朝5時起床、眠そうなスミーにはすまないが、この時間なら170km行けそうだ。素早くシャワーを済ませて6時にチェックアウトをする。
スミーがホテル代支払うと言ってきた。素泊りとは言え、2日2人で約20000円を払ってもらうのは申し訳ないが、ここまで費用が俺負担だったからと譲らない。
外に出て、今日はヘビーでロングになると真面目に予定を伝える。それが伝わったのか真顔で頷いた。
おそらくMTBの自分よりもロードに乗っているスミーの方が速いだろうが、極力重めの荷物を自分が預かり、軽量な物を頼む。
普段靴で乗れるビンディングペダルではあったのでスニーカーで漕いできたが、今日だけは流石にビンディング対応のサンダルに履き替えて挑む。
そしてスタート、道中最大の難所に挑んだ。上川までを自分が先導。会話も無くひたすら走る。
少しずつ登坂し始めるが、大きくペースを落とさずに何とか10時前に上川駅近くに辿り着いた。ここまでは予定通り。
問題は上川から北見まで約120km,距離自体は問題ない。問題なのは標高1000mをこえる石北峠だ。
最悪の場合を考え、上りの平均速度は7km/h、下りの平均速度はスミー次第だから計算は微妙で…途中留辺蕊(るべしべ)から北見までを平均15km/hとして…。
考えるのも面倒くさい。もう上り下りの平均速度15kmで計算で全部15km/h計算でいい。これならだいたい10時間!夕方にはつくんじゃないか!?
先導をスミーに切り替え、ギアを落としてひたすら付いていく。自分一人だと休みがちになってしまうが、パートナーが居ると意地でもついていくしかない為、自然と気合が入る。
だが、徐々にスミーのペースが落ち始める。勿論自分の疲労もなかなか大きい。
途中何度もライダーからピースサインや声援を貰いながら踏ん張り続け、標高の中間目安である銀河の滝を眺めながら一休み。流石に重量積載はキツい。
滝を眺めながら特に会話もなく10分ほど休憩をし、ストレッチをして再びアタックを始める。暑くはないが汗が止まらない。水の消費は激しく、各自の残りは半分程になっていた。
呼吸音と地面の音、風の音を感じながら走り続けるていると大雪山のダムが見えた。残り標高は200mも無い。スミーのペースが更に落ち始めたので声をかける。
「スミー、Are you fine?」
返事が無い。スミーを止めて休憩を挟む。今何処にいて、あとどれだけ走ればいいのかわからないと言う精神的負担は体力の消耗が激しくなる。
地図を広げ、カロリーメイトを食べながら現在地と頂上を指し示すが反応がイマイチ。
( ´Д`)
表情もイマイチ
「スミー、Why did you watch せくしーむーびー?」
(´Д`)
(´Д`)
(゜Д゜)
あ、いい顔だ。でも足をパシパシ叩かないで下さい。ちょっと痛いです。
「Let’s go.Here is near the top. 」
自分を先導にして石北峠の頂上を目指す。スミーも会話で少し元気が出たのかしっかり後をついてくる。その甲斐あって3時過ぎに頂上の休憩所と言うか簡易ドライブイン的な場所に辿り着いた。
北見方面に広がる景色を見てスミーが微妙にはしゃいでいる。自分も思わずガッツポーズ。
残り区間、4時間もあれば北見でゆっくり出来るはず。小休憩をしてスミーを先に下る事にする。
スミーの下りは上手く、そして速かった。決して路面状況が良いわけでもないが、確実に危なげなく的確に曲がって行く。
自分もその後ろを安心して付いていく。重量積載をしていたが、シマノ製の油圧ディスクをつけてあた事もあり、安心して下る事が出来た。
留辺蕊に入り、2人縦列に20km/hペースに速度を下げながらも好調に走る。北見にある無料キャンプ場に入る頃でも夕日に余裕があった。
余裕はあったんだ…。でもシャワーが無かったんだ…。
と言う訳で黒いゴミ袋に水を10Lくらい汲んで、外に放置。
その間にスミーの2~3人用テントの設営をして、次いで自分用一人テントを組み上げる。
明るい内に明日の予定確認をして、小型鍋と固形燃料でインスタント食品を食べる。
さてシャワーを浴びることにしよう。
固形燃料の火で10得ナイフみたいな工具にあるコンパスの針のような奴を加熱し、2リットルボトルの下に穴を幾つかあける。
あけたら外からティッシュを挟みガッチリとガムテで固定。これを2個作る。
それに黒いゴミ袋から温くなった水を入れて一人用のテント内に吊るす。
スミー、シャワー。
Σ(゜∀゜ノ)ノ
ヽ(=´▽`=)ノ
まぁ汗を流すだけなら充分。スミーが出た後、もう一度お湯入れをして自分も頭と身体を軽く流す。シーブリーズを塗り、これでかなりマシになっただろう。
テントを斜めにしてドバーッと放水して、残りの水で中を洗い再度放水。拭いて乾かせば寝られる。
と言うか寝たい。
ゴシゴシとテントの水分を拭き取り、風を通して乾かしているとスミーが
(・ω・)いん まい てんと
と言ってくれたので、素直に言葉に甘える事にした。
スミーのテントの隅に銀マットを敷いてナップザックを置き、それを枕に大き目のバスタオルをかけて横になる。テントの向こうから色々な虫の声と、他のテントの会話みたいなものが聞こえてくる。
スミーは
(*´∀`*)
よくわからないがニコニコしている。そういえば旅を初めて初のテント設営だ。真新しいテントを見る限り、初めてのキャンプなのかもしれない。
ゴロリゴロリと寝返りをしたり、起き上がって外を見てみたり。なんとなく昔の自分もそうだった事を思い出した。
(((・ω・)っ
背中をツンツンして来る。
遊びたいのはわかるが、寝ないと明日が辛いので寝た振りをする事に。
…くぅーっと腹の鳴った音が聞こえて笑ってしまった。バックからカロリーメイトを取り出し、渡す。
「I’m verrrry tired.I have to sleep today」
(*´ч`*)←めっちゃ食べてる。多分ちゃんと聞いてない。
うん、さっさと寝よう。そう思い、初日に聞いた眠いを意味する「ぬくったー」と言って寝た。
スミーも「ぬくったー」
4日目終了。
5日目朝、疲れが酷かったが目覚める。スミーにタオルを奪われていて凄まじく寒かった。
微妙な曇り空。
外を見るとなかなか寒い。他のテントは寒さに負けて起きたのか、かなりの数が撤収していた。
スミーも起床。ボサボサの髪ではあるが、メットをかぶればわからないし、スミーは髪を纏めているので問題なさそうだ。
テントを回収し、今日の予定を伝える。
「We go to spa,after that,go to 網走 lake side.About 50km.」
(・∀・)
温泉と聞いていい笑顔を見せる。まぁ温泉行きたいと言っていたくらいだから嬉しいのだろう。かなり無茶したし。
国道39号へとルートを戻し、北見市街を走り、市外にある温泉迄先導する。信号待ち等で横に並ぶたびになかなか良い表情を見せてくれた。
温泉到着。ふと気になったので聞いてみる。
「Body in tatoo?」
ふる(・ω・`三´・ω・)ふる
「Have you ever been to Japan’s spa?」
(`・ω・´)Yes
じゃあ大丈夫か、という事で風呂道具を出して入湯する事にした。一応小樽で外国人が入浴拒否された問題を考えて受付に「彼女日本語話せませんが、刺青的な物は無いですし、日本の温泉経験者です」と伝えておく。
特に何も問題なく温泉に入れた。
一時間経っても出て来ない。
少し恥ずかしいが、出てきた女性に聞いてみると、露天風呂とサウナを超満喫しているらしいことがわかった。
結局2時間入っていた。
取り敢えず風呂には欠かせない牛乳を飲み、再びゆるゆる走り始める。
途中のホームセンターで小さな七輪と炭、網と発泡スチロール製の容器を買う。採暖も料理も出来る最高のグッズだ。
ちょっと走って女満別空港のあたりをグルグル走り、コンビニで昼食。見つけたスーパーで野菜と肉などをテキトーに買い、粉ポカリや2リットル飲料を購入。
スミーはお酒を選んでいた。
買った肉は発泡スチロール製容器に氷と一緒に入れ、網走湖畔の無料キャンプ場へ向かう。
時間が早かったこともあり、まだ混んでおらず、炊事場にそれ程遠くない湖畔にスミーのテントを張った。次いで自分のテントを張ろうとするが、スミーが自分のテントを指差す。
なんかもう面倒なので今日もお邪魔することにした。
テントの前で七輪に炭を入れ、少しずつ炭を足して火力を増やしていく。スミーが落ちていた木の枝を燃やす。煙が酷い。
煙が落ち着いたので網を置き、豚肉の脂身をこするようにして網に馴染ませて張り付きにくいようにする。
固形燃料の方ではお湯を沸かし、コンソメを溶かし、ベーコンとキャベツを投下。軽く煮込む。
準備は出来た。
肉と野菜を載せて次々に焼く。スープは白い発泡スチロール製のお椀に入れる。おにぎりを食べる。時々おにぎりも焼く。黄金のタレ最高!
一通り食べて、最後に焼き鳥を載せて弱火で焼く。スミーはカクテルみたいなやつをチビチビと楽しそうに飲んで焼いていた。
メイン食が終わったのでアルミで包んだじゃがいもを載せ、鍋を洗ったり、ゴミを分別して潰したりして処分。
スミーはテントの中で日記みたいのを書いていた。読めないけど。
何となくテントの外で芋をコロコロと返しているとスミーも外に出てきて芋コロコロをやりたいと手を伸ばしてくる。
(`・ω・´)つー○
遠くの方でライダー達が盛り上がっていたが、個人的には風に煽られ小さな波を作る湖水を見ている方が気分に合っていた。
知床満喫するには出来ればウトロまで行きたい…しかし、この辺りは宿の数に対して宿泊希望者が多く、予約が埋まっている可能性が高い。値段も安くないし。
途中にあるライダーハウスは一箇所知っているが、女性は専用部屋になってしまう。人見知りっぽいスミーは大丈夫だろうか。
しかしウトロ近辺にテントを張るのはヒグマが出現した場合を考えると避けたい。
地図を広げて、ノートに略図と距離を書いて3つの案を説明する。
(´・×・`)
多分旅の中で1番頭を使っている姿を見ることが出来た。なかなか決まらない。
仕方が無いのでチャリダーとして1番恥ずかしい最後の選択肢をそれとなく提案。レンタカーである。
(・∀・)
明らかに反応が変わる。自転車で向かえば1~2ヶ所しか観光が出来ないが、車であれば安全な上、地図にマークした多くの温泉と観光名所が楽しめる。
逆の立場で考えれば、海外旅行で名所を1日一ヶ所しか見られないのと複数見られるのでは後者を選ぶようなもの。
(*´∀`*)
超ニコニコ、ワクワクしている顔だ。想定していなかったんだろうな。
車であれば色々行動の幅が広がる。ノートに距離、必要時間等を書き込んで行き、観光したい所を聞いていく。
(・∀・)おーる
「All ?」
(*´ω`*)おーる
1日で全部は不可能だと伝える。
(*・ε・*)
2日であればある程度は見られると伝える。
(*´∀`*)
車中泊入れて48時間レンタルか。ここ迄来たら最後までとことん楽しんでもらう事にした。
(´・ωゞ)ぬくったー
眠いらしいのでライトを消す。スミーはすぐ寝息をたて始めた。
スミーは一日でかなり長距離を移動出来るが、疲労回復が早くはないようだ。
自分も横になる。なかなか寝付けないので水辺に行ってみたり、余熱でお湯を沸かして粉ポカリを溶かして飲んだり。
数時間ボーッとしたあとテントに戻り、バスタオルをかけて自分も寝る。
5日目が終わった。
6日目起床。人の足を枕にして寝ていたスミーを起こす。七輪の余熱で作っておいた芋に塩を振って食べ、テントを畳む。
歯を磨いていると女性ライダーに話しかけられた。外国人と日本人の組み合わせは珍しいから声を掛けてみたと。
同じく歯を磨いているスミーは徐々に離れていく。ライダーを怪しい人だと思ったのか、或いは単に人見知りなのかはわからない。
こんな性格で良く旅をする気になったな。
女性ライダーさんは連泊するらしく、バーベキューしたいなーと言っていたので、七輪と余った炭などを引き取ってもらった。あとカムイワッカの車両規制情報を貰う。
自転車に荷物を載せ、ライダーに別れを告げて出発。そのまま網走駅近くにあるホテルに寄り、明日の空室を確認し、そのまま朝食だけのプランで予約。
2日ほど自転車を置かせてもらえる事になった。
宿の手配が済んだので、開店したてのレンタカー屋に行く。一番安い軽自動車に空きがあると言われたのでその場で手続き。48時間で借りる。
(*・ε・*)
退屈なのか少しご機嫌斜めだったが、車の傷点検を終えて車に乗ると
(・∀・)
こんな顔。ワクワクしているのがわかる。今日は知床巡りだ。
今年も行ったが、チャリダーは皆キツそうな顔してたわ
チャリダー泣かせが多いですよねぇ…平坦だったり見通しの良い道が多いだけに。
で、気づいた。
「Do you have a swimwear?」
(´ω`≡´ω`)
野湯無理じゃん…先ずは水着買いか。
水着を買いに何件か見て回るが、品数が少ない。結局何故かスポーツ用を買っていた。高いのか安いのかわからないが。
そのまま出費。小清水原生花園を覗き、斜里を通り、ウトロへ。オロンコ岩を眺めながらお昼のコンビニ飯を食べる。スミーはカレーを美味しそうに食べていた。
ふと自分の弁当にあるカツを2切れほどスミーのカレーに入れてみた。
(*・д・)
∑(゜Д゜ )
カツカレーの美味さを知ったらしく、良い反応だった。
目的地であるカムイワッカへはバスでしか行けなくなっている為、知床五湖は後で見る事にしてバスに乗り込む。
ゴトゴトと悪路をバスが進む。そんな中でスミーは窓の外の景色を見ていた。
自分も外の景色を見ていた。
近くの50代と思われる女性達から漂う香水で吐き気が止まらなかっただけである。何故妙齢の方がつける香水は臭いのだろうか。
40分ほど乗った地獄のバスから降り、ちょっと歩いて川そばの脱衣場へ向かう。水着にシャツを着て、草鞋(わらじ)をレンタルして川へ向かう。
沢登りは危ないので持って来たメットを被り、川の中を歩く。
沢登りを暫くしていると、先程の香水女性が見事に足を滑らせて川の深みに腰から落ちるのが見えた。その際に肩を引っ張られた人も落ちた。
「This is non slip safety shoes.」
目の前の惨事を見てスミーも納得したようだ。草履は滑り難い。
極力安全そうなルートを選択し、時折スミーを引き上げたりしながら上へ進むと既に入湯者がいる滝壺が見えてくる。
だがその横を通り、熱々の湧き出るお湯を越えたりしながら更に上へ。更に凄い滝壺の温泉がそこにはあるからだ。
登り切ると上の滝壺には幸い誰もいない。上着をバッグと一緒に近くに置き、下の人の迷惑にならないようお湯を汲んで隅に行き局部を洗い流す。
どっぼん
振り返るとスミーが上着を脱いで入って泳いでいた。というか泳がないと沈む深さなんだけど。
自分も滝壺に腰掛け、ゆっくり入る。
(σ’д`)
スミーが舌を出して何かを言って来る。多分超酸っぱいんですけど!的な事だろう。実際ここは金属が直ぐ変色する程に強力な酸性温泉だ。
暫くぷかぷか浮かんでいるとスミーがお湯をかけてきた。凄く良い笑顔をしていたと思う。目に入ってムスカみたいになってわからないが。
今年の予定では羅臼温泉野営場でキャンプしようかと思っていたのだが
それを道の駅で斜里の人に話した
「あそこって熊大丈夫ですかね?(大丈夫だと言う返答を期待)」
『出るよ(即答)』
よしやめた、もうちょい先に行こう
ヨタヨタとバックに行き、ボトルの水で目を洗う。少しずつ回復。泳ぐスミーの写真を何枚か撮って再び足だけ浸かる。
スミーは滝壺の縁に肘を置き、バタ足みたいな事をしていた。スポーツ水着の背中は大きく開いていて綺麗な背中が見えた。
満足したのか、身体をタオルで拭き、シャツを上に着て来た道を戻る。
正直下りは登りの数段危ないため、段差が大きいところは下から支え、ゆっくり降りてもらう。
チーム香水50代は石に座りながら何か話していた。上に何があるの?と聞かれたので、深い滝壺があるけれど危ない事を伝える。
出発地点に戻り、草履を返却して更衣室で着替えてバスを待つ。チーム香水50代は上を目指したのかその後会うことはなかった。
車に戻って来たのは5時近く、知床五湖に再び向かうのは時間的に観光不可なのでオープンしたてである川湯温泉の足湯へ向かう。
7時前に着き、硫黄泉の香りを満喫しながら足元パチャパチャしていた。
たまーに軽く足をぶつけてくる。足をひょいと掴んで足の裏をくすぐってみたら
⊂(*・ε・*)
肩を叩かれた。不条理だ。
足を拭き、おにぎりを食べながら砂湯温泉へと向かう。車を停め、折り畳みスコップ(野糞や食べ残しを埋める用)を取り出して砂を掘る。お湯が出て来た。
(*´ω`*)
シャベルを奪われたので手で掘る。凄く熱い。結局大きく掘ることは難しく、足湯をすることも無いまま埋めた。
そして近くにある和琴温泉へと向かう。車を停め、他に人がいない事を確認して簡易的な脱衣場へ。
懐中電灯を片手に池みたいな温泉に入る。スミーは最初足を入れているだけだったが、結局水着に着替えて入って来た。
半身浴みたいな状態でのんびり。
明日が知床旅の折り返しになる日だな、等と思っていると、林というか藪がガサガサと音を立てる。
何かが移動している音だが、狐位のサイズっぽいのでそのまま入っていようと思ったが、スミーが怖がっていたので上がることにした。
車に戻り、北海道に来たら行っておきたい場所の一つである中標津へ向かう。
ナビが無かったこと、標識がなかなか見つからなかった事もあり、結局11時頃に公園の駐車場に車を停め、シートを倒して車中泊。
スミーも同じ様にして横になる。
時折通過する車の音が聞こえる以外はシーンと静まる車内。窓から見える空を眺めながら色々と考えていたが、考えるのをやめた。
静かな夜だった。
6日目終了。
七日目の朝が始まる。
薄明るくなってきて目覚める。若干髪がモサモサしているが、急いで車を開陽台へと向かわせる。
今日は意外にスパッと目覚めたスミーだが、車を降りて歩き出す自分の隣を歩いているうちにここに来た目的に気付いたらしい。
自分達以外にもカップルライダーが来た。北海道の海沿いを一周する予定らしい。今日は昔付き合うきっかけになったここに寄り道して、また海沿いを走るそうだ。
同じ事する奴っているもんだな
ちゃんと日々のことの残してたり準備してあったり
完全に自分の上位互換だけど
自分のは日記とか適当だったから前後あやふやだったりしてココまで細かくかけねーわ
でも地図やyoutubeの道路動画を見ていると色々思い出しますよ!
快晴とは言えなかったが、地平線からの日の出を見ることが出来た。百聞は一見に如かず。地球の丸さを実感出来る事は中々無く、ちょっとした感動もある。
スミーの髪の毛が太陽で綺麗な色を見せる。ボーッと眺めていると
隣でカップルライダーがプロポーズしていて驚いた。
七日目の朝は驚きの中で始まった!
凄いぞ試される大地!
カップルにおめでとうございます!と伝えて祝福。スミーに説明すると感動して泣きながら何か言ってた。フィンランド語がわからないから訳せなかったけど、カップルは嬉しそうだった。
帰りにうちに遊びに来てください、と告げ連絡先を教える。
カップルライダーは手を振りながら去っていった。
駐車場に戻り、今日の予定を確認。
ノートの略図を見ながら温泉巡りと湖巡りと食べ物巡り、どれが良いか尋ねると温泉と食べ物で悩んでから温泉と答えた。
悩む位なら少し無理してでも両方行く事にした。
ルートを地図で確認し、釧路の市場へと向かう。そこには米の入った丼に、市場にある好きなものを載せて食べるという夢の様な丼があると言う。
カップルライダーから聞いていた場所だ。
市場が開いて直ぐに到着。白米の入った丼を持ち、お金を払いながら具材を載せて丼を完成させて行く。スミーも最初は真似して同じ物を載せていたが、最終的にカニと海老まみれの丼を完成させていた。
これ凄いうまい。本当にうまい。スミーも箸を不器用ながらも一生懸命つかいながら食べていた。
自分も味わって食べているつもりでいたが、あっという間に無くなった。
今日泊まる予約をした網走の宿へ連絡、無理を承知で朝食のみプランから2食プランに変更出来るか尋ねてみると快く受けて下さった。
ついでにカニとエビを多めに出来るかも聞いてみたら、追加料金で対応して貰える事に。
(*´~`*)??”??”??”??”
スミーはまだ丼を幸せそうに食べていた。
せっかくの釧路なので湿原の観光を提案してみたが、やはり温泉が良いと言うので来た道を戻り養老牛温泉へと向かう。ここに温泉大好き人間である自分イチオシの温泉宿がある。
というかmy best spa と書いていたのが気になったらしい。
ちょっと高そうな外観の宿につき、入湯料を払ってタオルを貰う。
内湯は勿論、直ぐ前を川が流れる絶景露天風呂が複数あり、有無を言わさず旅好き温泉好きを納得させてしまう。
頭と身体を綺麗に洗い、内湯と露天風呂を行き来して一時間ほど楽しむ。
着替えてフロント近くのソファーでうたた寝したり新聞を読んだり。スミーも満喫したのかホカホカしながら出て来た。