白髪の紳士「女の子にこんなことさせて申し訳ない」➡︎数ヶ月後、ホテルで偶然に紳士と再会した結果・・・

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82: ◆bN5NHW/.U6 2012/01/14(土) 22:38:55.94 ID:lGcH2YLK0

倒れて以来、自己嫌悪が脳内で犇めくようになった。 

もう全て投げ出したい。 
何もかもを捨てて旅でもできたら、と憧れを抱くようになった。 

一週間も経たない内に、会長から書類が沢山送られてきた。 

文章とは、小説だったり、エッセイだったり、論文だったりとジャンルはバラバラだった。 

共通して、あまり文章量が多くないことに気付いたのは、それらを一週間余りで訳し終えた時だった。

 

やりきった後の達成感は私を元気付けた。 

データを送ると、秘書の方から 
「会長が非常に喜んでいらっしゃいました」と連絡がきた。 

宗教のおばさんに言われた、 
「あなたはなにも出来ない」 
その言葉がずっと心に残っていたらしい。 

私でも誰かの役に立ったじゃないか。 
もう少し頑張ってみよう。 
単純だけど心からそう思えた。

 

会長からの給料は相変わらず破格で、何だか済まない気持ちだった。 
その後、お陰で免許を取ることが出来た。 それから少し経った頃。 
樹木の葉は紅く変化し始めただろうか。 「先生、父が倒れたんです」 
「こんな時間に非常識なのは承知しています、すみません」 深夜にA君からの連絡を受けた。

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