人の手が水面に出ていたので握ると、人の重さを感じず、
肘から根本に向けては何もありませんでした。
別の方はじっとこっちを見ていました。
車と流木に身体を潰され、小首を傾げるように。
なぜか、「こんにちは。寒いですね」と声をかけていました。
異臭と疲労と「そういうこと」で、頭の中でサッカーボールがバウンドしているような。
そんなガンガンとした頭痛に悩まされながら。
人のご遺体があっても、程なくして無反応になりながら。
みんなのために早く早く、と念仏を唱えるように呟きながら。
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朝から歩き、夕方頃になってようやく目的地に到着しました。
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