62: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 08:55:47.78 ID:zSMs1Lti0
ユウキのこぶしを、十も受けないうちに、ふと涙が溢れてきた。
止めようという余裕もない。顔の前に構えた両腕が降りないようにするのに、精いっぱいなのだ。恋愛というのは、なんとままならないものなのだろう。
それが二つの心で形作られる以上は、その半分、自分の心の領分くらいは、なんとかなるのではないかと思うのだが、
しかし恋愛というのはいつでも、だれにとっても、丸ごとすべてどうにもならないものなのだ。鼻血と涙で、僕の顔はぐしゃぐしゃになっていた。
おまけに、ユウキの涙やら鼻水なんかも上から降ってくるものだから、もう見れたものではない。
ふとユウキがその手を止めた。
腫れきった右目をうっすらと開けると、彼は歪んだ泣き顔を両手で覆っていた。同情なんてするものか。
止めようという余裕もない。顔の前に構えた両腕が降りないようにするのに、精いっぱいなのだ。恋愛というのは、なんとままならないものなのだろう。
それが二つの心で形作られる以上は、その半分、自分の心の領分くらいは、なんとかなるのではないかと思うのだが、
しかし恋愛というのはいつでも、だれにとっても、丸ごとすべてどうにもならないものなのだ。鼻血と涙で、僕の顔はぐしゃぐしゃになっていた。
おまけに、ユウキの涙やら鼻水なんかも上から降ってくるものだから、もう見れたものではない。
ふとユウキがその手を止めた。
腫れきった右目をうっすらと開けると、彼は歪んだ泣き顔を両手で覆っていた。同情なんてするものか。
ぎしぎしに痛んだ全身を跳ね起こし、ユウキの左耳あたりに一発入れてから、僕はマウントをとった。
同情なんてするものか。
しっかりと心に戒める。
そうして僕らは、互いに動けなくなるまで、代わる代わるで殴り合っていた。
どうしてこんなことをしているのか、どうしてこんなに悲しいのか、すっかり分からなくなってしまっても、僕らはそれを続けていた。
二学期が終わる。
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