まだ気変りがあるかもしれないから、とりあえず触れない。そんな感じで、先送りになって。
俺が手を出せる事じゃなくて。その力も無くて。情けなくて。浮ついていた気持ちも吹き飛んで。
彼女が毎日、俺の部屋に来るのは変わらなかったけど、一緒にいても空気重くて。
会話しててもぎこちなくて。謝っていいのか、それも解らなくて。部屋に居づらくて。
なのに家帰った時、彼女が来てくれると安心して。そんな日が続いて。
でも帰った時、通路にいた彼女が普通に「お帰りなさい。」そう言ってくれて。
何日かぶりの事で。俺もなんとか「ただいま。」言えて。笑ってくれて。
一緒に部屋入って。定位置にいつも通り座って。それでやっと、重さが少し散った気がした。
家の事は彼女が置かれている現実で。多分、色々と考える事が多い時期で。
あの時はまだ、俺みたいな他人に踏み込まれるのは嫌だったんだと思う。
明確に一線を引かれて。その事に関してはそれ以上、知る事も拒否された感じで。
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