学校 (月)(6/29)女「うぅ、負けちゃった」
女友「やった!」
女「今月も勝てると思ったのになぁ」
女友「連敗は避けたかったからね」
女「で、何でしょうか」
女友「罰ゲームは一回も話したことない人に告白!」
女「えぇ…罰ゲームで告白…?」
女友「負けたんだからしょうがないでしょ」
女「うーん。他の人巻き込むタイプのはやめようよ」
女友「いやだ。バンジージャンプの借りはこうでもしなきゃ返せない」
女「でも…」
女友「言い訳無用。誰かひとりくらいいるんでしょ」
女「…………あの人、かなぁ」ジー
女友「(ここで男君を引き当てるとは…)」
なかよしこ女子
期待
女友「あぁ男君ね」女友「ってことで放課後にレッツゴー」
女「え、今日?」
女友「善は急げって言うでしょ?」ニヤニヤ
女「ひいき目に見ても善じゃないよ」
女友「(噂で聞いてたけど男君ってたしか)」
女友「(この子のこと好きだって言ってたよね)」
女友「あいつのこと正直どー思う?」
女「わざわざ聞かないでよ」
女友「暗くて冴えなくて、生理的に無理でもある?」
女「……言ってないよそんなこと」
女「それに、普通に振られるかもしれないし」
女友「んじゃ、振られたらそれで罰ゲーム終わりにしてあげる」
女「…わかった」
女友「(ま、振られるわけないけど)」
放課後男「zzz」
女「寝てる…」
女「ね、ねぇ」
男「……ん」ゴシゴシ
男「!」
男「(ひょえ!天使!)」
男「(近くで見てもかわいい!)」
男「お、俺…?」キョロキョロ
女「(あ、名前…名前なんだっけ…)」
女「き、君しかいないよ」
男「あ、そ、そうだな」
男「それで、女さんが何用…?」
女「…………私と付き合ってほしいなー、なんて」
wktk
胸糞注意報
男「(こ、告白告白告白された!)」男「え、なに、え、どゆこと」
女「はやく」
男「?」
女「返事!」
男「ひっ…」ビクッ
女「……」
男「お、俺なんかでよければ…」
男「え、えっと、こちらこそよろしくお願いします!!!」
女「返事がうるさいなぁ」
男「ご、ごめんなひゃい」
女「(…びくびくしすぎじゃない?)」
女友「私が何回バンジージャンプ飛ばされたか覚えてる?」女「え、えーと3回くらい…だっけ?」
女友「32回」
女「……はは」
女友「32回」
女「……」
女友「普通に飛んでたら貯金全部飛んでくよ」
女「女友ちゃんうまい!」
女友「チッ」
女「!」
女友「まぁあんたにフリーパス買ってもらってたから私はいいんだけど」
女「一日飛び放題券は格安だったね」
女友「……」イラッ
女友「飛んだ合計距離わかる?スカイツリー超えよ」
女「あ、気付いたんだ。そこちょうど狙ってたんだ」
日付の表現方法斬新だな
女友「(こいつ…)」女友「最低5回はデートすること」
女「えぇ…そっちの条件もあるの?」
女友「……ふーん」カタカタ
女「…………」
女友「…………」カタカタ
女「お、女友ちゃん……キーボード打つ音しか聞こえないけど」
女友「エベレストの高さが8848mで日本一のバンジーがこの高さだから…」
女「(恐ろしい想像してる!)」
女「やります」
女友「え、何が?89回飛んでくれるだけでもいいんだけど…」
女「デート5回させていただきます」
女友「よろしい。最低だから増やしてもいいよ」
女「(最低って…)」
女「(増やすわけないのに…)」
ではお言葉に甘えて
女友「罰ゲームってバレたらもっかい違う罰受けてもらうから」女「……う、うん」
女友「よろしい。じゃおやすみ」
女「……おやすみ」
ガチャ
女「5回もデートなんて…」
女「でも違う罰は嫌だし…」
女「がんばって演技しなきゃ」
女「…………」
女「…………」
女「スカイツリーはやりすぎたかな」
女「通天閣くらいにしておけば…」
バンジーワロタ
男宅男「聞いてくれよ」
妹「?」
男「今日さ!」
男「聞いてくれよ!」
妹「いや聞いてるよ」
男「うひょー」
妹「え?」
男「とりあえず聞いてくれよ!」
妹「浮かれてるのはわかったって」
男「なんと!」
男「今日!」
男「初めて!」
男「告白されました!」
妹「(あ、罰ゲームか)」
いいねえ
妹「ふーん」男「なんだその反応は」
妹「だって…」
男「?」
妹「(まぁいいか)」
妹「どんな人なの?」
男「かわいくてーかわいくてー」
妹「写メは?」
男「いや、ないよ」
妹「え?」
男「そーいや連絡先も交換してないな」
妹「どやって告白されたの?」
男「今まで話したことなかったんだけど」
男「放課後に付き合ってくれって言われた」
妹「(あちゃー)」
妹「…………んで?」男「動揺しつつも平静装って華麗にOKした」
妹「(嘘だな。慌てまくって噛みまくったに違いない)」
妹「よかったね」パチパチ
男「やる気ない拍手だな」
妹「(程度の低いイタズラする人もいるのね)」
妹「(ってか罰ゲームで告白ってなんか古いし…)」
妹「…………」
妹「(まさか本当に奥ゆかしい子が告白したとか…)」
男「俺の想いが届いたんだな」
男「今日はご馳走つくってやるぜ」
男「ふひひ」
妹「…………」
妹「(ないな)」
妹「ありがと。私も手伝うよ」
一時間後男「いやーうまかった」
妹「そだね。ごったま」
男「…………」
妹「…………」
男「なぁ」
妹「…………」
男「妹もおかしいと思う?」
妹「……………………」
妹「……………………」コクン
男「やっぱそーか。そりゃそうだよなー」
妹「……あー、あのさ、なんて言っていいか分かんないけど」
妹「もう全部忘れちゃってもいいんじゃない?」
男「俺さ、好きだったんだよ」
妹「(うわぁ、きっついパターン)」
支援
はよ
期待
素晴らしい
男「過去形なのは言葉の綾というか」男「今も好きなんだけど」
妹「…………」
男「しんみりさせて悪いな」
妹「恥ずかしいかもだけど、泣いていいよ」
男「はは、さすがにそれは…」
妹「ほんとに」
男「……ちょっと洗い物する」
妹「私も手伝おうか?」
男「どんだけ泣いてるとこ見たいんだ」
妹「うそうそ。私がやっとくから部屋戻りなよ」
男「……助かる」
男「明日には、引くほど元気になってるから安心してくれ」
妹「(兄さんの性格を考えると、多分……)」
翌朝 男宅 (火) (6/30)男「……」ガチャ
妹「……んかえり」ゴシゴシ
男「ここで寝てたのか?」
妹「まぁそんな感じ」
男「どうしたんだよ」
男「罰ゲームで告白されて落ち込んでるのか?」
妹「それは兄者でしょうが」
男「そうだった」
妹「……もう平気なの?」
男「自虐できるくらいには」
妹「うんうん、一安心」
男「……んで、相談なんだけど」
妹「好きになってもらいたい、と」
男「さすが妹」
はよ
妹「じゃあ無駄じゃなかったってことだよね」男「何が?」
妹「こうやって朝まで作戦練ってたんだから」
男「え、まじで?」
妹「まじで。たぶん惚れさせたいとかふざけた言うと思ったから」
妹「どうやって攻略しようかと考えてたわけ」
妹「……途中で寝ちゃってたみたいだし」
妹「現段階じゃ余りに情報が少なすぎて」
妹「作戦なんて具体的には立てられなかったんだけど」
男「気持ちだけでうれしいよ」
妹「感謝するのは全部終わってからじゃない?」
ち●ぽに響くSSだ
気に入った
男「…………」妹「んで、疲れてるとこ悪いんだけど」
妹「聞きたいことあるんだよね」
男「何?」
妹「その人って、兄上が好きなこと知ってるの?」
男「女さんには知られてないと思う」
妹「(女さんね、ふむふむ)」
妹「結構重要なとこなんだけどね」
妹「これで、罰の意味合いが大きく変わってくるし」
男「たしかにそうだな」
妹「(知られてないってことは本当に偶然か……周りからの差し込みか……)」
妹「まぁいいや。知らないってことで仮定しよう」
妹「その女さんって人は金髪ツインテの高飛車系ツンデレお嬢様みたいな人?」
男「……そんな人いないよ」
妹「なんてこったい」