白髪の紳士「女の子にこんなことさせて申し訳ない」➡︎数ヶ月後、ホテルで偶然に紳士と再会した結果・・・

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200: ◆bN5NHW/.U6 2012/01/16(月) 13:27:57.40 ID:6UK3llfl0
「これはどうしたの」 
おじさまがにこやかに訊ねる。 「A君が作って下さったんですよ」 「ほう、幼稚園の頃から手先は器用だと思っていたけれど…これはすごい完成度じゃないか?」 おじさまが目を丸くしてプレートを眺める。 「ただ勉強の気分転換に既製品をボンドで繋ぎ合わせただけだよ、父さんならうさぎごと作っちゃうだろうけど…」 A君が恥ずかしそうに説明する。

 

201: ◆bN5NHW/.U6 2012/01/16(月) 13:42:45.30 ID:6UK3llfl0

身近なトナカイからのプレゼントも鞄にしまって帰路へ就いた。 

電車のなかでデジャブだ、と考えた。 

アロマの時も、今も。 
戴いたのは 物だけじゃない。 

デートであろう、寄り添う周りのカップルを見渡して財布に視線を落とす。 

こんなに温かくて不思議な気持ちになったことは今までたったの一度もない。 

大切にされている実感というのだろうか。 

血の繋がらない「他人」を「家族同然」だなんて。 
この見えない信頼関係を絶対に壊したくない。 

あの親子と会長には自分なりに一所懸命に尽くしていこう。 

武士ってこんな忠誠心だったのかも、いや比べ物にならないか、とのんきに考えていたら、乗り過ごしてしまった。

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