61: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 08:54:34.45 ID:zSMs1Lti0
ユウキは、僕の顔面を殴り飛ばした。
その瞬間、すべてを悟ったのだった。視界の端に消えていくユウキを見ながら、緩慢に近づいてくる地面を見つめながら僕は理解した。ああ、ユウキは、僕の顔を殴れるのだと。つまり、そういうことなのだ。
僕が殴ったのは親友の肩。ユウキが殴ったのは親友の顔。
その事実が、僕らの違いを表していた。
その瞬間、すべてを悟ったのだった。視界の端に消えていくユウキを見ながら、緩慢に近づいてくる地面を見つめながら僕は理解した。ああ、ユウキは、僕の顔を殴れるのだと。つまり、そういうことなのだ。
僕が殴ったのは親友の肩。ユウキが殴ったのは親友の顔。
その事実が、僕らの違いを表していた。
先生のために、先生のことで、先生によって、先生に関して。
僕とユウキでは、こんなにも大きく違うんだ。
だから僕はだめなのだ。だめだったのだ。
ユウキが転がった僕の上に馬乗りになる。すぐさま大きなげんこつが落ちてくる。
とっさに腕を盾にした。それでもやはり、気を失いそうになるほど痛い。
一瞬の隙でも見せたら、その鼻の骨を折ってやる。
そういうつもりでいた。
容赦なく振り下ろされるこぶしは、僕にそれくらいの攻撃衝動を持たせるに十分な強さで、彼への敗北感やら嫉妬やらがぐちゃぐちゃになって、僕はもうとにかく、彼をぼこぼこに殴らなければ気が済まなくなっていた。
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