175:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/25(火) 17:54:06.24 ID:m7QS7m8KO
女姉「ねえ、質問があるのだけれど。いいかしら」
男「…どうぞ?」コク
女姉「じゃあ遠慮なく。君、まったく大人を信用してないでしょう?」
男「ぶほぉっ!? けほ、こほっ、一体なにを急に…!?」
女姉「最初に私が聞いた君の相談、あれ、前提から教師の『公式発表なし』という言質を取るためだけに出向いてきたんでしょうし、」
女姉「他にも色々と、大人を行動基準に入れずに考えた末に出た答えが、見え隠れしているもの」
男「そんなワケ、」
女姉「じゃあ今回で私の報酬を要らない、と言い切った君なりの意見は?」
男「それ、は」
女「大人がやることを信頼してないからでしょう? だから良い落とし所を考えて私に提案した。まあ、穿った見方をすればね」
女姉「聞かせて。どうして、そこまで大人を信用出来ないのかしら?」
男「違いますよ、それは…」チャポ
男「信用してないとかじゃなく、俺に出来ることと大人が出来ることを把握してるだけです」
男「やれないことは俺にもあるし、むしろ子供の俺のほうが多いでしょう」
女姉「そう、そうなのね」
女姉「信頼してないじゃなく、大人を期待してないのね。貴方は」
男「…………」
176:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/25(火) 17:55:40.62 ID:m7QS7m8KO
女姉「そっちのほうが問題だわ。子供らしくない、まるで大人以上に未来に道がないと言わんばかりじゃない」
男「だって、あーしてくれこーしてくれと嘆いたってしょうがないじゃないですか」
男「大人だって暇じゃない、例え先生でも生徒一人一人の都合に合わせられるわけじゃないし」
男「だから頑張るんです。無理してるなんて言われても、俺のために無理して他人を付き合わせるほうがもっと面倒くさい」
女姉「君…」
男「──先生。俺は期待するより期待される人間に成りたいんです、きっと」ニコ
女姉「……! ねえ、本当に願いは無いの?」
男「えっ? な、なんですか急にっ?」
女姉「良いから言いなさい、馬鹿ね、そんな苦労は大人になってから考えれば良いの」
男「こ、高校生も既に大人の仲間入りなんじゃ…」
女姉「それ以前の問題」
女姉(一人でなんでも出来るか、なんて大人になっても望むかどうか)
女姉(完璧主義者をうたう私であっても、他人の大切は痛感している)
女姉(この子こそ誰よりも『認めてくれる人』が必要じゃない。なのに、これ以上誰かに認められようとしてるなんて)
男「せ、先生…?」
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