょ?」
「うん」
「あそこで私はかなり粗末な扱いを受けていたの まずね 私はニューハーフだけどゲイじゃないの」
(つまり。。。ノンケ!!!なのか・・)
「女の子が好きなの?」
「ううん、そうじゃなくてね どっちも恋愛対象になるわ」
「所謂バイセクシャルというやつですか?」
「ううん 正確にはパンセクシャルね」
「パンセクシャル?それって・・・」
「簡単にいえば人類なら全て愛せる対象という事よ」
「はぁ・・・」
(帰ったらググろう)
75:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2016/07/20(水) 23:12:32.649ID:zWFG/HB80.net
「私は小さい頃から母親に女として育てられてたの、父親はいなかったわ
普通自分の息子がこんなになったら親は悲しむだろうけど、うちはちがったの母親がどうしても女の子が欲しかったから凄く喜んだわ保育所に行くまでみんな私を女の子と思っていたからね」
「母親は悲しんだけど小学生から普通に男の子の格好をしていたわ 色々問題もあって虐待も疑われていたのよ
私は別にどちらでもよかったのよ でも女の子の格好の方が母親が喜んでくれるから家では女の子 学校では男の子だったの」
好きになった人は女の子だったり男の子だったり色々よ
高校を卒業した時に自分にけじめをつける為に女性ホルモンを打ち始めたの
それからはずっとこんな感じね・
ちなみに女性ホルモン以外は何もしてないわ 声もメラニー法だけよ」
「メラニー法?」
「まあ簡単に言うと女性の声の発声法よ 元々高い声だったのでそんなに苦労はしてないの」
(色々あるんだな ググろう)
76:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2016/07/20(水) 23:14:05.638ID:zWFG/HB80.net
「それで前のお店でって話は?」
「うん。ここから結構重いんだけどね 実は前のお店で私は風俗嬢みたいな事もさせられてたのよ」
(一瞬で重すぎた)
「ニューハーフって元は男だから男の生理現象わかるだろ?みたいな感じでお客さんは結構乱暴に扱うの。
お店も暗黙の了解で奥の部屋で処理させられてたわ」
(もう結構きつい・・・)
「その時私はそのお店の店長と付き合ってたのだけど結構歳が離れていたわね。ある時、その彼がニューハーフ向けのAVにでないか?って話をしてきたのよ。流石に泣いたわ
結局彼も私をちゃんと人として愛してなかったんだなって、馬鹿だよね。風俗嬢みたいな事黙認されてる時点で愛なんてなかったのに・・・」
「その後 彼と揉めてその店を辞めようとしたのだけど色々なしがらみで辞められなかったのを
間に入って辞めさせて見受けまでしてくれたのが今のママなの。
ママは私に好きにしたら良いって言ってくれてるの
もう1年半ぐらい前ね、ちなみにその半年ぐらいずっとママの事が好きだったわ」
母親には水商売してる事は言ってるけどあまり良い顔はしないわね
普段は仲はいいのだけど、ママはその点全てに心が広くて今も愛してるけど恋愛感情ではないわね」